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東方剣録伝 〜幻想郷最強剣士の物語〜   作者: 黒井黒
第三章 消された歴史
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三十九話 覆る事実


「はーい」


若い女性の声が家の中から反応する。麗奈は無言で待っていると、駆け足のような足音が段々近く、音が大きくなってくる。そして、足音が止まったかと思うとガラガラと戸が開いた。


「こんにちは、阿南さん」


「あら、麗奈ちゃんじゃない!久しぶりね!」


玄関で私を見ると同時に頭を雑に撫でてくる阿南。もちろん恥ずかしいので直ぐに払い除けるが、なんだか懐かしく感じる。


元々稗田家には、先代の巫女が生きていた時に何度か連れられて来たことがあった。自分もまだ子供で、稗田家の当主であるこの人も、その時は今の私と同じくらいの歳だった。その事もあって、行くたびに少し引っ込み思案の私は活発だった阿南さんに妹のように可愛がられていた。


それを私は、嫌がって行かなくなったけど……。


だけど、はっきりと覚えていた。


茶色の短髪、普通の女の子より少し大きい背丈、みんなを笑顔にする優しい笑顔が特徴的な女性が稗田家八代目当主『稗田(ひえだの)阿南(あみ)』という人だ。


「麗奈ちゃん、成長したわね〜!あのちっちゃかった子がね〜」


「そういう阿南さんは随分と歳を食いましたね」


「あのね!まだ私は、お姉さんと呼べる歳よ」


麗奈と阿南が冗談を交わし合う。


「それで、今日は何を………と言っても、やっぱり縁起を見に来たのね」


「はい。少し調べたいことがあったので……」


「そう」と笑みを浮かべて、阿南は麗奈を家にあがらせる。


今回、麗奈が調べようとしている『幻想郷縁起』という物は代々稗田家が編集を務めている幻想郷の歴史や妖怪の弱点などをまとめた書物だ。


『幻想郷縁起』には、幻想郷創立当時からの出来事が事細かに記されている為、この世界の歴史書ともいえる重要な書物。代々稗田家当主に受け継がれている能力により、改編などは不可能であり、あの八雲紫でさえ手出しできない。


その為、極めて信用性が高い。


麗奈は博麗神社よりも何倍も大きい屋敷の案内される。


稗田家は縁起を保有してるだけではなく、人里に関係する歴史深い書物や物品を展示、管理している為に屋敷自体が一種の博物館のようになっている。


特段広い屋敷の中を移動していると、阿南が麗奈に話しかける。


「今日は縁起で何を調べに来たの?」


「少し幻想郷の歴史について気になることがあったので」


またしても阿南が「そう」と一言言って会話が終わる。


そんな阿南を見て麗奈は不審に思う。会う度にすごく鬱陶しい絡みをしてくる阿南が素っ気ない……。


いつもより雰囲気が暗い阿南とそれを不思議に思う麗奈はその空気の重さなのか、一切会話を交わせないでいた。元々麗奈は、よく喋るタイプではないし、それとは逆に阿南は自分一人で喋り倒すタイプだ。そんな阿南が喋らないと一切会話が起こらない。


それから黙々と長い廊下を歩いていると、また阿南が口を開く。たが、さっきまでの雑談じみた雰囲気はなかった。


「麗奈ちゃん、これから私が話す事は単なる独り言だから何も反応しなくてもいいからね」


そんな意味深な前置きをして、阿南は話し始める。流石の麗奈もこの言葉には胸の動悸が高まった。そして、独り言と評した阿南が話し始める。


「麗奈ちゃんが博麗の巫女になってから、初めてここに来た。という事は、今まで来る必要がなかったって事で。ここに来るってことはつまり調べなければならない緊急事態が起きた……もしくは、何か引っかかる事があるという場合」


歩きながら、阿南は自分自身に話しかけるような口調で呟き続ける。その時一切麗奈へ顔は向けず、長い廊下の先をずっと見つめていた。麗奈も阿南には視線を合わせない。そして、黙ったまま独り言を聞いている。


「麗奈ちゃんが気になるもの……つい最近の変化で貴女が本気で躍起になるものはそれは………和也くん」


麗奈は少しツッコミを入れたくなるが、阿南の真剣な表情を見て、とても声を出せない。切り替えて、しっかりと阿南の言葉を聞く。


「和也くんに関わる事が起きた。それか、間接的に和也くんが関わっているのだとしたらここに来る理由になる。そして、麗奈ちゃんがここに来て調べようと決める決定打になったのは……紫でしょ?」


ここで、何故か阿南は麗奈にそう聞いた。それに、麗奈は答えない。これは彼女の独り言……そう思い、返事をしない。


そこで、阿南が立ち止まり、左手側にある障子を開ける。


阿南が「待ってて」というとその部屋に入っていき……そして、直ぐに戻ってくる。


阿南は手に持っている書物を麗奈に手渡す。


「これは?」


「実は……幻想郷縁起は二つ存在するの」


「そ、それって!?」


阿南の発言に麗奈は驚きを隠せない。


その昔、妖怪の賢者である八雲紫と人里の権力者が稗田家初代当主の特異な能力に目を付け、綴らせた歴史書……それが幻想郷縁起なのだ。


作らせると同時に、色々な決まり事が決められた。


一つ、縁起は代々稗田家が編集、展示する。


二つ、縁起には真実のみを記載する。


三つ、縁起の複製は一切許可されない。


主にはこの三つだ。


この三つは博麗の巫女になる際にも必ず教えられる。人里にもこのルールは絶対のルールとして定められている。そして、ルールのすごいところは制定されてから一切破られていないという事にある。

それが何故なのかは知らない。八雲紫という妖怪がバックについているなのか、稗田家の権力が強いのか……色々な要因は考えられるが、そんなのは今関係ない。


阿南が放った一言は、今までの自分の常識を破壊するのに十分だった。


「これを貴方に預けるわ」


そう言って阿南は麗奈に縁起を手渡す。表紙をみても、彼女が偽物といった縁起と瓜二つだ。違いがあるようには見えない。でも、阿南の表情は真剣そのものだ。普段の笑顔を絶やさない阿南からは想像もできない表情がこれの存在を裏付けている。


「なんでこんなものが……」


「これまで家で展示されていた縁起は偽物。紫が改編に改編を重ねて生まれた歪んだ歴史なの。でも、こっちの縁起を修正しているのは私を含め代々の稗田家当主だけ……これが幻想郷の本物の歴史」


麗奈は黙って縁起を見つめることしか出来ない。彼女がこの数分で言った出来事を整理するのに精一杯だった。


縁起が二つ?稗田家が編集している縁起を紫が改編?


突然の話に麗奈は軽いパニック状態だ。


そんなの麗奈を見た阿南は、麗奈の名前を呼ぶ。麗奈はそれに反応して顔を向ける。


「普段は大切に保管してある縁起を誰にも見つからず、編集するにはどうすればいい?」


いきなり、訳の分からない質問が来た麗奈は戸惑う。


「そ、それは留守を狙うとか……?」


「じゃあ、保管場所が厳重な警備で守られていたら?」


そこで麗奈は思い悩む。


警備が厳しく、正攻法では突破出来ない。だったら、バカ正直に正面ではなく警備の全く予測出来ないような場所から…………予測出来ない場所?


ここで、麗奈のある能力の存在が脳裏に浮かんだ。


「……紫のことを言ってるの?」


阿南は無言で首を縦に振る。


「で、でも待って!そもそも紫に歴史を変える意味なんてあるの?」


麗奈がそう言うと、阿南は虚ろげな寂しい瞳を輝かせながら俯きがちに、麗奈の持っている幻想郷縁起を手に取るとパラパラとページをめくる。新品同様の紙の輝きが徐々に薄れていき、古く錆び付いたような紙質に変わっていく。そして、ページは昔昔へと遡り、気づけば一番初期の幻想郷を写し出すページに変わった。今、めくった数千ページに幻想郷の全てが詰まっている。


「そのページは……?」


「幻想郷の原点……創造された当時の歴史よ」


掠れた文字で今にも崩れそうなボロボロの紙。掠れた文字は読めるには読めるが、文字の書式が古いのか意味を理解できない。


「確かそのページって阿南さんが言う偽物の幻想郷縁起には、載ってなかったわよね?」


博麗の巫女になる前に縁起を一度だけ見たことがある。


阿南が偽物といった縁起には、四代目の博麗の巫女の誕生からそれ以降の歴史が記載されている。それを見た私は、この縁起はその頃に書き始められたものだと理解した。

同じに博麗神社の倉庫にある書物も幻想郷の原点の記述は載ってはいなかった。


阿南さんがいうには紫が全て消していると言うけど、紫が何を考えているか分からない。


「読んでみて」


阿南さんが差し出した擦り切れそうな書物を丁寧に、受け取った。改めて、書物をよく見てみる………が、掠れた文字は麗奈の頭で変換できない。だが、明らかに一箇所だけ異様に強調されて文字にも赤文字が使われていた。それに、麗奈は恐怖を感じざるを得なかった。



「博麗の巫女博麗霊花…………………斬首」



麗奈は自分の目を疑って、何度も、何度も確認する。たが、記された文字が消えることは無い。強調された赤い文字が、より一層不気味さを感じさせて、自分の血が脈を打つ速度が速まるのが分かる。


「これって……本当なの?」


「歴史に嘘はないわ。それに限ってはね……」


「博麗の巫女が……斬首ってどうゆうこと?そんな馬鹿なことが起きていたの!?」


博麗の巫女は妖怪退治が仕事の危険な役職だ。だから、妖怪に勝てずに亡くなることは多々あって、実際に博麗の巫女の殆どが妖怪にやられて戦死している。


だが、この博麗霊花は違う。


斬首刑という文化は人間にだけある文化。仲間は、首領が裁くのが主流の妖怪には刑罰という概念が存在しない。つまり、ここに記されている事が真実なら確実に博麗霊花は同じ人間に殺された事になる。人類の守護者である博麗の巫女を同じ人が罪にかけて……殺す。


それは余程の重罪を犯さない限りありえない!


麗奈は目を走らせて、罪状の項目を探す。


「大戦の原因……妖怪鎮圧の不始末」


ここにある大戦というのは、『人妖大戦』のことを指しているのだろう。人妖大戦とは、過去四回起こっている人類側と妖怪側の全面戦争のことだ。この四回とも人類側の勝利で終わっている。


その大戦の内容も記述されていた。所々文字が掠れていて読めないが最終的に結果は……人間が負けてしまっている。


ここでも、歴史の食い違いが起こっている。


「ここにある妖怪鎮圧の不始末ってのは、この大戦で勝てなかった責任って事よね?そうだとしたらおかしくない?本当にこの大戦で負けていたのなら、確実にその爪痕が残ってるはずだし、そもそも負の歴史がいい方に改変されるなんてことありえないわ!それなのに私を含めて、人里の人もその事実を知らなかった……そんなのやっぱりどう考えてもおかしいわよ!」


勝った歴史ならともかく負けたという、屈辱的な記憶にも記録にも残るはずの歴史が消されているというのは、どうにも考えられない。


消されるはずのない……消してはいけない歴史が消されていた。という事は、その重要な歴史を覆さなければいけない、もっと重要な歴史があったのだろう。


麗奈は今考えている想像に恐怖して呟く。


「それが、博麗の巫女の処刑……?でも、どうしても腑に落ちないわ……。びっくりしたけど、博麗の巫女の処刑がそこまで重要なことなの?あまり比べたくないけど、巫女一人の命と人間何千の命を天秤にのせたら、事の重要性は分かるはず……」


それを紫が………そう思うと、俄然納得がいかない。


思考を巡らせていると、突然阿南さんに肩を叩かれる。そして、顔を麗奈の耳元まで近づけると囁く。


「後は、神社で調べなさい。その本は貸してあげる。それと、必ず神社に持ち帰りなさいよ?それは私の大切なものなんだから」


「……ありがとうございます」


私はお礼をいうと何も言わずに振り向き、静かに来た道を戻る。必ず返しに来ると誓って……。



そして、麗奈が玄関を出るのを確認した後………。



静かな稗田邸に固く口を噤んだ阿南。そして、明らかな憤怒をみせる式神二人を引き連れた紫が対峙していた。


「まさかあんなものがあるなんて知らなかったわ。私とした事が、ぬかったわね」


「…………」


「いつまで喋らないつもり?別に黙っていてもいい事ないわよ」


いつもになく、高圧的な態度で余裕な様子の紫に対して、阿南の片手には刀……そして、その刀身に滴る汗が阿南の心情を色濃く表していた。


「今更あの子を追ったところで、取り返せる保証は無いし。既に疑われてヒビが入っている関係を完全に崩すことになりかねない……本当によくやってくれたわね」


「それは、どうも……」


今だけは、あの本を書いてきた歴代の稗田家当主達を呪った。紫は完全に阿南を逃がす気がないのが、紫が放っている殺気が物語っている。後ろに控えている式神は、命令が下ればすぐにでも自分を殺しに襲ってくるだろう。


そして、その式神の一人。


九本の尻尾を生やした女が、紫の側に寄る。


「恐れながら、博麗の巫女を追った方が今後の為によろしいかと……」


紫は少し悩む素振りを見せて、言った。


「そうね……藍、あの子は貴女に任せるわ」


紫はスキマを開こうと、能力を発動する。だが、それを阿南は黙って見ている訳ではなかった。


(ここであいつを行かせたら麗奈ちゃんに託した意味が無くなる……!)


阿南は握っていた刀を再度握り直すと、藍へ、突進する。空間が狭く、大きく振り回せないと考えた阿南は刀を両手でしっかりと握り、刀の先を藍に向ける。


「はぁぁぁッ!」


こんな時の為に密かに鍛えてきた剣術が役に立つ時が来た。阿南の突きは刀の切先は一寸の狂いなく、藍の腹部へと重く冷たい一撃が届く………そう思ったが。


「予想通り過ぎて面白くないわね」


刀の峰を指三本で掴み、完全に勢いを殺した紫が退屈そうに呟いた。


「ッ!?」


それに阿南は驚かないはずがなかった。


(私も達人とは言わないけど、それなりに武芸に励んだ身よ?それをこんなあっさりと………)


ーー化け物ね。


大きく溜め込んだこれまでの様々な想いが、その言葉には詰まっていた。それを聞いた紫は嘲笑うかのような残酷な笑みを浮かべて、言った。


ーーえぇ、そうよ。


そして、紫は阿南の刀を指の力だけで刀身を粉々にする。それに慌てた阿南は数歩後ろにステップを踏み、距離を取ろうとするが……。


「遅いッ!」


今度は、紫の式神である藍が目の前まで迫っていた。なんの対処も出来ない阿南は軽々と藍の一撃を許してしまった。その一撃が、阿南の腹部へ完璧に決まった。


苦痛に顔を歪ませる阿南は、そのまま後ろの壁に吹き飛ばされた。そして、凄まじい音と共に背中を壁に強打し、倒れ伏せる阿南。息は辛うじてしているものの、上手く空気が吸えず、過呼吸状態となる。


「すいません、紫様……」


「いいのよ藍。元々私が仕掛けた訳だし……」


(阿南……!まだ……まだ耐えなさい!)


薄れゆく意識の中、阿南は自分を鼓舞し、必死に意識を保つ。だが、それもいつまで持つかわからない状況だった。そんな、阿南の元に紫は寄っていく。


「何年にも掛けて私を騙すなんて、人間も中々侮れないわね。まぁそれも、貴方の代で終わりでしょうけどね?」


最早動く気力も喋る気力も失った阿南を、紫はスキマから出現させた鎖で繋ぐ。阿南の四肢は鎖で巻かれ、繋がれ、紫の前で十字に縛られていた。


「紫様……博麗の巫女の方はどうしますか?」


横から藍が問う。


「放っておきなさい。どうせ今から行ってもあの子には追いつけないわ。それよりも、こっちを片付けましょう」


紫が阿南を意識すると、阿南は息絶えそうな虚ろな目をしながらも笑っていた。


「殺されるのがそんなにおかしいの?頭でもおかしくなったのかしら」


「いやはや……あの妖怪の賢者が……ここまで甘いと……思わなかったからね」


「……どういう意味?」


紫の怒気にあわせて妖気も同じく膨れ上がっていく。それにも関わらず、阿南は奇妙に笑い続けた。そして、絶え絶えの言葉を発した。


「あんたが……本気になれば……今の私は五体満足にいられない。それが全て……正常に動くんだから、これ以上に笑えることなんてないよ……」


それを聞いた紫は笑みを浮かべた。


「私が甘い………ねぇ。確かにそうかもしれないわね。その忠告をこの胸に刻んでおくわ。だから、もう……死になさい」


紫はスキマからひと振りの剣を取り出すと、それを阿南の首筋まで近づける。


「最後の言葉ぐらい聞いてあげるわよ?」


「別にそんなのないわ」


「最後までつまらないわね」


紫は一言いうと無慈悲に剣を振り上げる。阿南は静かに目を瞑り、最後の瞬間を待った。


(これで終わり……最後にやるべき事はやったわ。後は麗奈ちゃんに任せるわね)


式神二人も固唾を呑んで、その光景を見守る。そして、紫はその重々しい剣を阿南の首に振り翳す。………と、その時謎の煙幕がどこからか噴き出し、部屋一帯は一瞬の内に白い煙に包まれる。


「紫様ッ!」


突然の異常事態にいち早く反応したのは、式神の藍だった。


見えない襲撃者から必死に主を守ろうと、見えない視界の中で記憶に残る紫の妖力を頼りに擦り寄る。そして、紫の服らしき布を掴むともう一度叫んだ。


「紫様ッ!この状況は!?」


だが、紫からの反応はない。永遠と白い視界の中で、ただただ無言で紫を掴み、離さない。


そして、次第に煙が外へ逃げ、部屋の状況が明らかになっていく。


「………」


そこにいたはずの阿南は消え、吊るされていた場所には粉々の鎖だけが残っていた。紫は徐ろに壊れた鎖を手に取った。


「貴方の言う通り……私は甘いわね」


「紫様……」


紫と藍が立ち尽くしていると、式神のもう一人が声を掛ける。


「藍しゃま、紫しゃま」


その場にそぐわない高音な声に、二人は反応する。


「これ〜」


その子の手には、一枚の布切れが握られていた。黒以外の色は無く、何ら普通の布と変わらない。普通の人が見たら、どうにも気にしない布だろう。

だが、状況が状況。今この場に落ちているということは、明らかな証拠となる。

紫は、布を手に取るとそれを握り締める。その時の紫は、式神である藍も見たことが無いほどの憤怒を見せた。紫の力ならば、幻想郷の一つや二つ滅ぼせるが……それが今、実行されると、藍が恐怖した程だった。


その後、稗田邸は焼かれ、幻想郷縁起が焼けた。そして、当主の稗田阿南は行方不明となった。


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