第95話 愛する彼との結婚式
会場へ向かえば、扉の前にはヴァイゼの姿が。
白い正装にヴァイゼの銀色の髪では、青色の瞳がとても映えていた。
その瞳も、今日はより一層綺麗に輝きを帯び、トイフェリンに微笑みを浮かべている。
「綺麗だな」
「ありがとうございます。ヴァイ殿下も素敵です」
「行こうか」
「はい!」
ヴァイゼの手を取り、扉は開かれた。
トイフェリンの心臓は緊張により強く波打っているが、会場の光景に鼓動が落ち着き始めていく。
歩きながら、招待した人たちと目線を合わせて進んでいる。
招待されたのは、親族と親しい仲の人だけ。
トイフェリンの家族。ヴァイゼの家族。それから、アルドとソフィア。ティーフ。そして、ヘルヘーニルも。
物語を進めて行く中で、出会い、交流した人全員が今、ここに揃ってトイフェリンとヴァイゼを祝福してくれている。
とても幸せだと、心に染みるほど実感した。
「二人は健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、愛し合い、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
牧師の近いの言葉に、二人は声を合わせて誓う。
「「誓います」」
そして二人は始めての口づけを交わした。
この誓いで、トイフェリンの瞳は紫色から青色に変わる。
アオスの皇族となった証だ。
それから結婚式は終わり、皆で楽しく食事を楽しむパーティーの時間。
その時間、トイフェリンは皆と挨拶をして回っていた。
「フェリン様!おめでとうございます!!本当に素敵です!」
「ありがとう。ソフィアの結婚式も楽しみにしているね」
「はい!」
ソフィアの結婚式は数週間後にある、エーデルの建国祭の日。
二人が出会った日でもある日に結婚式とは、なかなかにロマンチストのようだ。
「おめでとう。これからは妃殿下と呼ばないといけないね」
「そうですね。まだまだ馴れないですけれど…」
「きっとすぐ馴れるよ」
「はい。ありがとうございます」
アルドと会話をしていると、ソフィアが軽く肩を叩いてきて振り返ると、こっそり耳打ちで話を始める。
「フェリン様の考えてくれた作戦、上手く行って一緒に寝ることが出来たんですよ…!」
「私の作戦で大丈夫か心配だったので、上手く行って良かったです」
「本当に感謝しかありません…!ありがとうございます!」
その話をしている間、アルドは不思議そうな目でトイフェリンたちを見ていた。
読んで頂きありがとうございました!
とってもおめでたいです!ここまで長かったので、なんだか自分のことのように嬉しく思います^^