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82:怪しい座員の正体は

意を決して、ニコはキリクさんに切り込むことにした。


「やってきた旅芸人一座に一際目立つ変わった座員がいると聞いたんですが……」


レインとリュードから聞いた話だ。

ニコが問うと、キリクさんは意味深に目を細めてみせる。なんだか面倒な予感がした。


「……気になるかい?」


相手を小馬鹿にしたような、試すようなキリクさんの口調に、ニコは辟易する。やれやれ。大方キリクさんの反応で察しはつくが、反応がいちいち面倒くさい。


「いいえ、何か不審な動きをしているらしいと聞いて、何かキリクさんに情報が行っているかもしれないと思って」


ニコは適当に誤魔化す。何も知らないモブキャラが主人公に興味を持つのは本来なら不自然なことだ。そこをキリクさんにつけ込まれると余計に面倒だった。


「例えばですが、他国から来た刺客か何かなのでは?」


「刺客?まさか!」


ニコの仮説に、キリクさんは苦笑する。


「だって、レインやリュードに、初対面で取り入ろうとしたなんて、だいぶ怪しいですよね?なんで違うって言いきれるんですか?」


つまりは、キリクさんはその人物の正体を知っているからでは? と、ニコが半ば無理やりな仮説を立てていると、キリクさんは再び嫌な笑みを浮かべている。


「なるほど、そう来るか。まぁでも、怪しいヤツかもしれないけど、悪いヤツではないと思うよ。ニコも会ってみたらわかるよ」


(だから、会いたくないからわざわざここに来たんだってば)


全てを見越した上で立ち回っているだろうキリクさんに、だんだん腹が立ってきたニコだった。


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