69/72
7
「そんな……話」
エフィーが語り終えて、笑顔になった。
「私ね、今思うとヨルクが好きだった。あんなに頑張ってるヨルクが。好きっていうか……憧れっていうのかな」
「うん」
「一度死んで、生き返されていただいたけどもっと死のリスクが高くなることを、あんなに潔くできるヨルクが……好きだった。だから、あの時のヨルクほど見たくないことは無かった」
「うん」
エフィーは微かな涙を流す。
「多分、この戦いで私は死ぬよ」
「えっ? それはダメだ」
「でも死んじゃうの。私の体は死なないかもしれないけれど、エフィーは―――エフィレスは死ぬ」
エフィーは。エフィレスは笑顔を見せた。
「そしたら…きっとあなたにいいことが起きる」
エフィレスはそう言い残して、鈴の背中を弱々しく叩いた。
「いいことなんて、…今更だ」
鈴はその手に押されて、その場を駆け出した。
「『白菊』、『陰陽日月』!」
鈴がそう叫ぶや、その二つが――優花と時雨が武器と成って鈴の手に収まる。
「行くぞ! 俺は決めた! エフィーを死なせねぇ! ガブリエルを見つけたら即倒す!」
『了解!』
だが、鈴はもう二度と、この思いを背負って家に戻ることは無かった。
ありがとうございました




