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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第7章:狂姫と天才
183/226

183.あ、あぁ…そういえばそんな昔話騎士君から聞いた事あった気がする



「はぁはぁはぁッ…!みんなヤバイよぉ~!!」



 急いでドルティとジオネさんが座る飲み屋のテーブルに駆け付けて声を掛ける。


 何がヤバイって色々ヤバイ。


 とにかくヤバいのだ。



「おいおい、まずは遅刻した事を謝れよ」


「そんな事どうでもいいんだよぉ~!ヤバいんだよぉ~!」


「ア?」


「あ…ハイ…遅れてすみませんでした」



 土下座した。



○○○○○○○○○○○○○○○○



「…~という訳でサリン様がまだ指名手配されてるんだよぉ~!」



 麦酒を飲み干して机に叩きつける。


 まさかワタシが呑気に休暇を楽しんでいる内にそんな事になっていたなんて…教えてくれてありがとう父様母様。



「ハァ…」


「相変わらず世間知らずだな…引きこもりが」


「えっひどい。涙出てきそう」



 引きこもり?引きこもり…違うよ…ちょっと休んでただけだよ…まだ数日しか休んでないよ…みんなが働きすぎなだけだよ…。



「サリン様はァもう指名手配されてねェよ」


「むしろ今三姉妹そろってパーティーが開催されてる筈だぞ?」


「えぇ…ワタシ遅れてる…?」



 というか会食?パーティー?何故そうなった?サリン様は確かに指名手配されていた筈…というかそう聞いたんだけど…何が起こったんだろうか。



「アトロ様がァサリン様の指名手配を止める為に国民投票を行ッたンだよ。そして案の定指名手配は撤回だ」


「アトロ様めっちゃ演説してたぞ?聞こえなかったのか?」


「初耳なんだけど…」



 というか…そうか、じゃあもうサリン様は安全なのか。


 そっか…そっか……。



「うぅ…うっうぅ…!」


「はいでた。すぐ出る涙」


「泣くなァ!!」


「ギャン!ごめんなさいぃ!!」



 ジオネさんの圧倒的な気迫に涙が吹き飛んだ。


 というかジオネさんの機嫌はやはり悪い、そっか…まだ騎士君と連絡ついてないんだ。



「その…騎士君は…」


「ア?どうせまだサリン様のお付きやッてンだろ」


「連絡くらい寄こせばいいのに」



 サリン様のお付きかぁ…もし本当にそうならまぁ…大丈夫そうだなぁ。


 確証はないけれど…騎士君が失敗してるところただの一度も見た事無いからなぁ。



「そういえば騎士君って何か弱点ないのぉ?なんかワタシの記憶だと無敵だったんだけど」


「そんなん私が知りたいくらいだぜ」


「あるぞォ」


「うっそォ!?」

「マジですか!?」



 あの騎士君にも弱点が…!?一体どんな…。



「ソニッつう幼馴染の騎士が居てだなァ…確かカロンはそいつにただの一度も勝ててねェ」


「あ、あぁ…そういえばそんな昔話騎士君から聞いた事あった気がする」


「忘れてたわ」



 そっか…それは確かに弱点?なんだろうか。


 んん?でもそれって結局ソニ様以外にまともに負けてないって事なんじゃ…。


 …弱点と言っていいのだろうか。



「まァ…今やッたらどうなるかワカんねェけどな」



 ジオネさんはまるで何かを確信しているかのような表情で麦酒を呷った。

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