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魔法の紅茶専門店  作者: ミイ
73/139

073.僕の愛しい子

いつも読んで頂きありがとうございます!約40,000PV、読者5,000人、ブックマーク80オーバー...衝撃です。涙涙です。



「...見つけた。」



ふと、どこかで聞いたことのある声に、アンはハッとして顔を上げた。ノワールは聞き覚えのない声に驚き、ヨタヨタとした足取りでアンを庇うと、その声の方向を急いで振り向いた。


そこにいたのは、中型犬程の大きさの、フウ達に似た風貌、周りに幾つか本物の雨雲らしきものを引き連れている精霊だった。


「水の精霊様...?たしか、チャプ...?」


ノワールは、アンの言葉に目を丸くしつつも

「そうか、精霊様...。」

と納得したようにチャプに見入った。


アンは突然の事に驚いて、涙がパタリと止まった。





驚いたのは、チャプが現れたことではない。







ノワールがその姿まで見えているということだった。





「うふふ!見つけたよ!僕の愛しい子♪」

チャプは楽しそうにノワールをあらゆる方向から観察する。


「うん、素敵だね!いいねいいね!まさにだ!これでアンからの魔力提供量もなくて大丈夫そうだよ!」

品定めが終わったのか、チャプは満足気である。


アンとノワールがキョトンとしていると、

「チャプ〜!元気〜?」

「ブウが言ったとおりだね〜!」

「ほらね〜素敵でしょ〜?」

と、風の精霊達が会話を始めた。


「うん、すっごく素敵だよ!僕決めた!この子の守護精霊になるよ!」

チャプは嬉しそうにノワールの周りで虹をかける。


「あ、でもね〜」

「その子治癒がいるの〜」

「白タヌキが必要なくらい〜」


「あ、それは詳しく知りたいなあ。白虎!話せるかい?」

チャプは相変わらず少しせっかちに話を進めてゆく。


白タヌキはアンの膝から音もなく降りると、窓枠がガタガタと鳴るくらいの風を巻き起こし、姿を白虎本来のものに変えた。


「グルゥウアウ...


ヒトノコトバ、ヲ

話スノハ、久シ、イ


風、ノ精霊語デモ宜シ、カ?」


白虎の咆哮のような重低音の言葉が室内に響き渡る。


「あー、僕風のは話すの相性悪いんだけど、聞くのは平気!こちらからは人間の言葉でいいよね?」


白虎はコクンと頷いた。そして、風の精霊の言葉だろうか?アン達には殆ど聞こえない風のざわめきのような音で話し始めた。


「...ふうーん。なるほどね。でも白虎なら治せるでしょ?」


「時間、ハ、カカル」


「じゃあお願いしてもいいかな?久しぶりにこんなに素晴らしい出会いをしたんだ。死なせてくれるなよ!今度沢山お礼するからサ♪」


白虎は頷いたものの、アンの方を顎で指した。そして、元の姿に戻り、また膝の上に戻って寝始めた。


「あ、寝ちゃうの?もー、白虎もアンから魔力もらえばいいのにー。」

チャプはピッと数滴の水を白タヌキに飛ばした。


白タヌキはチラリと目を開けると、ぶすっとしてまた寝た。


「あ、あの...!チャプ?色々話についていけなくて、話してもいいかしら?」

アンは恐る恐る割り込む。


「あ、ごめんね。早い話、僕は愛しいこの子の守護精霊になりたいんだ。だけど、病で死にかけのこの子を助けなければ、すぐにサヨナラだ。だから白虎と君で考えてた形で、どうか僕の愛しい子を助けて欲しいナ!」


チャプは嬉しそうに飛び回る。


アンはどこからどう説明した方がいいか分からず、とりあえず呆然とするノワールに



「ですって!」


と言うと苦笑いをした。

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