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死霊CONTRACT  作者: 椎名むに
最終決戦
68/72

6【過去編其の肆】

 

『オオウアアアアアアアアア!!』


 その怪物は、今まで相手にしていたのとは格が違う相手。

 怪物は荒れ狂いながら襲ってくる。


「今回はやばい…! レスっち…大丈夫…?」

「私は大丈夫! だけど、ヨルクが!」


 エフィレスのさす指の先、そこには怪物の手と奮闘するヨルク。


「くっ…ぐあっ!」

 ヨルクは叫ぶ。

「ヨルク!」


 エフィレスは名を呼んだ。



「来るな……! エフィ! 来るなよっ! ここは俺が殺る!」



 ヨルクの声は、それが最後。




 エフィレスとレイマは自身が戦った怪物を倒し、ヨルクの様子を見に行く。


 途中、レイマはヨルクの右腕らしきものが転がっているのを発見したが、エフィレスには何も言わなかった。


「ヨルク…―――!」



「…」


 絶句。



 2人は絶句した。


 そこには、裂かれに裂かれたヨルクの―――死体。


「いや!」

 エフィレスはそう言ってそこに駆け寄った。



「怪物にやられたなんてことはないよね? そんなわけない」

「レスっち、ヨルクは誰よりも強い。そんなわけないよ………!」

「ないわよ! そうよ、ない!」

「そうだ! ない! ないけど……だけど………ッ!」


 目の前には、死んでいるヨルク。


「いやだよ…ヨルクッ!」





「あまてん」


 閻魔が様子のおかしい天照大御神を呼んだ。

 返事はない。


 やがて



「死んだ」



 そう言った。



「死におった。ヨルクが」


「ヨルクが?」




「ああ、ああああああ!!!!!! あああああああああああああああああ!!!!!!」




 天照大御神は荒れ狂う。



「あまて…っ! あまてらす! 天照!」


 閻魔は荒れ狂う天照大御神を止めようとするが、天照大御神は止まらない。ただ泣き叫び、暴れる。


「儂の! 儂の子のような存在じゃったよ! ヨルクは! それが、それが! なぜっなぜ死におったのじゃ!!?」


 天照大御神は荒れ狂う。



「分かっているだろう? 理由くらい」


 ミカエルが天照大御神の真意をつくように言った。



「………本当かい? それは」

 閻魔は問う。



「……ああ、そうじゃ…。ヨルクは疲労で死んだよ。それだけじゃ」



 天照大御神は大きなため息をついた。身体中の息全てを吐き出すように。


「死んだ後、ヨルクの契霊は――主を失った下僕は怪物と化して、ヨルクを裂いた。裂いた後はたまたま死霊を回収していた神によって、滅されたよ」


 天照大御神は倒れ込む。


「天照!」

「もう、もう嫌じゃ…エフィレスもレイマもいつかはそうなるんじゃよ、そんなのもう、儂は見とうないわ……!」

「落ち着け、天て―」

「殺せ! あの二人を殺すのじゃ! さすれば、もうこんな思いはせんよ…閻魔、ミカエル」



 沈黙の時が流れた。



 やがて


「殺さないよ」


 閻魔が言う。


「殺さない。最期まで彼らには使命を全うしてもらう」

「閻魔ッ…」

「当たり前だろう? 死ぬべき人を生き返らせてしまったのは我らの方だ。人は死ぬ時に死ぬ。それを邪魔したのは我らだ。それなりの罪を背負うんだよ。それなりの罰を受けるんだよ。あまてんには早めに罰が下ったってわけでさ」


 だから、殺さないでよと。閻魔は言った。



「もし殺したら、お前を殺す」


 ミカエルが最後にそう言って、2人はその場を去った。











「ヨルク………ごめん…………ごめんね……」

ありがとうございました。



ヨルクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!


次回から現在へ戻ります

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