魔界探索へ1
「英語の授業が終わったー!」俺は心の中でそう叫びながら大きな伸びをした。
俺は勉強大抵は普通よりちょっと上くらいにはできるのだが、英語だけは苦手だ。
なぜって?俺は生粋の日本人だからだ。
しかもここ1年位は更にモチベが下がってやる気が出ない。
これは魔力持ち同士の会話に共通の言語が必要ないと分かったからだ。
まあ年上の外人には必要になるかもしれないが、時代が進むとどんどん言語が必要なくなるんだ。
俺たちがその先駆けになるべきだろう。
なんて心の中で言い訳しても現実は英語という悪魔の討伐を強要してくるわけで仕方なくやっている。
英語が苦手なのは俺だけじゃなくゆうすけはまあ全教科無理だけどまさゆきも結構苦手なのだ。
会話しないため1番必要ないであろうちさが1番英語が得意だ。
まあ高校とか大学の勉強なんてその部門の職につかなきゃ使うことなんてないからな。
英語も別に拙いものでも伝えることはできる。
まあ今はそんな言い訳をしても意味なく、勉強するしかないのだけども。
「俺はさ、英語なんて魔力持ってるから使う必要ないと思うんだよ」
勇亮が何度目か分からない理屈を話してきた。
中学校から続いているこの無駄な抗いいつも同じ言葉で返される。
「・・あきらめろ・・」
最初は長かった、自分たちより年上にはいるんだしとか、勉強は大人になって忘れるがそれをすることに価値があるとか、他の教科もできないだろボケとか。
だがこの言い訳が長く続きすぎたのだ。
その結果言葉は一言に簡略化された。
「あきらめろ」その一言に。
ぶっちゃけ何度も何度も同じこと言われたらめんどいだろ。
いくら自分も英語苦手でも面倒になることもある。
本人ももう半ばネタで実際あきらめて勉強している。
だからまあ問題ない。
「ていうかさっさと昼飯食いに行こうぜ」
「・・それ・・」
「そうだなこの馬鹿はほっといて行くか」
「ほっとくな!俺も行くよ」
そこから食堂に談笑しながら行った。
食堂の飯もまあまあ旨いしなにより安い。
まあ高いやつは天井知らずだけど基本は学生用の価格と量だ。
ポイントで買うからスマホを忘れると買えない。
勇亮は初めて来た時スマホを忘れて教室に取りに帰っていた。
今日俺は天ぷら定食を頼んだ。
千桜は焼魚定食。
勇亮はビッグバーガーに牛丼の大盛り。
雅亮は俺たちが頼んだものよりも少し高めの日替わり定食竹だ。
この上に梅もあるけどそれはさすがに手が出ない。
食堂に来てからまだ大して立っていないがその中では一度も見たことがない。
まあそうそうおめにかかれるものではないだろう。
日替わり定食竹でも俺たちのよりも高いのに梅は桁が一桁違うからな。
高級料理店のコース料理みたいな値段がする。
まあこの食堂とは別の食堂ではもっと高いやつがあるらしいからこの学校はおそろしい。
この学校も新学校教育法でいくつかの学校が統合された学校だからな、そうとう金があったんだろう。
たしかこの辺りは私立が多かったからそれで金が多かったのだろう。
天ぷら定食を受け取って俺は適当な席に着いた。
勇亮はもうすでにビッグバーがと牛丼を持って席に座っていた。
正直ビッグバーガーも某ハンバーガー店の大きいバーガーよりも2回りくらい大きい。
それに安くてうまい牛丼の大盛だ。
普通でも結構量が多いのにそれを大盛だからな、すごいよなこいつの胃。
見てるこっちの腹がふくれそうだ。
俺もこの天ぷら定食を食べようかな。
この天ぷら定食海老が2本あるのだ。
海老好きの俺としてはうれしいかぎりだ。
サクサク
食堂だから揚げたてじゃないと思うんだけど、衣がサクサクでうまいな。
ちなみに俺は最初の一口はそのままで少しだけ食べる。
素材の海老の味もしっかりする。
なにより海老がぷりぷりだ。
海老の天ぷらはこうじゃないと。
次は天つゆにつけていただこう。
と俺が海老を天つゆにつけたとき千桜も来た。
「今日の魚はなんだ?」
「・・鰆・」
今日の焼魚は鰆だな。
春の鰆はあっさりして肉がやらかいんだよな。
結構安いし俺の料理当番のとき鰆だしてもいいな。
次はサツマイモいくか。
やっぱり甘いな。
このサツマイモの天ぷら甘みがすごい。
食事中の甘味はって俺はそんなに好きじゃないんだけどサツマイモの天ぷらは許せる。
まあ俺が天ぷら好きだからだろうけどな。
千桜と勇亮を見てみると勇亮はもうすでにビッグバーガーを食べ終えて牛丼を食い始めてる。
千桜は箸を使ってゆっくりと焼魚定食を食べている。
一口が小せえな。
こういうところを見ると普通に女子なんだよなぁ。
あ、やべこんなこと考えたら・・ほらみろ千桜がにやにやしてやがる。
なんでこういうことを考えるとすぐ気づくのかね〜。
『今、私のこと女子っぽいとか考えたでしょ』
『・・考えてない』
『ふっふっふ、私の目からは逃れません。ねえドキッとした?したの?』
ああ、うぜえ。
うかつだった、こいつの前でそんなことを考えるとすぐこうなる。
勇亮は目を少し逸らして牛丼を食ってる。
あいつ俺の影に隠れてバレなかったな。
いや俺が先に思ったから俺が狙われたか。
『勇亮もドキッとしたもんね〜』
『え、いやいやそんなお前にドキッとするわけな、ないだろ』
影に隠れきれてなかったか。
千桜こういう時のお前はいきいきしてるな。
是非ともそのやる気を違うベクトルに向けてくれ。
『なにしてる?』
雅亮が来ていた。
しょうもない会話に夢中で気付かなかった。
もうすでに雅亮は自分のお盆を机に乗せて座ろうとしている。
『彼らは私にドキッとしたことを隠そうとしているだけ』
『いやいやドキッとなんてしてないよな勇亮』
『そうだぜ。お前にドキッとなんてするわけないだろ』
『そうなのね。やっぱり私はかわいくなんてなかったのね』
あ、やばい。
わざとらしい演技をする千桜を見ながらそう思ったときには遅かった。
『いや、そんなことは実際さっきはドキッと・・』
あ〜、終わった。
悲しそうに見えて咄嗟に口が出たんだよな。
お前は優しいやつだな勇亮でもな
『なんで今のまるわかりの演技に乗せられてんだよ』
『勇亮、ドキッとしたの?ドキッとしたんでしょう?』
『くっ、悪いハジメ』
『認めたね?認めちゃったね〜』
その後、飯を食い終わって食堂出るまでこれは続いた。
そのせいで飯を少ししか堪能できなかった。
残念だ。
午後の授業、魔力の授業のはずだが教室でスタートだ。
座学か?
魔力の授業で先生が俺らに教えられることなんてほぼないと思うんだけどな。
少し不思議に思いながら授業の開始を千桜の机で駄弁りながら待った。
先生の足音が聞こえた。
もうそろそろ来そうだな。
「先生もうそろそろ来そうだし解散して席戻るか」
「そうだな」
「OK!よし魔力の授業は余裕だぜ」
「・・座学かもよ・」
「えっ⁉︎」
俺たちは各々の席に戻った。
勇亮の背中はいつもより小さかった。
俺が席に着く前に先生が教室の扉が開かれた。
そこで鈍感な数人も席に向かった。
「早く席に着け!今日の魔力授業は今後の実習などのために区域を説明する」
魔界の区域。
そんな初歩的なことを今更説明するのか?
ていうか初回の授業でやっただろ。
いやこの学校周辺の区域か。
「この学校付近の区域について説明する。真面目な授業じゃないんだ。ちゃんと起きて聞くんだぞ!」
先生が少し声を張り上げていった。
まあこのSクラス学問も相当できないと入れないから寝てるやつは3人しかいないのだがおそらくその3人に言ったのだろう。
というか先生が真面目な授業じゃないから起きろというのはどうなのだろう。
全部の授業起こすべきでは?
まあそれだけこの授業が大事なのだろう。
先生が黒板に大小大きさの違った正方形を3つ書いている。
3つあるが正方形の間に空間が結構ある。
そして黒板にチョークを当てながら説明を始めた。
「この学校周辺には3つ区域がある」
まあそうでしょうね、正方形3つですからね。
「そしてその区域の種類は大きいものから草原サバンナ、山脈の区域がある」
そう言いながら大きいものから草原、サバンナ、山脈と書いている。
「区域のランクは草原がE+、ジャングルがD、山脈がD+だ。これがこの周辺の主な区域だ。そして・・」
正方形の間の余白部分に幾つも正方形を書いた。
そして鉱山C+や湖Cなどの高ランクのものや、砂漠Eや森林Fなどの低ランクのもの、草原サバンナDなどの普通程度のランクのものも書かれた。
そして大きい草原E+に点つけた。
鉱山C+があるのはいいな。
結構レアな鉱石が取れそうだ。
「これくらい区域がある。覚えておけ。そしてここがこの学校がある場所だ」
こう見るとやっぱり広いよな。
さすが複数の高校を統合しただけはある。
しかも魔界は地球よりも広いからな。
「一応の国の検査でわかっている魔鉱の種類も教えよう。といっても国調査はどの高校でも最低限しか行われない。しかも軍人が調べる最低限なんてほぼ未知も同然だがな」
そうやって少し辛辣に言いながら元素記号を書き出した。
KNO3
硝石か。
化合物と混ぜると紫っぽい炎出すやつだ。
確か防腐剤にもなるんだっけか?
「硝石だ。これはジャングルで確認している。しかもジャングルには洞窟が結構ある」
コウモリの糞か・・・硝石は有用だけど俺は取りに行きたくねえな。
硝石はアンモニアからできるからな〜。
周りを見てみると殆ど俺のようにちょっと嫌な顔していた。
そもそも硝石が分かっていないやつや、硝石の有効利用を考えているやつもいるな。
まあ便利だからなぁ、火薬。
でも硫黄がないと作れないけどな。
まあ普通の硫黄を使うのもありだけど、それもここら辺じゃ取れないか。
まあでも硝石は便利だしいいや。
「普通の魔鉱も色々な場所で確認している。しかも我が校の敷地内には鉱山地域が2つある。これは中々良い立地なのだろう。詳しくは分からないがな」
そうだよな。鉱山地域は本当にありがたい。
まず魔鉱が採取できることは確定、しかも鉱山系の魔獣も絶対いるからな。
区域にもアタリ、ハズレがあって砂漠とかは魔鉱が取りにくいし、危険だしでハズレな区域だけど、鉱山は大当たりだ。
これはラッキーだな。
この学校選んでよかったと再認識させられる情報だな。
「この情報を踏まえた上で今日は草原区域の探索だ。探索と言ってもチームがまだ組めてない、もしくはクラスにいないチームは集団案内みたいなものだ諦めてくれ。チームがこのクラスにいる者は区域ないを2組合同で自由に探索してよしとする。ちょうどこのクラスには4組チームがあるから、そこで分かれて組んでくれ。すぐに始める各自さっさと魔界に行け。良光笹本を向こうに送ってやってくれ、下駄箱前の階段にいるはずだ」
良光は「分かりました」と言って教室を出て。
俺たちもさっさと魔界に転移した。
今回の話は落ちすらない回になってしまって申し訳ございません。
長〜い間投稿していないのにこんなふうにな投稿で申し訳ないと思いますがモチベーションが上がらないのでどうしようもないのです。
そうそう、1話の方の文章を増やしてもう少し設定を深めました。
ぜひ1話を見てからこの話をもう1度見ていただければ幸いです。
By少しはモチベを上げて投稿を早くしたい本倉庫




