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65:脱出

(やれやれ……)


結局、ゼルはわざわざ寺院の入口までニコを送ってくれた。行き交う人達が、ゼルの赤い鎧をチラチラ見てくるのが気になったが、確かに、ゼルの姿は目立つ。


「案内してくれてありがとうございました」


「礼を言うのはこっちだよ。俺の指輪のせいで嫌な思いさせたよな。ごめん」


「本当に……今度同じことしたらどんな貴重品でも破棄しますので!」


「言うよなぁ〜」


殊勝な態度から一転、バッサリと切り捨てるニコに、ゼルは笑った。やはりこの庶民の青年は只者では無いらしい。エミールに誰がどんな報告をしたのかは知らないが、目の前の、別段特記する箇所が見当たらない平凡な青年が、国家に仇なす者には到底思えなかった。


「今日みたいなことになったら面倒なので、暫くは店も閉めますね。騎士団長ももううちの店には来ないようにしてくださいね」


「えぇ?それ、本気で言ってる?」


「これ以上、執政官殿に目をつけられたくありません」


そう言われると、ゼルも返す言葉がなかった。

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