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東方剣録伝 〜幻想郷最強剣士の物語〜   作者: 黒井黒
第一章 何だかんだで怒涛の日々
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十一話 和也の風邪

何ヶ月ぶりかの投稿です。楽しみに待っていた人.....なんていないかな!まぁとりあえず見てください


博麗神社 和也の部屋


〜Kazuya side〜


(ん?なんだ?)


「早く〜、コッチコッチ!早くしないと置いて行っちゃうわよ!」

「おい待てよ!そんなに走るとまた転ぶぞ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「そんな事をーーーーーやめーーーーーーーー」

「ーーーーーバイバイーーーーーーーーーーーーーーーー『 』」


(これは夢か?それとも……)


そこで俺は酷い頭痛と共に夢から覚めた。短い夢だった。何とも現実味を帯びた夢だった。その夢に出てきていたのは一人は俺、もう一人は……


考えても思い出せない。考えれば考えるたびに頭痛が激しくなる。まるで思い出さなくてもいいと誰かが言ってるように。


俺はそれを考えなくてもいい事なんだろうと片付けて起き上がろうとする。

そうすると、俺は何か違和感を覚えた。


(あれ?体が動かない?声も出ない?それに何だか体が重いな……)


ようやく意識がハッキリしてくると、体の中から込み上げるような熱が自分を襲ってきた。


(体が焼けるように痛い!早く……麗奈を……呼ば、なきゃ……でも、声が、出ない……)


俺の意識は暗闇の中へ落ちていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜博麗神社 居間〜


〜Reina side〜


私は何時も通りの時間に起き、和也が日課であろう剣の稽古をしている境内に行った。


「あれ、アイツがいない?どうしたんだろ、いつもなら私より先に起きてるのに」


(昨日の事が原因で起きれなかったとかかな?でもなんかおかしい)


私は少し焦る気持ちを抑えながらアイツが寝ているであろう部屋に向かった。


「勝手に入るわよー。ってアンタまだ寝て……どうしたの!」


そこには見るからに苦しそうな荒い息を吐き、顔が今にも爆発してしまいそうに赤い和也がいた。

額と額をくっつけて熱をはかる。


「すごい熱!でもどうして突然……。いいえ、考えてる場合じゃないわ!」


私は慌てて人里に今までに出したことない速度で飛び、慧音がいるであろう寺子屋の慧音の部屋に突撃した。

その際、壁を思い切り破壊してしまったけど、今は気にしない。


「ど、どうしたんだ!?」

「壁は後で直すわ。いいからついてきて!」


麗奈の真剣な顔を見てか小さく頷き、麗奈が壊した壁から博麗神社に飛んだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜博麗神社 和也の部屋〜


「で、つまり和也くんが風邪らしき症状が出たから私の所に来て、壁まで壊して私に看病してくれと言うんだな」

「えぇ、そうよ」


それを聞いた慧音は静かに俯き、大きく息を吸って大きな声で言った。


「お前はバカなのか!!私だって暇じゃないんだぞ!それをお前はたかが風邪ぐらいで私を看病に使うのか!私だって和也くんのことは心配だが、それは同居人であるお前の役目だろうが!」

「だっていきなりだったから取り乱したのよ!それにこういうことしたこと無かったし……」


麗奈が恥ずかしそうにもじもじしながら言う。


「まぁ一応それなりの事はした。後はお前で看病してくれ。それにしても……」


ニヤニヤしながら慧音が私を見てくる。


「なによ」

「いや、かわいいなと思ってな」


私が怒って、慧音を追いかけ回すと慧音はそのまま人里に帰って行った。


「さて、大分汗かいてるようだし拭いた方がいいわよね?」


私は意識のない和也の上半身を起こし、寝間着の上だけを剥がし、タオルで拭こうとしたが和也の身体に違和感を感じて手を止めた。


「何かしらこの傷.....霊力が漏れ出てる?」


和也のちょうど心臓に位置する場所に黒く滲んだ傷があった。私がその傷に触れようとすると、激しい音を立てて私の手を弾いた。


「は?何よこれ。変な呪いがかかってるじゃない」


詳しく見てみると、色々な術式が複雑に絡み合った複式術式だということが分かった。


「これは私だけじゃ手に負えないわね」


それで私はさっきから近くで傍観決めている誰かさんに話しかけることにした。


「さーて、さっきから見ているくせになんにも手伝ってくれない、どこかの賢者さんにも手伝ってもらいましょうかね」


そして、何故かいつもと違う表情を浮かべながら紫がスキマから頭を出した。紫にいつもの元気はなく、俯きながら覇気のない声を出した。


「ごめんなさい、私は協力出来ないわ」


紫はそう言うと私が理由を聞く前にスキマの中に戻り、閉じてしまった。


「何よ、あいつ。いつもお節介ばかりなのに、こういう時は手を貸してくれないんだから」


私は仕方なくどんな呪詛がかかっているか、確かめることにした。

自分の手のひらに霊力を溜め、和也の傷にゆっくり流し込む、そうしてすぐに霊力を引き戻す、そうすることによって帰ってきた霊力の波動からどんな呪いがかかっているか分かる仕組みのなっている。ちなみにこれは私が考えた治療術。


「えっと、これは絡みすぎてよく分からないわね。まず.....霊力半減.....妖力半減.....神力封印.....。そして、記憶の封印。こいつの記憶喪失の原因はこれか。」


分かった呪いはこの4つ。まだあると思うけどこれ以上は難しい。


「にしても、コイツは何者なの?霊力の半減に妖力の半減、そして神力の封印。こんなにも重度の呪いがかかってるなんて見たことない!それにこの傷、単なる刀傷じゃない、神器級の何かで斬られなきゃこんな傷にはならない。」


和也の傷は黒く滲み、所々から傷が広がりつつある。最初は呪いのせいかと思ってたけど違う。この傷を付けた武器自体に呪いを編んでいたんだと思う。


「とりあえず、私に出来ることはもう無いわね。これで後はコイツの目が覚めるのを待つだけ。.....いや、別に覚まさなくてイイのよ!このまま死んじゃえば...」

「誰が死んじゃえだって?麗奈」

「チッ、死ななかったか」

「おい、舌打ちは良くないだろ。俺泣くぞ」

「泣きたいなら勝手に泣けばいいでしょ。.....こっちの気も知らないで」

「え?何だって?」

「知らないわよもう!とりあえず今日一日中どこにも行っちゃダメ!慧音には言っといたから!」

「分かったって。落ち着けよ」

「あーもう!今日は聞きたいことがあるんだから全部答えなさいよね!」

「ハイハイ.....」


私はその後和也に傷のことや呪いのことを話したが、和也は何も知らなかった。



〜???〜


「そう、これは誰も知らない物語。いや、"今"は私だけが知ってる物語」


「彼の秘密を知れるのは何時かしらね」


「そうでしょ?『 』」










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