第13話 婚約破棄の準備が整う
トイフェリンが馬車に戻って少ししてから、アルドが戻って来た。
「急に居なくなっていたから驚いたよ」
「ごめんなさい。人混みに疲れてしまって…」
本当は二人だけにするために離れたのだが、そんなことは言えるはずもなく言い訳を述べるしかない。
「聖女様とはどうでしたか?」
「そうだね…、僕も聖女について学ぶべきだと思ったよ。まだ君から聞いたことしか知らないからね。これから国の為にも彼女をどうするか考えて行かないとね」
(この様子だと殿下は聖女様に、まだ好意を抱いてはいないのですね。それは少し困ったことになってしまいましたね…)
聖女には幸せになってもらわなければいけない。その為には、アルドと両想いになって結ばれるのが一番だ。
(私が居なくなって物語通りに進んで二人の仲が良くなるといいのですが)
帰りの馬車では、建国祭の話や聖女の話をしていたため、行く時のような沈黙はもう無くなっていた。
皇宮に着いたトイフェリンは早速、両陛下へ謁見の申し込みを行った。
返事はすぐに伝えられ、明日謁見することが決まっている。
(こんなにすぐに謁見の日にちが決まるものなのですね!?両陛下に婚約破棄の主旨をお伝えすることを早く考えておかないと…!)
謁見の日程や、そもそも返事がこんなに早く返ってくるのは本当に珍しい。しかも、今日は建国祭や聖女誕生もあって忙しいはずなのに。
不思議に思うトイフェリンだったが、時間がない。準備を進めなければ。
トイフェリンはその夜、聖女について書いてある本を読み漁り、知識をつけた。
その知識を使って聖女が如何に、この国を良い方向へと導いていけるのかを両陛下に述べ、納得してもらう必要がある。
説得力を高めるため、話すことを紙にまとめて内容を整理する。
自分でも納得がいくような文を考えるのには時間がかなりかかったが、これで婚約破棄の準備が整ったと言える。
(このような感じでいいでしょうか…?)
明日に備え、トイフェリンはいつもより早く眠りについた。
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