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学生戦争  作者: 本倉庫
5/6

高校制度

「やっぱり全寮制で学校が一緒だと人が多いな〜」

「そうだな」


俺と雅亮が2人並んで登校している。

他の2人はどこかって?あいつらは寝坊というわけじゃないが起きるのが遅かったから置いてきた。

両方家出る時に起こしたから学校には間に合うだろう。

今日は俺が飯の日だったから早めに起きて朝飯を作っていたら、雅亮が起きた。

いつもならもう少し遅いが、まあでもあいつらほど遅くねえな。

中学の時も千桜は俺が、勇亮は雅亮が起こしてたからな。

今回待ってやらなかったのは、早めに行ってクラスがどうなるかの情報を手に入れたかったのと、単に待つのが面倒だったからだ。

というか高校生にもなって誰かに起こしてもらう方がおかしいのだ。

そう思いながら歩いていると、前に俺たちと同じくチームを組んでいた所の2人がいた。


「おはよう。お前らも2人か?」


最初に声をかけたのは俺だ。


「そうだぜ。そういうお前らも2人かよ?」


季縫がそれを嫌がった様子もなく返事をした。


「ああ、起きてなかったから起こしはしたが待つ気にはならなかったんだよ」


俺がそう言うと季縫と八雲の顔が驚いた時の顔になった。

そんなに驚くことあったか?


「え?お前らもそうなのか?」

「お前らもってことは季縫と八雲もか?」

「そうなんだよ、ラムと飛雄のやつがなかなか起きなくてさ。ていうか同じように初日からチーム組んだやつが次の日同じようなことになるってすげえな。これもう運命ってことでメアド交換しようぜ」


俺の方から喋りかけたんだけど、こいつぐいぐいくるな。

まあそう言うタイプの人なんだろう。


「俺は季縫恋だ。これからよろしく〜」

「俺は日野一だ。こちらこそよろしく」


手を出してきたのでその手を取り握手した。

顔は満面の笑みというやつだな。


「ほら、イッシーも」

「外でその呼び方をするなと言っている。はぁ、八雲一心だ。チームが違うからといっていがみ合う必要もないだろうし、仲良くしよう」


八雲も渋でというより普通に仲良くしとこうという意思を感じるので手を取った。

まあ渋で手を出していても手は取ったけどね。

俺はまだ一言も発していない横のやつを肘でつつき喋ることを促した。


「赤星雅亮だ。似たような境遇どうし仲良くしよう」

「はじめっちにまさっちよろしく!」

「はじめっちって呼ばれるのははずいな」

「まさっちと呼ばないなら仲良くしよう」


その後季縫と八雲は職員室に用事があるらしくそっちに向かった。


「はじめ、やつらはどうだった?」


季縫と八雲と離れてから第一声がそれだった。


「どうっていうのは?」

「分かっているだろう。付き合うのに値する人間なのか?」

「そういうのは付き合いながら少しずつ分かっていくもんだと俺は思うんだけどな〜」


そんなことはまさゆきもわかっているだろうが、今の俺は季縫のテンションに引っ張られ高めのテンションだから少しからかうことにした。


「そんなことは分かっているが、そうでないことをお前は分かっているだろう」

「はいはい、ちょっとからかっただけだよ。人間性に関しては問題ないと思う。特に季縫の方は純粋に友達に成りたかっただけだろう。八雲は季縫に言われてしぶって感じを出してるがまあまあ乗り気だと思うぜ」

「魔力は使ったのか?」

「使ってない。使わなくていいと俺は思ったからな」

「それがお前の判断なら何も言わん」


俺の能力は人の考えていることが分かる、だからこそすき勝手に使ってはいけないと思う。

人の心には知られたくないものなんてごまんとあるからな。

と心の中でカッコつけたものの俺は案外私利私欲の為にこの能力を使ってるんだよなこれが。

まあでも無差別に見るわけじゃない。

俺の中で線引きはしてある。

そうじゃないと俺の周りの関係がカオスになりかねんからな。


教室に着いた。

まだ早い時間だが、案外人はいる。

むしろまだ来ていない人の方が少なそうだ。

だが、殆どの人が探りあっている。

俺でなくてもこの少しピリッとした空気を感じれるだろう。

その空気の中で楽しそうに会話する様は少し異様だ。

5月になればこの空気が変わることを心から願うよ。

こんな空気じゃ楽しい学校生活なんて夢のまた夢だ。

まあ全員が全員探り合いしてるわけでもないし、きっと大丈夫だろう。


それから探り合いをまさゆきと喋りながら観察しているとチャイムが鳴る少し前ぐらいにちさとゆうすけが来た。


「おはよう、寝坊組はまだ眠いのか?」

「・・眠い・・」

「俺はもう元気だぜ!」


まあ見たら分かるのだが少し皮肉を込めて言った。

すると素直に返してきて俺が性格悪いみたいになってるな。


「もう直ぐチャイムなるけどどうする」

「どうするって話すだろ。そうそう朝なんだけどさ・・」


少ししたら先生が教室に来た。

教室は静まり自分の席以外にいた者は自分の席に着席した。

そしてチャイムがなった。


「朝のショートホームルームを始める。出席を取る。赤星勇亮」

「はい」



首席を取り終わった。

遅刻者や欠席者はいない。

先生は出席簿を閉じると前を向いて連絡を始めた。


「今日の1限目は授業を取り替えて学校制度などの説明だ。お前達も1度は聞かされているだろうが、しっかり聞くように。連絡は以上だ。これで朝のショートホームルームを終わる」


そう言って先生は退出した。

少しの間沈黙が続きそしてクラスはまた騒がしくなる。

俺も席を立ちちさの方に向かう。


「学校制度ってなんだったけ?」


席の方に行き俺がそういうとちさとまさゆきが驚いた顔をした。

いやそんな驚くことではないだろう。

俺だって忘れることはあるって。


「なんだよ、お前忘れちまったのか?」


またまさゆきとちさが驚いた顔をした。

ついでに俺も驚いた。

まさかゆうすけが覚えているなんて思ってもいなかったからな。


「まさかお前覚えているのか?」


まさゆきが聞くとゆうすけはドヤ顔になった。

こいつ終わったな。


「俺が覚えているわけないだろ」


まさゆきの肘打ちが炸裂した。

御丁寧に溝を狙った一撃だ。

ゆうすけはそれをくらいちさの机に倒れ込んだ。


「こいつは放ってくとして、お前が覚えていないなんて珍しい」

「いや〜、申し訳ない。普通に忘れたんだよな、言い訳とかなしに」

「・・ふっ・・」


ちさに鼻で笑われた気がするが気のせいということにしよう。

というか俺も高校のルール知らねえなって思ってちょっと驚いた。

これでも暗記などには自信があるし一度聞いたことを忘れることもあんましないのに。


「・・次の授業聞けば分かるっしょ・・」

「それもそうか。ゆうすけもちゃんと聞いとけよ」

「おう」


いつの間にか回復していたゆうすけにそう言った。

返事はしたが覚えるかどうかは怪しいものだ。


「なかなか面白い校則もあったから楽しみにしとくといい」

「そうなのか?それなら尚更なんで忘れたんだろな」

「考え事でもしてたんじゃね?」

「そうかもな」


この後も先生が来るまで雑談していた。

先生が来ると毎回静かになる。

雰囲気がトゲトゲしいんだよなあの先生。


先生が教室のテレビをつけるとそこには始業式に見た校長先生がいた。

ムキムキで本当に校長先生かという体系だ。

校長先生よりも体育教師と言われた方が違和感がないような体だ。


「校長先生からのご挨拶です」

「始業式でも言ったように俺は長い話嫌いだ。だから短めに話そう。これから話すルールは魔力持ちだけを優遇するルールではない!1年も2年も3年も対等だ。差をつけるのであればクラス委員や学級委員などだ。それ以外の生徒は年が上だろうと魔力を持っていても同じだ!それを忘れないでくれ。以上だ」


自身で言った通り挨拶は短かった。

始業式もそうだが話は短いがその熱はしっかりとこちら側に伝わる。

魔力持ちを優遇する高校もある中、優遇しないのは俺としては好印象だ。


「これで校長先生からの挨拶を終わります。次に教育指導部の山中先生から学園のルールについての説明があります」


校長先生や笹本先生のようなマッチョでもうちの担任のように怖い先生でもない、優しそうな柔らかい印象を覚える山中先生が教壇に立った。




長かった。

山中先生の話が長いというわけじゃない。

その後の教頭先生の話が長かったのだ。

まあ学校に1人はああいう人がいるのだろう。


「ゆうすけお前ルール覚えたか?」


いつも通りちさの机に向かった俺がゆうすけに聞いた。


「ふっ、任しておけ」


ドヤ顔だ。

これは覚えたのか?

高校になって遂にこういう情報を俺たちに教えられずに覚えたのか。

そう思ったがそれはすぐに間違いだと知った。

ゆうすけの次の一言によって。


「お前たちから聞く準備は整っている」


はい、やっぱり俺たち頼りなのね。

まあ正直分かってたよ。

お前が覚えるわけないって分かってたけども。


「まあそうだろうと思ってたよ」

「悪いな」

「思ってないな」


そこからゆうすけに校則を説明し始めた。


「まあ、言うて殆どが中学と変わらないから違うところだけ説明するか」

「おう、頼む」


「まずは昨日もチラッと説明があったポイントだ。

これは1ポイント1円の価値があって日本国内ならどこでも使えるし他校も同じものを使っている。

でこのポイントは毎月1日に支給される。

後国内でバイトとかするとこのポイントが振り込まれる。

でこのポイントの増減はチームポイント1ごとに100変わる。

だからSクラスは最初から800ポイントのチームポイントを持っていることになる。

Aクラスは600、Bクラスは500、Cクラスは400Dクラスは300ポイント貰える。

そしてこれと同じ量のランクポイントも貰える。

このランクポイントは決闘や特別試験で増減する。

このランクポイントは個人とチームがあり、チームポイントが上のクラスのチームを超えたら上のクラスに上がれる。

これらは今日のホームルームで渡される紙に載っているバーコードを読み取ることで取れるアプリに記載される。

じゃあ次は決闘についてだ。

決闘はランク戦とプライベート戦があって、個人とチームの2つの方法がある。

ランク戦ではランクポイントを賭けた戦いが個人でもチームでもでき、プライベート戦は個人ではポイントチームではチームポイントとポイントを賭けて戦うことができる。

これらには基本先生の同伴が必要だ。

例外としてチームポイント51未満、ポイント3000以下はを賭けた戦いは先生の同伴なしに行える。

プライベート戦と違いランク戦は同伴が必須だ。


「はじめ、もうそろそろチャイムがなる。とりあえずそれくらいでいいんじゃないか?」

「そうだな。まだあるけどそれは次の休み時間にするか」

「まだあるのか」


なんとか飲み込めてると言うふうなゆうすけを尻目に俺は次の授業の準備をし始めた。



「さあもうちょっとで終わりだからよく聞けよ」

「おう」


授業が終わりやっぱりちさの机近くでたむろしている俺たちはゆうすけに最後の特殊なルールを説明を始めた。


「クラスとランクそして学年ごとに長を作る必要があるんだ。

クラス、ランク、学年の1チームがどこかのチームが全部してもいい。

これはクラス長、ランク長、学年長と分けられるんだが、Sクラスはクラス1つだがクラス長とランク長両方必要だ。

学年長は学年会議や学校会議というものが行われた時学年問わず1番の発言力決定力を有していて、出席は強制だ。

会議では学校の新制度や授業の仕方を教師陣に進言することができる。

対外の学校の話などもここですることが多い。

ランク長はランク会議、学年会議に参加が強制される。

クラス会議と学校会議の参加は自由だ。

ランク長は特別試験でリーダーとして行動する。

クラス長はクラス会議、ランク会議に強制参加、学年会議、学校会議は参加が可能だ。

クラス長は特別試験でクラス対高校場合リーダーとして行動する。

これが最後で特別試験についてだ。

特別試験は不定期で開催されて筆記、実技に問わず様々な課題が出される。

回数はそこまで多くないがクラス別やランク別など様々な方法で行われる

他の試験とは全く別物な特別試験だ。

これは生徒の能力を測るというよりも、各々のスキルアップを目標にした試験らしい。



「まあ必要な説明はこんなもんだ」

「は~、まあなんとか飲み込めた」


お、ゆうすけがそんなこと言うなんて珍しいな。

だが、このいうときは大抵しっかいしてるから安心だな。


「じゃあ、お前の口で説明してくれ」


過保護なまさゆきがそう聞いた。

ゆうすけからしてみればまだ整理できてないのに!って風に思ってるだろうけど、口で説明できれば完璧だし、今のうちに分からないとこあれば俺たちがすぐに教えれるしな。


「え〜と、まずポイントがあって、それはチームポイント1につき100増えるそのチームポイントは決闘で増える。その決闘は2種類あってプライベート戦でポイントが増えてランク戦で校内の順位が上がる。クラス、ランク、学年にリーダーとなるチームが必要でそれらは会議に出席する必要がある。後、特殊な試験がある」


思ったよりも普通に説明していてびっくりだ。

もっと詰まったりして言えないかと思った。

たどたどしかったけどちゃんと理解しているようだ。

俺はまさゆきにちゃんと分かってただろと目配せしてからゆうすけを褒めた。


「ちゃんと理解してるじゃん。昔とは大違いだな」

「だろ?俺も頑張ったんだぜ」

「今回はお前の努力を認めよう。だからこの調子で勉強もしろ」


勉強も頑張れって言えばいいのに、ツンデレだなぁ。

そう思ったのを感じたのかまさゆきに睨まれた。

おお、怖い。


「よし、この次の授業終わった飯食って訓練だ。次頑張るぞ」


俺はそう言いながらゆうすけの肩を叩いた。

そうするとさっきので少し自信がついたのか、褒められて浮ついているのか嬉しそうに答えた。


「余裕よ余裕」


それが慢心に成らないといいと思ったが、これは慢心になるだろう。

なぜって次は英語の授業だからな。




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