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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第2章:覚悟
71/226

71.さて…


「ハァッ…はァっ…!!オマエ、騎士か!?」



 俺はずっと攻撃を受け止め続けていた。


蜘蛛の民は怒りで力加減を間違えていたのか脚の爪や剣にヒビが入っていた。


ヒビの隙間からは血が流れており、非常に痛そうだ。



「…まぁその目じゃ分からんだろうな」



 俺の目の前にいる個体の目は潰れているのか包帯が巻かれており、とてもじゃ無いが前が見えるとは思えない。


さらに脚が7本しかないのだ。


これを見た俺は今回のエルザスヘイムで起きた騒動の真相に気がついて…


少し驚いていた。



「クソっ最悪だ…!もう2匹を追うべきだっタ!オマエに構ってる時間はナイ!」



 蜘蛛の民は盾に打ち付け過ぎてボロボロになった脚で反対を向いて逃げようとする。



「逃すわけないだろう」



 やっと隙が出来た為、すかさず拘束魔術を行使する。



この魔術を使用された対象は行使者と魔力の鎖で繋がれる。


この鎖は行使者の任意で引っ張ったり緩めたりする事が出来る。


この魔術から逃げる方法は3つある。


1.より強い魔力で対抗する


2.鎖が巻きついている行使者の左腕を切り落とす


3.行使者を殺す



「オマエえええエェェェ!!!」



 痛んだ爪を気にもせず狂ったように攻撃を続ける。



「あああああアアアあぁ!!!」



 脚の爪は完全に砕け、肉が割れて血だらけになって行く。



「はあ"っ…はあ"ッ…」



 …力尽きたのか盾を攻撃する脚に力が入っていない、そろそろ良いだろう。


大戦後直後の魔力が枯渇している状態の時は村人に苦戦させられたが、ある程度魔力が回復した今ならこの程度の攻撃直撃した程度で痒くも無い。


だが騎士である以上なるべく無様は避けるべきだ。


だから徹底的に安全かつ勝てる戦法を取った。



「そういえば蜘蛛の民は頭さえあれば生き返られるそうだな」



 直剣で首を切り落とそうと思ったが、脳を完全に破壊する為に落とした頭を千切りにするのは手間だ。


それに…無駄に魔術を行使する必要もない。



左手で薄いピンク色の髪の生えた頭を掴む。



「…ばカが…そんなワケない…じゃン」



ぐじゅっ



頭を片手で握り潰す。



「さて…」



 蜘蛛の民の死体を掴み、引きずりながら落ち葉の森を歩む。



蜘蛛の民を引きずった後は落ち葉が押し退けられ、素の地面が露わになって行く。


地面は血に濡れ、まるで美しい森の絵に赤い絵具で子供が悪戯したような線が描かれた。


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