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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第1章:個性
19/226

19.綺麗なお皿ですね

赤髪の少女視点です

「サリン・シャンカ・バルトルウス・センスですわ。よろしくお願いしますわね」



 サリン様は美しいお辞儀をする。



「……あっ、私はナレっていいます。よろしくお願いします…」




 綺麗な人だ…。同性の私でさえ心臓が少しどきっとしてしまう。そんなサリン様はこちらを見つめるとおもむろに口を開いた。





「ねぇ、ナレ。お腹は減って無いかしら?」




「あっ…その…はい」



 突然すぎて少しビックリしたが実際お腹はぺこぺこだ、もう丸2日くらいは何も食べていない筈だから。



「ちょっと待っていて下さいまし」



「…はい」



 サリン様はニッと微笑むと森の方へ行ってしまった。騎士様も手伝おうとしていたが、やんわりとお断りされていた。




ー〜ー〜ー




「わぁぁっ!凄いです!こんなにお肉が沢山………」




 沢山の肉料理が出てきてビックリしたが、お父さんにも食べさせてあげたいと思ったら…少し悲しくなった。もう大好きなお父さんは居ないのだから。



「さ、食べても良くってよ。味見をしていないけれど大丈夫だと思いますわ」




「ありがとうございます…」




 ソース?に浸されていてテカテカしている大きなお肉を一口食べてみる。



「あっ…美味しいです」





 それからはもう一生懸命食べた。何故か涙が溢れそうになったが我慢して食べた。途中騎士様が「姫様は食べないのですか?」と聞いていたがサリン様は「私達は遠慮しておきますわよ」と言ってらっしゃった。私に気を使ってくれたのだろう。





「サリン様、騎士様ありがとうございます。お二人が助けてくれなければきっとのたれ死んでいたと思います」




 最後の一口を食べ終えて感謝を述べる。




「気にせずとも良いですわ、それよりお皿を洗うのを手伝って頂けると助かりますわ」




 そういえばこの綺麗なお皿は何処から持ってきたのだろう。



「も、もちろん手伝わせていただきます!むしろ全部やります!」



 即座に手元の食器とお皿を手に取る。



「あら、それは良かったですわ。では私が水を出すので慎重に洗って下さいまし」




 サリン様が指で輪を作ると、その中から水が出てきた。多分魔術だとおもう。そんな事より今は一生懸命お皿を洗わなくてはいけない。




「それにしても綺麗なお皿ですね」




「あら、ありがとう。それ私が作りましたの」




「えぇ…!?あ、あぁ…魔術ですか?」



 ホント魔術ってなんでもあり…



「魔術では無くってよ」



「ぇぇ!?」



 声にもならない叫び呻き声を上げた。流石お姫様って感じだ。

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