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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第2章:覚悟
58/226

58.化け物め…

 廊下を走る。


 自分の慌ただしい足音と廊下の軋む音が聞こえる。



「クソッ…!ついに私を殺しに来たか!?」



 こんな所でアッサリ殺されるわけには行かない。


 屋敷の玄関に到着してすぐに大きな扉に手を掛ける。



「そもそもカーンが対処出来ない相手を自警団がなんとか出来るのか…?まぁいい…ぐっ…なんだ?」



 扉が開かない。


 どれだけ力を加えても扉が開く様子は無い。



「隠し通路の一つや二つ作っておくんだったな…」



ぐちゃり



 後方で気味の悪い音が聞こえる。


 振り返り、廊下の奥にその異様な姿を視認する。



「化け物め…」



 人型ではない、簡単に言えば人肉の集合体だろう。体の節々から目玉や骨がはみ出ている、まるで悪夢の住人の様だ。


 カーンの姿はない、おそらくこの化け物に殺されたのだろう。


 ここまで絶望的な状況でも発狂しない自分に少しだけ驚く。



「早速コレを使うことになるとは…」



 同志に渡された黒い球を取り出して口元へ運ぶ。


 そして…ふと思い出す…



「(さっきの少女も同じ物を持っていなかったか…?)」



 口に入れて飲み込みかけた黒い球を吐き出す。



 まさかとは思うが…もしこの球に人を化け物に変える力があったとすれば、私もきっと眼前の化け物を同じ末路を辿ることになるだろう。



「クソ…!こんなもの!」



 黒い球を化け物に投げつけると球は簡単に砕け散り、消えて無くなった。



 そして…



「あら、御機嫌よう」



 すぐ隣から聞き覚えのある声が聞こえた。


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