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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第1章:個性
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16.エルザスヘイムではわたくしの事を…

「姫様、次の目的地はエルザスヘイムにしようと思っております。宜しいでしょうか?」





 村を出る準備をしながら姫様に問う。




「良くってよ。ちなみに何日程度で到着しますの?」




 遠征で移動した時にかかった時間と今の移動速度を計算する。姫様の休憩も含めると…




「早くて丸一日程になります」




「では野宿をする事になりますわね、しっかり準備をして行きますわよ」





 …野宿は嫌ではないのだろうか?それなら良いのだが…





「はい。村から道具を拝借して行きましょう」




ー〜ー〜ー




「よし、これで良いでしょう」





 2日分の食料とテントを用意し終える。食料は万が一を考えて2日分用意した。




「それでは行きますわよ」




「お供致します、姫様」




 騎士団式の敬礼をする。右手を平行かつ内側に直角に曲げて頭を下げる。伝達的な敬礼だ。




「…ねぇカロン」




 先導しようと歩き出した時、姫様に声をかけられる。




「どういたしました?」





「エルザスヘイムではわたくしの事をサリンと呼んで下さいまし」





「…身分をお隠しになられる為ですね、承知致しました姫様」




 姫様が身分をお隠しになられないといけない状況はとても不本意だが仕方ない。姫様がそう仰るのならそうするだけである。




「またこの村の様に廃墟にするのも面倒ですものね」





 姫様はニッと微笑む





「同感です。全く…愚かな者共め」





 高々と燃え上がる村は美しい姫様の背景画として最後の最後でやっと役に立っていた。

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