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魔法の紅茶専門店  作者: ミイ
98/139

098.光



...




コンコンッと扉をノックする音がした。アンの部屋の隣に用意したポートマン夫妻用の部屋の扉だ。


「失礼、今宜しいだろうか。」

扉の向こうからくぐもった声がした。


「ヘンリーだね。お入り。」

エレンは返事をする。


ヘンリーは礼をすると部屋に入ってくるなり人払いをした。

「夜分に失礼致します。アンが目覚めた事、何よりも嬉しく存じます。」


「人払いも済んでる、いつも通りでいこう。」

アーサーが勘弁してくれ、と苦笑いした。


「はい、では。既に夜もおそいので単刀直入に。


オリビアが魔法をーーーーー

"光の魔法"を使った事について尋ねたい。」


ヘンリーはスッと音もなく二人の向かいの椅子に座ると、前のめりの姿勢で尋ねた。


エレンはどう話すべきかと逡巡したが、予想していたのだろう、アーサーは躊躇いなく答えた。


「あれは、正確にはもともとアンの魔力によるものだろう。」


その言葉に、ヘンリーの眉がピクッと片方だけ上がった。


「というと。」


「あの子がアンを身籠り、予定日まであとひと月という時だった。その頃から急に、オリビアは精霊様の姿が捉えられるようになった。会話もできているようで、慌てて私達に教えてくれたものだよ。」


アーサーの説明に、エレンも頷く。


「その時に見えたのは、風の精霊様達と

ーーーーー光の精霊様だとオリビアは言った。」


「光の精霊様は、やはり存在するのか...」

ふむ、と確認するようにヘンリーは呟く。どうやら精霊が存在せずに魔法だけが発現する可能性は薄そうだ。


「だが、オリビアは予定日よりも2週間ほど早くアンを産むと、精霊様が認識できなくなったと言っていた。つまり、あれは胎児だったアンの魔力で見えていたと見て間違いない。」


そこまでは、ヘンリーも納得できた。


「だが、アンが大きくなる前、4歳の時にオリビアは病に伏せってしまった。それまで、オリビアはアンが頼めば先程の星屑の魔法だけは使う事ができていた。


オリビア自身は、それを光の精霊様からアンが産まれるその日に教えてもらったと言っていた。」


ヘンリーは、ここまでの話には自分が不穏に思った引っかかりとは関係ないと感じていた。





そこに、ノックの音がした。


「あの、オリビアとアンです。」

と、オリビアの声がした。


二人とも隣の部屋から侍女に支えられ歩いてきた。


丁度いい、とアーサーは手招いた。複数視点からヘンリーに話すべきだろうと、その必要性は感じていた。


「入りなさい。」

エレンも促すと、二人はゆっくりと入ってきた。外にヘンリーの従者がいたため、部屋に入って良いか迷っていたのだろう。




「二人とも動いて大丈夫かい?」

エレンが心配そうに問いかける。


「それより、急ぎお話ししなければ。」


アンは青白い顔で、意を決したように、か細い声を出した。










「ーーーーーーーーーの存在が分かったの。」

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