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東方剣録伝 〜幻想郷最強剣士の物語〜   作者: 黒井黒
第一章 何だかんだで怒涛の日々
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十話 初仕事

まだスペルカードは出てきません。戦闘と言い難いのが出てきます。


〜kazuya side〜


今日もいつも通り里の警備をしていた。いつもと言っても引き受けたのは昨日の事だったが。それでも昨日と変わったこともある。


「さぁーて、どれがいいかなぁ〜?」


隣で勝手にはしゃいでる女性。後ろ髪は短くショートボブ、前髪どめに赤いリボンをつけた麗奈がいた。服装はいつも着ている巫女服のままだ。

何故、麗奈が俺の任務についてきているかと言うと。


「おい、早く決めてくれよ。これでも俺、仕事中だからな」

「別にイイじゃない暇なんだし。それに私もいるのよ」


例の約束の件で麗奈に奢ることになった。


昨日俺が給料を持って博麗神社に帰ると、そこに麗奈が待ち構えていていきなり貰った給料の値段を聞いてきた。俺も博麗神社に着くまで見ないと思っていたのでその場で見てみたら……


「それにしても、初任給が80万ってバイトにしては、破格よね。でもお陰で助かったわ」


これを博麗神社で見た時は2人とも跳び上がる程驚いた。慧音に聞いたところ、「君たちにはお世話になっているし、仕事を引き受けたお礼も入っている」との事だ。ちゃっかり麗奈へのお礼金も入っているため、麗奈が奢れ奢れうるさいのだ。

それで仕方なく仕事の合間に奢ることになった。


「それで決まったか?」

「うん、決まったわ!」

「…………」

「どうしたの?」


こうゆう時だけ飛びっきり笑顔を見せてくる彼女に内心ずるいと思いつつ、麗奈が決めたお菓子屋に入る。

でもそう言えばここって……


「いらっしゃいませ……って和也さんじゃないですか!?それと巫女さんも!?」

「久しぶりってことも無いか。3日、4日ぶり?んぅー……」

「私は小傘と言います。あの時はお世話になりました!それと巫女さんも」

「私をオマケ扱いしないでよ。とりあえず席に座りましょ?」

「そうでしたね。こちらへどうぞ」


席に案内されて麗奈はすぐにお団子を頼んだ。ここのお団子は食べる寸前に妖怪が来て食べられなかったから意外と麗奈ぐらいに楽しみだ。麗奈は待ちきれなくソワソワしている。こういう所を見るとまだまだ麗奈は歳相応だなと思う。歳知らないけど


「お待たせしました。お団子です」


パァと顔を明るくさせる麗奈に俺はほのぼのしつつお皿にあるお団子の数を確認した。一本三個になっている。それが三本。

麗奈と俺は顔を見合わせてお互いの言いたいことが分かったのか、小傘に言った。


「「もう一本足して(しなさい)」」

「それは出来ません」


小傘の意外の言葉にまた俺と麗奈は顔を見合わせた。


「なんでなの?」

「お団子を食べる時は三本が一番飽きず美味しく食べれるからですよ。それじゃあ」


そう言うと小傘は店の奥に戻っていった。


「どうする?まず、俺と麗奈が一本ずつ食べるのは分かる。問題は……」

「……問題は最後の一本ね」


俺達は腕を組んで唸り、考える。そして、麗奈がポンと手を叩いて顔を上げる。


「分かった!私が二個、アンタが一個でいいのよ!」

「おい!それじゃあわざわざ考えた理由が無かっただろう!

「だって食べたいんだもん」


そうすると麗奈は上目遣いで両手を組みながら頼んでくる。残念ながら俺は押しに弱い。


「分かったよ!それでいいよ」

「ありがとう」


そして、最初の一本を食べ始める。それをぺろりと平らげて問題の三本目に入った。

最初の二個を麗奈が食べる。そうした後、麗奈がその棒を俺の前に出した。


「えっ?なに?」

「早く最後食べてね。ほら」


そうするともっと近づけてくる。


「お前本気で言ってんのか?」

「本気も何もマジよマジ」


(つまりこいつは食べさせてくれると同時にか、か、間接、キスをさせてくれんのか?)


食べる時に絶対に棒に口を付けてるし、俺が食べる時も絶対に口がつく。つまりそうゆう事だよな?

でも俺は、あいつから誘ってきたしもう遠慮無しに最後の一本を食べた。

そうすると、クスクスと店の奥から聞こえてくる。そこを見やると小傘が笑いを手で隠しながら笑っていた。全て小傘の罠だと分かった俺は後で小傘をお呼び出しするとして、俺が顔を紅くしていることに疑問を抱いている麗奈に言った。


「さ、さて、団子も食ったことだし、俺は仕事に戻るよ」

「ちょっと待ちなさいよ!少しお話しましょう?」



〜Reina side〜


「さ、さて、団子も食ったことだし、俺は仕事に戻るよ」

「ちょっと待ちなさいよ!少しお話しましょう?」


なんで私がこんな事を言ったのか私自身も分からない。分からないけどコイツと何故か話をしなくてはと思った。


「何だよ。まだ団子食べたいのか?」

「いや、そういう訳じゃ……。とにかく座って!」


そう私が言うと、和也は素直を元の席に座った。

特に私はコイツと話すことなんて無かった。でもとりあえず話さないとダメな気がする。但しこれはただの勘。別に何も無かったらただこいつの仕事の時間を奪ってるに過ぎない。


「アンタ。ここに来る前の記憶ってどこまで残ってる?」


唐突にそんな事を聞いた。当然アイツも驚いている。


「どうしたの?急に」

「いいから、答えなさい」


とりあえず時間を稼がないといけない。だから私も気になっていて、なおかつ時間も稼げそうな話題にした。


「ん〜、生活する程度には困らない常識ぐらいかな?」

「昔の記憶は?」

「それが思い出せない。大事な部分がすっぽり抜けている感じ」


(まさか、紫に抜かれたのか?イヤでも紫が理由も無しにこんなことする必要が無い。いや待てよ。そういう私はどうなんだ?)


どうやら私にも記憶に関して疑問に思うことがあるらしい。私もずっと前の記憶を無くしていると思う節がある。でも忘れるぐらいの記憶だから思い出さなくてもいいと思っていた。でも何でか最近思い出した方がいい気もしてきた。訳が分からない。


「大丈夫か?」

「えぇ、大丈夫」


そんな顔を見たのかアイツが心配してきた。少し安心した。

さぁ、そろそろ時間稼ぎも済んだかなと思っていた頃。


「和也さんッ!ここにいましたか!ちょっと来てください!」

「どうしたんだ?」

「妖怪が門の外に現れました!」


それを聞くと私と和也は立ちあがった。最近妖怪の襲撃があったばっかりなのにまた攻めてきたのか。


「小傘これ代金!それじゃあ行ってくる」

「私も行くわ」

「頼む」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人里の外 門の付近


「流石に門は破られているな」

「でも、親衛隊の人はもう居ないみたい。助かってるといいけど」


私と和也は走ってその妖怪のところへ向かっていた。何故か飛んで行かないかと言うと、和也はまだ飛べないし、私=妖怪という印象が強いため私が飛んでいるのを見ると里がパニックを起こしかねないという理由から飛行は避けた。

そして、とりあえずその妖怪の前まできたのだが……


「鬼か?」

「鬼ね」


人里に来て、門まで破った妖怪は鬼だった。私が知ってる限り、力的には鬼は妖怪の中ではトップクラス。でも最近は一ヶ所に集められたと聞いたけど……

とりあえず聞いてみないことには分からない。


私達2人は鬼の前に立ち塞がった。


「さて、ここに来たからには分かってるでしょうね」

「あぁ、分かってる」


どうやらこの鬼は知性があるらしい。鬼は大部分の奴が知性があるらしい。


「なら、そうなりたくなければ今すぐ帰りなさい。そうすれば何もしないわ」

「そういう訳にはいかない。あそこで認めてもらう為には」

「あそこって何よ?他に隠していることがあるのね」


私の意図を察したのか背中に背負っている剣を鞘から抜く和也。

それを見て妖怪は酷く驚いている。


「あんたッ……イヤでも……あの人は……」

「何ブツブツ言ってんだ」

「あんた名前は『…………』かい?」


その名前は私には聞こえなかった。どうやら和也も聞こえなかったらしい。それを見た妖怪は何を思ったのか急に笑い出した。


「アハ、アハハ、その顔、その剣、忘れるはずがない!あんたはあの人なんだな!」


そう言うと妖怪はずっと笑い続けた。私には訳が分からなかった。そう思い和也の方を見る。すると、少し頭を押さえている苦しそうだ。


「アンタ大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ」

「一気に片付けてしまいましょう」


そう言って私がお札を構える。こういう時に限って自分の主要武器、刀を持ってきてない。まぁ大概の敵はお札だけで倒せるのだか。


私は五枚のお札を取り出し、妖怪の周りに五芒星を描くように配置する。こうする理由は霊力が伝わる効率を良くする為に、消費を半分に押さえられるのだ。その分効力も本来と少し落ちるけど。


『霊符「風魔返し」』


この技は邪悪なものから作られた者全てを正しき魂に返し消滅させる技だ。妖怪なら誰でも知っている天敵中の天敵な技。この技は本来罠として戦闘中に使う技だけど。

でも、妖怪は避けようとしない。そして、消えゆる今もずっと笑っている。それには私も狂気を感じてしまう。


「もう私の人生はいい。もう一度あの人を見れたのだから。なぁ『…………』」


そう言い残し妖怪は消えていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


博麗神社 和也の自室


〜Kazuya side〜


あの妖怪との一戦から頭が割るように痛い。何かが俺の頭の中から出ようとしてるみたいだ。

そんな俺を見かねたのか麗奈が先に俺を博麗神社に帰るよう言ってきた。俺はその言葉に甘えて麗奈より早く帰ることにした。


「それより、この頭の痛さは何なんだッ?」


痛さで顔が歪む。


「取り敢えず寝よう。明日には治ってるかもしれない」


そう言って布団に入った。そして、明日には治ってるようにと祈り、目を閉じた。



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