第2話 図書館に向かって
この大陸には四つの国がある。
一番大きくて、様々な貿易をしている『アオスゲツァイヒネト』
この国の皇帝の家系は青色の目をしているため、青色がこの国の象徴となっている。
街も一番発展していると聞いていて、誰もが一度は行ってみたいと思う場所だ。
二番目に大きくて、質のいい鉱石がたくさん採れることから主に宝石などの貿易をしている『エーデルシュタイン』
この国の皇帝の家系は赤色の目をしているため、赤色がこの国の象徴となっている。
三番目に大きくて、日の当たりの良さから主に作物の貿易をしている『エッセン』
この国の皇帝の家系は橙色の目をしているため、橙色がこの国の象徴となっている。
大陸の食物はエッセンから届く物も多く、街ではよく出回っているがエッセンで食べた方が更に美味しいという噂も。
一番小さくて、主に海での貿易をしている『メーア』
この国の皇帝の家系は緑色の目をしているため、緑色がこの国の象徴となっている。
メーアは謎に包まれている部分が多い印象だが、歴史は古いと聞いたことがあるがその理由は詳しくは知らない。
ちなみにトイフェリンは、『エーデルシュタイン』略してエーデルの侯爵令嬢なのだが、今は皇太子の婚約者である。
夢の中で婚約者の彼も出てきたような気がするが、他にももっとたくさん人が出てきたような気がしなくもない。
向かっている道中の馬車の中では、リナと会話をしていた。
「急に図書館に行きたいだなんて珍しいですね!いつもは二日ほど前から予定を教えて下さりますから」
「どうしても今すぐ調べたいことが出来てしまって…、皇宮の方々には朝から慌ただしくさせてしまって申し訳ないです…」
トイフェリンはとても申し訳ない顔を浮かべていた。
本来は執事や専属の侍女が予定を管理してくれるのだが、皇太子が「自由にしてくれて構わない」と、特別にトイフェリンが管理している。
出来る限り使用人たちの負担を抑えてあげたいという、彼女の気遣いなのだ。
皇宮に仕える使用人は選定される為、人数が少ないのにも関わらず毎日膨大な数の仕事に追われている。
その為、急に予定を入れてしまったことで、使用人の仕事を増やしてしまったのではないかと思い、それは彼女にとっては本当に申し訳ないことで、気持ちが落ち込んでしまう。
「皇太子殿下も快く承諾して下さいましたし、お嬢様はいつも私たちのことばかりで全然ねだられないんですから、もっとわがままを言っても良いんですよ!!」
そう言い、リナは明るく励ましてくれる。彼女の明るく優しい性格にトイフェリンは何度も心を救われている。
「いつもありがとう。リナが私の侍女で本当に幸せ」
トイフェリンは優しく微笑みながらそう言った。
「そんな!私こそお嬢様の侍女でいられて幸せですよ!!!これは私の一生の誇りです!」
その後も楽しく会話をしているうちに図書館に着いた。
「では、行きましょう!」
読んで頂きありがとうございました!
今回は国の紹介もあり、トイフェリンの性格が少しずつみえてきました!