【漫才】聞き間違い
ツッコミ「はい! さぁ、やってまいりましたよ、笑いの時間! これから三分間は僕らのネタですからね! 笑わないと損ですよ~」
ボケ「今日も美男美女がお揃いで! 僕らのヤル気も漲りますね~」
ツッコミ「美男美女じゃなくてもヤル気出して~」
ボケ「え? お前、お客様の中にブサイク居てはる思てんの? うわ、怖ぁ。よう言わんで。見てみいや、別嬪さん、別嬪さん、一つ戻って別嬪さん」(客席を指しながら)
ツッコミ「お前、ソコは一つ飛ばすんちゃうんかい! 戻ったら同じ人二回指してもうてるやん」
(ボケがヤレヤレと首を振る)
ツッコミ「ん? なんや?」
ボケ「お前が飛ばそうとした人、審査委員長の奥さんやで」
ツッコミ「メッチャ別嬪さん! 全盛期の花子姐さんくらい別嬪さん!」
ボケ「それ、微妙に褒めてないやつやで? こんなヘッポコの『ツッコミ』とナイスガイの『ボケ』でやっていきます」
二人「よろしく、お願いしまーす」
ボケ「子どもの頃な、聞き間違えで恥かいたことあらへんか?」
ツッコミ「なになに? いきなり」
ボケ「俺な、天気予報の“波浪警報”をな、ずっと間違えて覚えとったんよ」
ツッコミ「あー、台風近付いて来よったときにある、『高波に注意して下さい』ってやつやな」
ボケ「それをな、ずっと“ハロー警報”やと思っとってな」
ツッコミ「なになに? どうゆうこと?」
ボケ「『外国人がメッチャ流されてきて、英語で挨拶せなあかん』ゆう警報やと思っとってん」
ツッコミ「あー、なんか分かるわぁ。俺もな、昔っから“雰囲気”のこと、ずっと“ふいんき”って言っとってん。スマホで変換できんくって、それで気付いたんよ」
ボケ「そら、お前だけや。そんなん辞書引いたらすぐ分かるやろ」
ツッコミ「え? 辞書なんて持ち歩かへんやん!」(観客に同意を求める)
ボケ「お前、今時の小学生のランドセル事情舐めんなよ。十代未満の腰痛持ちが社会問題にもなっとるんやぞ!」
ツッコミ「えぇ~」
ボケ「柴犬っておるやろ?」
ツッコミ「“しばけん”とも言うよな? あれ、どっちで言ったらええか迷うよなぁ~」
ボケ「そんなん相手に伝わりゃ、どっちでもええねん」
ツッコミ「あ、“しばいぬ”が正しいの? 文化庁にも登録されてんねや?」(カンペを読んでいる風)
ボケ「俺ずっと“シヴァ犬”やと思っとってな。インドのエラい神様の生まれ変わりや思とってん」
ツッコミ「そんなエラいもん、よう“シバけん”わなぁ」(ドヤ顔で)
ボケ「お前、下手な事言うと、この世界から消されるぞ!?」
ツッコミ「え? 嘘ぉ?! まだ信じてるん? そんなん日本中神様だらけやで?」
ボケ「どアホ! 審査委員長の飼ってはる柴犬の名前が『シヴァ様』やねん! 『様』付けんと、ど突かれるぞ!!」
ツッコミ「えぇ~。そんなん家族の誰かが止めはるやろ~」
ボケ「名付けたん、ソコに居てはる奥さんやねん」
ツッコミ「ウソや~ん」
ボケ「まぁ、奥さんに“シヴァ犬”の話したん俺やねんけどな」
ツッコミ「お前のせいかい! ヤメさせてもらうわ」(ボケの胸元をビシッと叩くかんじで)
二人「どうも、ありがとうございました~」
了




