表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第2章:覚悟
68/226

68.達者でな

 必要品を大きな背嚢に詰めて街の一番大きな門を通る。


 勿論荷物はほとんど俺が持っている、姫様にお持ちさせるわけにはいかないからな。



「もう行ってしまうんですか?」



 門番に話しかけられる、確かゴードン…だっただろうか。



「ああ」



「そうですか…お気をつけて下さい…と言っても騎士様がお二人もいらっしゃるならこの街より安全ですな!ハッハッハッ」



 あの後カーンは姫様に付いて行きたいと話した、此方としては姫様を御守りするのに人手が足りなさ過ぎる状態だった為勿論承諾した。


 勿論、姫様の了承も得ている。



「ヘイセウ様の件はすまなかった…護るべき人を失ったから、私は一度王国へ帰る事にしたんだ」



「成る程…では少し寂しくなりますなぁ」



 ゴードンは薄く寂しい表情をする。



「なに、この街はもう私が居なくても大丈夫さ」



 カーンは魔族から街を守る為に一致団結した様子の人々を見つめながら話す。



「いやいや、カーン様はなかなかに人気があったんですよ?」



「そ、そうだろうか?」



 カーンはゴードンの言葉を本気で疑っている様子だ。



「それは勿論!子供から大人までカーン様を尊敬しているんですよ」



「ごめんなさい、そろそろ良いかしら?」



 話が長くなると判断なさったのか姫様が話を止めなさる。



「おっと、申し訳ない。少し話し込んでしまいましたな」



「それではゴードン、達者でな」



 カーンはゴードンに別れを告げる。



「はいっ!またエルザスヘイムに遊びに来てください」



「(遊んでいたわけでは無いのだが…」



 カーンはボソッとそんなことを言っている。


 きっとヘイセウ氏の事を悔いているのだろう、ならばそれは自分の中で折り合いを付けるべきだ、此処は何も言わないでおこう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ