41.お茶とお菓子
「私は…お父さんの後を継ぎたいです」
ギルドマスターは満面の笑みを浮かべる。
「君ならそう言うと思っていたよ!」
流石はギルドマスターと言ったところ…なのだろうか?見抜かれてしまっていた。
「こちらの書類に目を通して下さい。そして…ここにサインをお願いします」
アドルフさんが机に書類を並べる。
「はい。ありがとうございます。えっと…」
二人に見守られる中、なんとか書類を確認した。お父さんは私が後を継ぐって知っていて文字を教えてくれたのかもしれない…ダメだ泣きそうになる。今は考えないでおこう…
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「これで…っと、出来ました。よろしくお願いします」
サインを書くときに使ったペンがとても使いやすくてビックリした…
「はい、問題ありません。では私は受付の業務に戻ります。」
「えっと、お茶とお菓子ありがとうございました」
アドルフさんは薄く微笑むと「お気になさらず」とだけ言って部屋から退出してしまった。
「さって、とりあえず聞きたいことはある?」
もちろん聞きたいことは沢山ある。順番に聴いていこう。
「ええと…まずは…」
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「さてと…まずは安全確認ですわね」
サリンは一つずつ問題を解決するために行動を始める。まずは蜘蛛の民だ。
さっそく物理的な問題を無視して対象を見る事ができる魔術を使う。
―魔術を使って直ぐに蜘蛛の民が摘んでいた葉と同じ物を見つけた。周囲に生き物の気配は無い。罠のような物も無い。
魔術の使用を止めてすぐに自身に防護魔術を使用する。
これがあれば魔動車に100回轢かれても無傷でいられる。むしろ魔動車の方がベコベコになるだろう。
「…」
次に頭の中で座標を計算する…これに失敗すると転移魔術は発動しない。なので別に壁にめり込んだりはしない。
計算を素早く終えて転移魔術を発動させる。もちろん座標計算は完璧だ。
「…さてと本当に薬草だと良いですわね」