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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第2章:覚悟
75/226

75.アレは一体…


「…」



 姫様に追いつくために落ち葉の森を歩く。


 本当は馬車で行きたい所だがエルザスヘイムで馬車を借りようとした所姫様を見た馬が暴れ出し、とてもじゃないが乗る事は出来なかった。


 なので仕方なく歩いていたのだが、ニタに襲われる事を考えれば馬車に乗らなくて正解だったのかも知れない。


 …まさか姫様はそこまで考えていたのだろうか?もしそうならばなんとも心強い。



「姫様は無事だろうか…」



 やはり不安だ、早く追いつかなくては。



ーーーーーーーーーーーー



「それで、いつまで抱き抱えているんですの」



「あっすいません」



 わたくし達は落ち葉の森はとっくに越えて風の荒野にたどり着いていた。


 その名の通り風は強いけれどまともに行動出来ないほどではない。



「姫様、アレは何でしょうか」



 カーンが荒野のある一点を指差す。


 そこにはまるで宙に何か浮いているのではないかと思うほどに暗い影が有った。


 勿論宙には何も浮いてはいない。



「…」



 遠視の魔術を行使してその影を見る。



「…へぇ」



 …そこには全身が真っ黒の影の様な子供?がうつ伏せで倒れていた。


 影はその子供を中心に発生しており、まるで周囲の光をその子供が吸収しているかのようだ。



「アレは一体…」



 カーンも遠視の魔術を行使したのか、鎧や効果かは分からないけれどアレを確認したようだった。



「まるで暗闇を照らすランタンの絵画……の光と影の色を交換した様な…」



 …思ったより分かりやすい例えをしたカーンに心の中で賞賛した。


 カロンならば何と言うだろうか。



「面白くなりそうですわね」



 私は広い荒野の中に落ちている暗闇の元へと歩き始めた。

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