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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第2章:覚悟
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47.そろそろ日も暮れますわ

カロン視点です

ーーー…という訳です。どうですか?確かに危険性もありますが。それ以上に得る点が多い」



 ヘイセウ氏が姫様と話し始めてから既に1時間ほど経っている。


 ヘイセウ氏の話を聞いてみるとたしかに悪い点もあるが良い点も多い、扱いさえ間違えなければ色々な事に使える。



「成る程。納得できる内容ですわ」



 姫様は考える様な素振りをなさる。たったそれだけでもあらゆる美がそこに居る様に感じられる。何ともお美しい…



「どう…だろうか?」



 ヘイセウ氏は恐る恐ると言った様子で姫様に尋ねる。



「…麻薬の合法化、賛成致しますわ。やはり頭ごなしに否定していては先へ進めませんもの」



 …姫様は賛成されたのか。ならば俺も賛成だ、思考の余地など無い。姫様がそう仰られたのだ、賛成に決まっている。



「本当か!?ああ…嬉しいよ!これからは同士と呼ばせて頂きたい!」



 曇り空の割れ目から差した太陽の光の如く明るい笑顔だ。



「良くってよ。わたくしもそう呼ばせて頂きますわ」



「理解者が増えて本当に嬉しいよ!麻薬の合法化は賛成者が本当に少なくてね…だからこそ今回の様な強行手段を行ったんだよ」



 ヘイセウ氏は先程とは真逆の暗い表情になった。苦労している人間の表情…なんだろうか。



「実際にやって、結果を出せれば皆も納得致しますわ」



「うん。その通りだ、まずは良い結果を出してみせる。…まぁ出す前に暗殺とかされそうだが…ははは」



 暗殺…か…確かに麻薬の合法化は異例だ。反対派の一部過激な者達がやりかねない。私も姫様を守る為により注意しなければ。



「確かに結果を出す前に殺されては元も子もないですわね…そうですわ、コレを差し上げましょう」



 …?姫様が飴玉の様な真っ黒の球を何処からか取り出された。特に魔力の反応も感じられない。



「…これは?」



「その場での願いを叶える為の飴玉ですわ。手詰まりになったらコレを呑み込んで下さいまし」



 ヘイセウ氏は怪しむ様な表情で飴玉を受け取る。せっかく姫様が物を与えて下さったのにその表情は失礼じゃないのか?



「願い…を叶える飴玉ですか」



 姫様は人差し指を立てて話しをして下さる。可愛らしい仕草だ。



「その飴玉は病を治し毒を退ける…そして強者にも…弱者にもなれる薬の様な物ですわ」



「なにやら恐ろしいですね…ですがありがとうございます。切り札は一つでも多い方が良い」



 ヘイセウ氏はなにやら納得した様子で飴玉を袋に入れた。



「それでは、そろそろ帰りますわ。日もそろそろ暮れますわ」



 ヘイセウ氏は残念そうな顔をになる。



「分かりました。この度は話を聞いてくれてありがとう、同士」



 ヘイセウ氏は立ち上がって一礼する。



「此方こそ。良いお話が聞けて良かったですわ」



 姫様も立ち上がり一礼なさる。それに合わせて俺も一礼する。



「では、また会いましょう」

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