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2-1

 セレナは『ダークレオ討伐』のクエストを選んだ。

 タブレットをかざして『クエスト受注』ボタンをタッチする。


「いきなりダークレオを討伐するのか!?」

「あったり前でしょ。わたしたち、ドラゴンをやっつけたのよ」


 ダークレオとはその名の通り、漆黒の獅子。

 ドラゴンがかつてそうだったように、ダークレオも未だどのプレイヤーも撃破したことのない強敵の魔物である。

 そもそもダークレオ討伐の依頼を受けられるプレイヤーが少ない。この依頼を受けられるのはそれ相応のレベルや活躍をしたプレイヤーだけである。なので必然的にダークレオに立ち向かうのは高レベルプレイヤーになるわけだが、彼らは皆、漆黒の獅子に返り討ちにあっている。

 今の俺たちで挑むのは無謀極まりない。

 敗北すれば経験値80%没収。

 そのペナルティはあまりにも痛い。


「魔物討伐のよりも採集系のクエストを受けないか?」


 俺が提案する。

 採取系のクエストとは、アイテム生産に必要な素材を集めてくるクエストである。HP回復系のポーションを生産するのに必要な薬草や、鍛冶に必要な鉱石などを指定された数だけ拾い集めるのだ。

 アイテム採集系のクエストなら魔物と戦う必要がなく、安全にクエストをクリアできる。戦闘には不向きな生産系の職業(クラス)はもっぱらこの採集系クエストをこなして経験値やお金を稼いでいるのだ。そしてほぼレベル1状態の俺も採集系クエストにはお世話になっている。

 採集系クエストで少しずつ経験値やお金を稼ぎ、それからダークレオに挑むのが定石だろう。


「でも、採集ってつまんなくない? ダンジョンに落っこちてるアイテム拾うだけでしょ?」

「いいや、違うぞ」


 セレナの言葉に俺は反論する。


「採集できる素材にも品質(ランク)があってだな、良い品質の素材ほどクエストクリア時の判定で高いスコアを出せるんだ。中にはクエストクリアに使うより、プレイヤー間でトレードしたほうが儲かるアイテムだってある。俺ほどになれば、手に取るまでもなく落ちている素材の品質を見極められるんだ。とにかく採集は奥が深いんだ」


 すっごい早口で力説した。

 ぜえぜえと肩で息をする俺の勢いにセレナもクラリーチェもたじろいでいた。


「トキヤくん。採集が大好きなんだね」

「いや、好きと言われれば返答に困るぞ……」

「……トキヤ。あんたの言いたいことはよくわかった」


 セレナが真剣にうなずく。

 それから意気揚々と言った。


「それじゃあダークレオ討伐がんばるわよっ」

「なんでそうなるんだよ!?」


 こいつ、俺の話をまったく聞いてねえ!

 いや、幼馴染だからこうなるのはなんとなくわかっていたが……。


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