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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第4章:金級冒険者
108/226

108.自由行動と致しますわ


「おはようスタン」



「サリン様ァ!おはようございますぅ!ところで騎士君、朝起きたら姫様がいる生活…良くないぃ?」



「最高ですね」



 俺は姫様をお連れして部屋に戻った。



「…こほん…それでは本日の予定ですが、予定通り自由行動と致しますわ」



 姫様は可愛らしく話を本筋に沿わせられる。


 勿論俺も話を合わせる。



「私は街を見て回ろうと思っています」



 これは勿論闘技大会に行くための方便だ。


 姫様に尽くすのは当たり前だが、あからさまに頑張っているのをアピールするのはみっともないからな。


「あら、良いですわね…わたくしもそうしようかしら」



 姫様は何かを考えていらっしゃるようだ。


 姫様のなさりたい事が全て思い通りになるように願っておこう。


 本当は是非とも俺が直接サポートさせていただきたい所ではあるが今回ばかりは仕方ない。



「ワタシは街の見世物屋に行こうとぉ思ってるよぉなんか面白そうだしねぇ!」



「お気を付けてね」



 姫様は若干だがスタンを軽くあしらうようになってきていらっしゃる様に見える。


 まぁ…確かにそこそこ変人ではあるが。



「ではまた夜に集まりましょう。姫様、何かあったら上空に火炎系の魔術を行使して下さい」



「もしかして駆けつけて下さるのかしら?」



 姫様はニッと微笑まれる。



「はい、即座に駆けつけます」



「あら、頼もしいですわ」



 姫様と会話しているとスタンも会話に交じりたそうにしているのが分かった。



「サリン様!ワタシも駆けつけるので安心してお買い物していてくださぁいねぇ!」



「スタンさんも何かあったら私を呼んで下さい。駆けつけますので」



 スタンは俺の言葉を聞いて少し固まる。



「お、おぉうワタシでも…思ったよりドギンッ!とするんねぇ…流石騎士だぁ」



 …なんだか複雑な気分だが…まぁいいだろう。



/////////////////////////////////////////////




「ここか」



 その後少し歩いて俺は闘技大会の会場に到着した。


 闘技大会の会場はチラシ等を見なくとも一目でわかった。


 大会の会場は非常に大きな円形の建物だからだ、広く大きい会場は恐らく陽さえ差していればラマルラのどこに居てもわかるだろう。



「…」



 人が多い…この土地の者ではなさそうな者も多数いるのが流石温泉街といえるだろう。


 …受け付けはあそこだろうか?一か所に屈強な者達が集まっているのが見えた。



「闘技大会に出場するならここですよーーー!!もうすぐ締切ですので急いでくださーい!!」



 どうやらギリギリだったようだ、急いで受付へ向かう。



「参加したいのだが」



 受付係がぎょっとしている。



「さ、参加ですね…参加料は1万リンになります」



 意外と高いのだな…その分賞金が多いと良いのだが…



「わかった。これで頼む」



 1万リンを受付係の小さな手に渡す。



「ではお名前お伺いしても?あ、偽名でも良いですよ」



 偽名でも良いのか…ならば…



「リコで登録してくれ」



 リコ…戦場で共に戦った戦友だ、彼は死んでしまったがせっかくならば友の名を借りよう。



「かしこまりました。ではリコさんは8番になります、良かったですねぎりぎり参戦が間に合って」



 ぎりぎり間に合ったと聞いて安心した。


 …そういえばルールを知らない、聞いておいた方が良いだろう。



「そういえば、ルールは?」



 受付係が知らずに参戦したのかとでも言いたげな様子で説明を始める。



「えぇ…と。ルールは簡単ですよ、最終的に降参した方の負けで、本当に命を奪うのは禁止です!結構人気があってクリーンな大会ですので安心してください!口を塞いで降参できなくするのは禁止ですよ!」



 なるほど、観光用にマイルドになっているのか…確かに周りを見てみると幼い子供もいるのが分かる。



「まぁ…リコさんにはあまり卑怯行為の話は関係なさそうな話ですね」



「…?それはまた、何故?」



 受付係は俺の身体を一目みて答える。



「…リコさん騎士ですよね?」



 …あぁ…なるほど、確かにこんな見た目では分かってしまうか。



「流石に分かるか、確かに俺は騎士だ。…というわけで卑怯な行為はしない、安心してくれ」

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