70.作ってみタ
「あァーあ、オマエたちが邪魔さえしなければエルザスヘイムは魔族の物になってたノニなァッ!!」
薄いピンクの髪を生やした蜘蛛の民は8本の脚で凄まじい猛攻を続けている。
蜘蛛の民は脚の先に鋭い爪が生えている、もし直撃すれば一般人であれば致命傷は免れないだろう。
「ホラホらッ!!オマエも反撃しないと一生このマまだよッ!!あ"ははッ」
俺はひたすら攻撃に耐えている、脚による攻撃を受け流さず全て盾で防ぐ。
そもそも重装騎士の盾は身を守るというよりは相手の攻撃を受け止める為にある。
盾の縁に凹凸があり相手の武器や爪が引っかかるようになっているのだ。
「なんだヨ、つまんナいなあ。本当にソのまま一生過ごすツもり??」
…攻撃の勢いが緩むが、構えを崩さずに相手の様子を確認する。
「ーーーよシ、こんなもんかナ」
………少し驚いた。
「じャーん、オマエの剣作ってみタ」
蜘蛛の民は俺と同じ形をした直剣を両手に装備していた。
蜘蛛の民は下半身が蜘蛛のように多脚だが上半身は人間と同じだ、そのためこのように器用な事や武器を装備して戦うことが出来る。
「あ"はは!!驚イた!?気配でわかるヨッ!!!」
両手の剣を同時に振り下ろしてくる。
盾で受け止める。
「フぅー。骨の1本や3本オレちゃったんじャない?」
「そんなものか、そろそろ本気を出したらどうだ」
挑発する、俺を無視して姫様の方へ向かわれると危険だからだ。
「…オマエはさ…ズタズタにしてやるヨ」