八話 キャラ崩壊にはご注意ください
久しぶりの投稿です。
本当にテストが忙しい!気が狂いそうだ!
とゆう訳でこの回狂ってます。短いし、慧音ファンの人ちょっと注意です。でも許容範囲だよね?
和也は人里を歩いている。いや、ただ単に歩いているのではない。正確に言えば『見回っている』の方が正しいだろうか。そして、何故和也が人里を見回っているかと言うとそれは今日の昼頃に遡る。
「和也くんがいいと言うならば……いい仕事があるぞ」
「何でもやります!」
その時、慧音が変な笑みを浮かべた気がしたがもう一回見てみると、別に変わったことはなかったので気にしないことにした。
「まぁなんだ……ここでは話せないから場所を変えようか?」
「変える必要があるのか?」
慧音は黙って頷いた。そして、外へ出ていくので俺は妙な緊張感を抱きながら、黙って慧音について行くことにした。寺子屋から出て、普通なら里の大通りを通るのが色々と便利なのだが、慧音は寺子屋のすぐ隣にある路地に入っていった。俺は不思議に思いつつも、言われた通りに着いて行った。
そして、歩いてから数十分経った頃だろうか。
「着いたぞ」
「どこ、ここ?」
慧音の言う通りに歩いてきたら、まるで人気の無い路地裏に案内された。周りにはとても人が住んでいるとは思えない、所々ガタが来ている廃家が並んでいた。
「少し待っていてくれ」
そう言って、慧音はある一軒の木造家屋の壁をノックした。
「何をやって……」
そう和也が言いかけると壁の方から物音がした。
「合言葉を」
「妖怪を駆逐してやる」
どっかで聞いたことがあるセリフを吐いている慧音。そして、話が終わったのかこちらを手招きで呼んでいる。
「こんな家に何が……えっ!?」
「驚いたろ?」
ただの廃家だと思っていた家の引き戸が、重量感のある音を出しながら自動で開いていく。恐る恐る、戸を叩いてみると、金属のような鈍い音がした。それも、かなりの厚さだった。
「これ、鉄の扉に絵を描いて偽装してるのか!?」
「さぁ、中に入ってくれ」
慧音は驚いている俺を見て後目に中に入っていく。俺は驚きで口元をあわあわさせながらも慧音に促されるまま、鉄の扉の向こう側に足を踏み入れた。それと同時に、周りにある蛍光灯から光が灯っていく。その先を見れば、下に続く階段があった。完全に下が見えないあたり、だいぶ深いらしい。
「こっちだ」
慧音はなんの迷いもなく、階段を降りていく。勿論、俺も着いて行った。そして、幾ら降りても下が見えない階段地獄を降りた先には………。
「ようこそ!人里親衛隊へ!私達は君を歓迎しよう」
見渡せばそこは大きな部屋だった。真ん中には大きな円形のテーブルが一つ、周りに椅子が等間隔に並べられている。テーブルの上にはその部屋を満遍なく照らせるほどの大きなシャンデリアが飾られている。
俺はあまりの驚きに声も出ないでいると、少し暗くなっている部屋の奥からぞろぞろと人が出てくる。そうして、慧音の後ろで整列し直立不動で立っていた。
俺は開いた口が塞がらない。
「慧音、これは一体どうゆうこと?」
俺は、真ん中で堂々と両手を広げている慧音に聞いた。
「和也くん、君何でもするって言ったよね」
「言いましたけど……え?」
その時、威圧的に肩を揺らしながら歩いてきた慧音が俺の肩を強く掴んで鬼気迫る形相で見つめてくる。
「慧音!?痛いッ!肩が……肩が折れる!」
そんな和也の悲痛な叫びを無視して、さっきと変わらぬ表情で更に強い力で肩を掴む。
肩から普段ならないような音が鳴っている。和也が魂の抜けたような顔をしているのに気づいたのか、慧音がやっと和也を解放する。
「すまない和也!興奮したら周りが見えなくなるのが私の癖で」
「そんな癖、どっかの川にでも捨ててこい!今までの慧音のイメージがだいぶ崩れたわ!」
(慧音っていつも冷静で常識があるすごい優しい人だと思ったんだけどな……。まぁ、こんなことてま嫌いになることは無いけど……)
「和也くん?大丈夫か?」
「あ、はい、大丈夫です」
「それでは続きを話すから、何処でもいいので座ってくれ」
俺は円形テーブルの一番端の席に座った。慧音はその隣の椅子に座った。慧音は座るなり、前かがみになり顔の前で手を組んだ。そうすると、周りの隊員らしき人達も後を追うように座っていく。
今日一日で慧音のイメージ崩れかけてきている。いや、もう崩れきった。
一回深呼吸をして、大きく息を吐く事で気にしないことにした。
「和也くん、質問だ」
「何ですか?唐突に」
「君は妖怪の事をどう思っているかな?」
「どうと言われても人並み程度にしか思ってないですよ?怖いとか諸々、負の感情ですかね。……でも最近はその考えも変わってきてるんですけど」
最後の言葉は、わざと聞こえないように言った。
何故なら俺も自分がまだ人間か妖怪かどうかもわからないし、こんな事言う資格が無いからだ。てゆうか、妖怪とまともに戦えるってある意味、人間やめてね?
そんな事を思っているとある人に怒られそうなので考えないようにした。
俺の言葉を聞くと慧音は深く頷いた。
「そうだな。妖怪は負の感情の言わば、化身だ。人の憎悪があればある程妖怪は生まれるし、強くもなる。一つ言っておくとみんな知ってるとおり私は白沢と人間のハーフなので妖怪ではないぞ」
「いやいや、初耳ですけど」
「そうだったかな?」
「慧音さん本当にどうかしたんですか?キャラ狂ってますよ?死ぬんですか、死ぬんですね分かります」
「人を勝手に殺さないでくれ。では、話を続ける」
堂々と話を続けるこのキャラ崩壊女に色々とツッコミたいがそれをするとキリがないので、ツッコミたいのを我慢して話を聞いた。顔色ひとつ変えないで、この話を聞いているここの人は本当にすごいと思う。
「妖怪は負の感情を引き出すために人間を襲っている者もいれば、自分の欲を満たすために襲ってる場合もある」
「で?つまり、本題は」
「君がこの里の特攻隊長になってくれ」
「どうしてさっき話からそこに繋がる!訳分からん!帰る!」
とうとうイラついたのでサッと立ち上がり帰ろうとする。すると、肩をまた思いっきり掴まれ反転させられ、思いっきり頭突きを食らわされた。
「和也くん!ちゃんと人の話を聞いていないから、分からないんだ!」
「本当に理不尽だぁぁぁぁぁぁぁ!」
ここから話すと本当に気が遠くなるほど疲れる話なので割愛して、大まかな話の内容は。
〇最近妖怪の活動が激しくなっている
〇そこで親衛隊に入って秘密裏に里の警備をしてほしい
〇その代わり仕事に見合った報酬は支払う
そんなこんなでそれを渋々承諾して、現在に至る。
次は和也の仕事編です。