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フォレストタイガーを撃破した後、俺とセレナは幻獣に案内されて森の外に出ることができた。
「幻獣と会話できるスキルか。トキヤもたまには役に立つわね」
「いや、毎回役に立ってるだろ!?」
フォレストタイガーとの戦闘で幻獣に『エンチャント』をしてもらったから、道案内にはまた別の条件を出されるかと思いきや「キミたちのおかげでフォレストタイガーをやっつけることができたよー。ありがとー」と幻獣は快く俺たちを外まで案内してくれたのであった。
「トキヤくん! セレナちゃん!」
「ご無事ででありましたか、お二人とも!」
森から出て『ラテリアの丘』の中間ポイントまで戻ると、そこには街に帰還したはずのクラリーチェとルンがいて俺たちを待ってくれていた。
クラリーチェが小走りに駆け寄ってきて俺とクラリーチェの手をそれぞれ握り、再会のよろこびを身体いっぱいで表現する。
「無事だったんだねっ」
「街に戻ったんじゃなかったのか、二人とも」
「お二人が魔物と戦闘になったので、助太刀いたそうと戻ってきたのであります」
「へ? あんたらどうしてそれがわかったの?」
「タブレットのログを見たんだよー」
なるほど、そうだったのか。
タブレットを開き、『ログ』を見てみると、『フォレストタイガーを撃破した』の一文の下に、フォレストタイガーとの激戦が文字列でずらりと表示されていた。ついでにパーティーチャットものぞいてみると、クラリーチェとルンの俺たちを心配する発言がいくつも書かれてあったのに今さら気付いた。
「トキヤくんたちが勝ってルンちゃんと二人でよろこんでたところだったんだよ」
「クラリーチェどのと森に入ろうと思っていたのでありますが、トキヤどのとセレナどのを信じてここで待っていたのであります。それにしてもすごい威力でありますな。トキヤどのの幻獣を宿した『エンチャント』は。一撃でフォレストタイガーをやっつけたのであります」
「どうして俺の『エンチャント』のことを知ってるんだ!?」
そんな詳しいことまではログには載っていないはず。
「クラリーチェどのから教えてもらったのであります」
「ダメ……だったかな……?」
「いや、ルンなら問題ないが……。俺の『エンチャント』はバグ利用みたいなもんだから、あんまり他人には教えたくないんだよな」
幻獣の力を武器に宿すスキルなら普通にあってもおかしくないだろう。しかし、それで攻撃力が9999も増加するのは明らかに『ハルベリア・オンライン』運営の意図した仕様ではない。
「承知したのであります。他言は無用でありますな。こう見えてジブン、口は堅いのでご安心ください!」
ビシッ。
ルンは軍隊みたいな敬礼のポーズをした。




