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37:続いてのイベントは?

キッチンに戻ったニコは、途中にしていた調理を再開していた。ほどなくして。

カランコロン。

四葉珈琲店入口のベルが鳴る。

今日は珍客続きである。


「いらっしゃいま、せ……?」


さすがに本日二度目のベルなのでカフェ店員の固定セリフを発することが出来たが、最後の方は疑問形になった。


「ニコ・キッドソンさんでいらっしゃいますか?」


きちんとした身なりの執事が玄関に立っていた。いかにもなスーツをきちっと着こなし、真っ白な手袋、上品に整われた髭、白髪をオールバックに決めた、明らかにただ者ではない老紳士である。

間違いなく、こんな庶民のカフェには不釣り合いな人物だ。


「はい、そうですが……あの、どちら様でしょうか……」


恐る恐る、ニコが問うと、老紳士はニコリと微笑んだ。


「ジェラルド・ジョリー様の使いで参りました。トム・ファンと申します。ニコさんをお迎えにあがりました」


(忘れてたーーー!!!)


昨日の今日でゼルが突然やってくるからすっかり忘れていたけれど、もう一人、昨日約束を取り付けて来た奴がいたではないか。

そして二人とも昨日の今日で行動が早いな!律儀か!


「お、お迎え、とは……?」


「主人より、ニコさんをジョリー家の別荘にご招待するように、とのことです。広場に馬車を停めておりますので」


「馬車!?」


目立つ!馬車て!ファンタジーか!ファンタジーだけど!

相手が渋るとか断るとかは全く考えていないらしく、ニコがアワアワしているのをトム氏は完全にスルーして、とっとと付いてこい、という勢いである。

めちゃめちゃいい人そうだけど、貴族やその関係者はなんだか無意識に強引である。庶民の都合など知ったこっちゃないのだろう。

恐らく、これはついて行くより他ない。

ゲームでの、ジェラルドの別荘イベントは、出会いの次のステップに繋がるものだ。

やっぱり、展開が早すぎる。


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