27.私には見えない
TRPGの作成で投稿が遅れております。完結はかならずさせるのでご心配なく
「騎士様!サリン様!モンスターが見えます、気をつけてください!」
歩き始めて少し経った頃、ナレが注意を促した。
「私には何も見えない。どんな容姿をしている?」
ナレは目を細めながら遠くを見つめている。
「下半身が蜘蛛の様になっていて、上半身が女の人…?です!」
下半身が蜘蛛で上半身が人型…蜘蛛の民じゃ無いのか?
「…それはきっと"モンスター"ではありませんわ」
「えっ、モンスターじゃ無いんですか?」
姫様は表情を崩さずにナレの問いに答える。
「ええ、人間と友好関係にある種族ですわ。世間は蜘蛛の民と呼んでいますわね」
「もしかして王国では普通に居たりするんですか?」
ナレは興味津々といった感じで姫様に質問している。
「沢山居ますわ。折角だから挨拶していきますわよ」
姫様が歩き出したので姫様を先頭に立たせない為に俺も歩き始める事にした。
「へええ!って事は王国には他の種族も沢山いるって事ですよねっ!?って、置いていかないで下さい〜!」
ー〜ー〜ー〜ー
少し歩いて行くと、本当に蜘蛛の民が見えた。ナレは相当目が良いようだ。
「御機嫌よう。蜘蛛のお方」
姫様は蜘蛛の民に上品に声をお掛けなさった。道端で草(薬草の様なもの)を摘んでいた蜘蛛の民はこちらに気づいたのか、振り返る。
蜘蛛の民の上半身は強靭そうな下半身と比べてとても華奢で美しい見た目をしていた。薄い紫のショートヘアに黒い瞳を持つ美人…美蜘蛛?だった。
「あぁラァ♡御機嫌よウ、人間サン?」
敵意は感じられない。だがいつでも切り殺せる様に注意しておこう。