四話 色々な出会い
和也「今回はいろんな人が出てくるな」
ルーミア「そうね」
和也「よう!ルーミア…って何で出てきてんだよ!お前まだだろ!」
ルーミア「別にいいじゃない。早くしましょうよ」
和也「そうだな。じゃあお話をd」
射命丸「どうぞご覧下さい!!」
和也「あぁお前まで……」
皆さんこんにちは、和也です。俺は今、アリスが描いてくれた地図を見てこの森の出口を目指しています。ですが……早速トラブル発生です。
「絵が下手すぎて分かりませんッ!下手というか雑すぎるでしょ!何これ!わざとだよねぇ!?場所の名前書いて、そっから矢印引っ張っただけだぜ!!?これじゃあ、森の出方も分からんわ!」
この地図のおかげでまた絶賛迷子中です……。
地図を凝視していると文字が浮かび上がってきた。
『あんまり人を信用してはダメよ?』
俺はアリスに憎しみを込めて叫びましょう!
「ふざけんなッ!この性悪女ッ!!」
この状態で何時間文句を言いながら歩いただろう?もう日が沈みかけてる。元から薄暗い森の中にオレンジ色の夕日の光が差し込んでいる。
「こんな所で野宿かぁ〜。やだなぁ〜」
ため息混じりで呟いた。
野宿と言っても俺にはそんな準備も道具も無いし、そして食べる食事もない。食事が無いのが一番辛い……。
「寝るのは何とかなるけど、どっかに食べ物ないかなぁ?」
辺りを見回しても、何も無い。いや、あると認識すればあるのだが……。
……俺の足元で気持ち悪くうねってるキノコ見たいなやつ。なるべく見ないようにした、完全に存在を否定した。
「あれはキノコじゃない、あれはキノコじゃない、あれはキノコじゃない、あれはキノコじゃない………………」
念仏のように唱え続けたけど、どう見てもやっぱりキノコだ。そのキノコ、俺が見ると激しくうねり出す…………。
気持ち悪!!!結構ガチな方で気持ち悪い!
「でも、しょうがねぇな……ヨイショっと!」
激しくうねってるキノコらしきものを一応収穫してみた。そして、そのキノコはさっきよりもっと激しくうねる。
喜んでる?喜んでいるのか!?
なんと微笑ましんだろう、こんなに喜んでくれるなんて取ってあげた俺も嬉しいよ!
「………………な訳あるかァッ!!!収穫されて喜んでる!?気持ち悪いわ!!二度と顔見せんなぁ!!」
俺はそのキノコを遥か遠くへぶん投げた。投げる瞬間、ギィー!とキノコが泣いていたような気がしたけど気にしない。.......気にしない!
でも、これで食料はなくなってしまった……。
けど、あれを食べて死ぬよりはマシだと思いながら、また食料探しにと歩き出した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
はい、また和也です。もう日が完全に落ちました。えっ?食べ物はあったかだって?
おかげさまでありましたよ、ありましたけど…。
「この森、ろくなもんがねぇーー!!!」
俺が見つけたものを紹介しよう。
まず、果物
外見は違和感が無かった。おっ!やった!と喜んでるのも束の間、中身を割ったらどす黒いどろっどろの液体、そして、好奇心で指を付けたら、ジュッ、と指の皮が溶けました。こんな物を食ったら俺の食道や胃やら、体全体が溶けてなくなります。
そして、山菜
これも違和感なく普通の草でした。なのでパクリと一口、その瞬間、舌が焼けるぐらいが熱くなりました。これはめっちゃ辛い!本当に口から炎が出そうな勢いでした!!今でも舌が痛い……。
食べ物とは関係ないだが、歩いている時に見た黒い球体、あれは意味分からないです。ですが、危険を感じて猛ダッシュで逃げてきました。
この森本当にヤバイです!これでもかぐらいに自然の罠が攻撃してきます!この森の悪い所を言っていきましょうか?
「空気が悪い!地面は湿ってねちょねちょ!夜になると普通の倍は暗い!などなど数えたらきりがない。全く!この森どうかしてる!!」
そう嘆いていると、近くで水がポトっと落ちる音がした。
「んっ?なんだ?」
近寄って見ると、何故か岩に穴が開いておりそこだけ洞窟らしきものになっていた。
「しめた!ここで一晩過ごすか!」
思わぬ幸運に嬉々として、中に入ってみたら結構広かった。そして、洞窟の一番突き当たった所に俺は座った。
「やっぱり夜になると寒いな……火はないかな?おっ!ここに木がある!よし、これを燃やせばって……どうやって燃やすの?」
暖を取る為に肝心の火をつける道具がなかった。暗い中手探りで火を点けれるようなものを探した。でも、見つかったのが木の薄い皮と葉っぱしか見つからなかった。
「んっ?待てよ、確か昔の人って木と木を擦って火を起こすようなことしてたような……うん、これで行こう!」
まず木の皮を葉っぱと一緒において、その上に木の棒を立てる。そして、一気に……。
「うぉぉぉりゃゃぁぁぁ!!!」
こうやってずっと擦っていたら摩擦で火種が出来て、そして、葉っぱに火がつきその中に木を置く。これぞ、先人達が残していってくれた技だと思う?
記憶がないから分からないけど、そんな気がする。
「あれ?おかしいな、全然火がつかない」
結構な間擦っているが、全くと言っていいほど変わりがない。擦っている手は痛いし、力入れてやってるんだけど、何ともならない。
俺が火をつける事に悪戦苦闘している時に、組んでいた木の板に火がいきなりついた。それと同時に洞窟の中が炎の光で明るくなる。
俺は擦っていた木の棒を置き、振り返る。するとそこには女性がいた。
「お前は誰だ?」
と俺は聞いてしまった。少し失礼だったかな?そんな事を考えていると。
「さっきもあったじゃない、気づかなかった?」
「はぁ?知らないけど、多分暗くて見えなかったと思う、でも、何であんたは俺のこと見えたの?」
「それはそうよ!妖怪なんだから」
「そうなんだ……でも人は暗い所だとよく見えないんだよ」
いきなり現れた妖怪相手に冷静に対応する。でも、心の中はちっとも穏やかじゃない。こんな所で妖怪と一体一、いつ襲われるかわからない状況で穏やかな訳が無い!俺は一応念の為動けるだけの準備はする。
「そう、でも夜しか活動しない人間も見たことあるわよ」
「そいつらなら、食ってもいいと思うぞ」
「そうなのかしら?」
なんだ夜しか活動しない人間って?まぁ取り敢えず話を合わせようか。
そして、彼女は、それじゃあと……。
「目の前が食べれる人間?」
「ハァ?なになにもう一回?」
「だから、貴方がその食べれる人間なの?」
いやいや、何でそうなる!確かに俺はこの夜にで歩き回って食料とか探しまくってたけど、夜しか活動してない訳じゃないから!
そして、彼女はゆっくりと近ずいてきた。食われる!と思って目を閉じた時、すっと手が出てきた。
「まぁいいわ、私はルーミア。貴方の名前は?」
「え?か、和也って言います……」
「よろしくね、和也」
ルーミアとがっちりと握手した。俺は呆気に取られた。てっきり襲ってくるもんだと思ったら、まさかの自己紹介、そして握手……。
その後ルーミアは俺から手を離し、言った。
「貴方は何でここにいるのかしら?」
「何でって言われても……道に迷ったから?」
「道に迷ったの?ならやっぱり食べちゃった方が良かったかしら」
「……本当に言ってる?」
な訳ないでしょと、手を振るルーミア。
そして、膝を屈ませて今座っている俺の目線と同じくらいまで顔を下げると、言った。
「実はここに私の家なんだけどね」
「えっ?ここって君の家だったの?」
「そうなのよ、何も無くてゴメンね」
「い、いやこちらこそ勝手に貴女の家に上がり込んでしまってすいませんでした。……で、もしよろしければ…」
「泊まらせて欲しいんでしょ?別にイイわよ、何日でも泊って」
ルーミアは二つ返事でOKしてくれた。こっちとしてはありがたいけど迷惑にはならないか?でも、まぁ明日になればすぐに出発するから別にいいか!
そんな軽い気持ちで俺はルーミアの家という場所に泊まることになった。藁で引かれた地面に寝転がると長旅の疲れか、すぐに眠気が襲ってくる。
その後、すぐに寝てしまった。
少年就寝中…………。
朝、洞窟に差し込む眩しい日差しで目を覚ました。と、そんな事はあるはずない。外の森のせいで日光なんてほとんど入ってこない。でも、とても清々しい気分だ。
「さーて、今日こそ博麗神社に行くか!ルーミア?」
彼女の名前を呼んでみるが返事は無い。
「あれ?いないのか?それなら仕方ないか、取り敢えず地図っと」
そして、枕元に置いてあった地図を手に取った。
「……これは!?」
なんとそこには、この森の出方が丁寧に書いてあった!多分ルーミアが俺の寝ている時に書いてくれたんだろう。
何という優しさ!俺はあまりの感動に少し涙が出そうになった。
「よし!女神ルーミア様にお礼の書き置きを残して、博麗神社に向かうとするか!」
そして、俺は洞窟の奥で溜まっていたこの森で多分唯一綺麗な水で顔を洗い、アリスから貰った人形をコートの内ポケに入れて洞窟を飛び出した。
「この森、朝になっても寒いな。早く出よ」
俺はポケットに手を突っ込んでこの森の出口に向かって、足を進めた。
少年爆進中……。
あれから何時間経っただろう?いや、そんなにかかっていないかもしれないがようやく森の出口を見つけた。
そして、森の外へ出て、思いっきりいい空気を吸い込んだ。
「いやー!空気がうまい。この森と大違いだ!」
外へ出た瞬間、漂っていた霧も晴れて陰気だった俺の心もその霧と共に晴れた。
そして、遠くの方を見ると山の方に何やら建物らしいものが見える。詳しく言うと、大きな鳥居だ。
「多分あれが博麗神社……で、その前には人里があるらしいけど」
あった。少し遠いけどさっきの森に比べたらチョロい。俺は鼻歌を挟みながらルンルン気分で歩いた。
だがそれもすぐに終わった。
いきなり長方形の未確認物体が目の前に落下してきたのだ。そして、気付けば俺はそれに四方八方囲まれていた。俺は、それを恐る恐る触ってみる。
ひんやり冷たい。そして、水滴が指先に伝う。
「なんだこれ?氷だよな?一体どっから飛んできたんだ?」
「それはあたいのだよ!」
声がした方向を向くとそこには、羽を生やして飛んでいる子供と何やら慌てている子供がいた。
「チルノちゃん〜、やめようよ!失礼だよ?」
「大ちゃんは最強の私が外の世界の奴に負けると思ってるの!」
「で、でも…」
「あのー?」
和也の声を聞いた二人は同時に振り向く。
「何で俺が外の世界の奴だってバレてんでしょうかね?」
二人が顔を見合わす。そして、さっきよりも落ち着いた様子で青色の服を着た子供は服の中を弄り、一枚の紙切れを渡してきた。そこには……。
「文々。新聞号外……黒服の奇妙な異世界人幻想入り。その正体は紫の恋人か!?……誰だ!こんな馬鹿みたいな記事作ったやつは!!」
俺は叫ぶ。全くの捏造記事。根も葉もない噂。いい加減な事を言っている誰かも分からない俺の友人。
誰だよっ!
「まだ、奇妙な服装と言うのは実際そうだから認めるが、紫の恋人って何だよ!記憶失って、それからあって2日目ぐらいだぞ!!」
俺は文句を言いながら、その記事をビリビリに破り捨てた。
「あー!人の持ち物を破いたな!絶ッ対許さない!くらえ「「パーフェクトフリーズ」」ってあれ?何か飛んでくるよ?」
チルノは何かをしようと構えたがその時、指を空の方へ向け、何かを指さしている。俺はチルノが指を指した方角へ向く、すると何か物凄い勢いで向かってきている。
「なんだあれ?空気が歪んでる?」
その瞬間、すごい音と共に物凄く強い風が吹いた。目の前にいたチルノと大ちゃんと呼ばれている女の子が一気に吹っ飛ばされて、空の彼方へ飛んでいったのが見えた。
そして、風の勢いが弱まった時にバサッという音と一緒に何かがここに降りた。
「あやや、何かを吹き飛ばしてしまいましたね。でもまぁいいとしましょう」
そんな事を言いながら近ずいてくる女がここに近寄ってきた。
「貴方が噂の異世界人ですか?これは詳しく話を聞きたいところですが今はちょっと追われていましてね。では、また今度お話を聞きに来ますので」
そして、また飛んでいく彼女。
「風のように来て、風のように去っていったな。まぁいいや取り敢えず人里に行こう」
チルノ「あたいったら最強ね!」
和也「はいはい、最強最強」
大ちゃん「チルノちゃん〜、待ってよ〜」
和也「君も苦労してるね」
チルノ「所で何で博麗神社まで書かないの?」
和也「急にメタいな。まぁ多分作者の体力が持たないからかな?」
チルノ「こんなに書かなかったのに?」
和也「そこは許してやれ……それじゃあまた今度!さようなら!」