14.思ったより上手く出来てるんじゃないか…?
「ふんぬっ」
ドチャ
良し…これで全員か。
あの後俺は姫様に治療して頂いたお陰で動けるようになった。流石に治療して頂いた上に死体の処理までして頂くのは余りに申し訳ない。
「姫様、終わりました」
「お疲れ様ですわ」
姫様はニッと微笑んでいらっしゃる。
取り敢えずこれからの事を少し話しておくべきだろう。
「少し見回ってきましたが、この村は馬を飼っていない様なのでこれからまた歩く事になりそうです」
「…わかりましたわ」
やはり姫様にこんなに歩かせるのは良くない…。また抱き抱える…とかどうだろう。
「姫様、足が痛い様でしたら私が抱えて行きましょうか?」
「…遠慮しておきますわね」
即答だった。
「では、本当に歩けなくなる前に知らせて下さいね」
「ええ、もちろんですわ」
本当に大丈夫だろうか…?
「………あ」
姫様は昨日何も食べていないのでは…?
「どうなさいました?」
「姫様、食事を用意してきます…気が付かなくて申し訳ありません」
きっと姫様はお腹を空かせているだろう…何か用意しなくては。とにかく走って料理を作りに行く。食材はまあ、腐るだけだし頂いても良いだろう。
「あ、ちょっと……行ってしまいましたわね」
ー〜ー〜ー
「…取り敢えず昔騎士団の歓迎会で食べた高級そうな食事を見様見真似で作ってみたが…」
テーブルには料金を請求しても良さそうな料理が並んでいる。
「思ったより上手く出来てるんじゃないか…?」
味も問題無いはずだ、よし。急いで姫様を呼びに行こう。
「お口に合うだろうか…」