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「2人ともお疲れ〜明日もがんばろーう」
ラウラが疲れきった顔をしている鈴と余裕そうなレイレに笑顔で声をかける。
「あはは〜リンリン疲れすぎ」
「いやいや…疲れすぎるって……凡人なんだぜ、俺」
「パンダは貧弱なんだ」
じゃ、ご飯作ってくるねーとラウラは言って台所へかけていく。
「俺も手伝います」
麗千流がそう言ってラウラの後を追う。
「全く、パンダはよく今まで生き残れていたな」
レイレが言う。
「ハハハ、まあ、エフィーやレイマがいたからってのが大きいかな」
「そうか」
鈴は空を見上げた。
「ま、エフィーも頑張ってるし。レイマも痛いの我慢してるし? 俺も頑張ってはやくみんなに追いつかなきゃいかんよね」
胸を張って言う。
「大丈夫、パンダが追いつくことは当分ない」
「ははははー…って、そんな事言うなよ! 俺が今から頑張ろう言ってんのに!」
「ほう、今から?」
「あっ…ち、違うよレイレ……」
ぼこぼこにされた。
「エフィー、出てくるの遅いのね。早くしないとご飯冷めちゃうのね〜」
結局、本人、つまりメル自らがエフィーの部屋の前に立ってエフィーを呼ぶ。
エフィーは無言。
メルはため息をついた。
ドアを開け用とするが鍵がかかっている。
「あーけーてーなーのーねー」
ガチャガチャと騒がしくする。
無言。
「もうメル怒ったのね」
怒ってはいない。
メルは勢いよく足を後ろに振り上げたかと思うとその勢いを殺さず前へと振り下ろす。
「えいっ」
ガバキャァッ!なんてもうとてつもなくやばそうな音とともにドアとその破片が室内へ飛んでいく。
「失礼するのね」
既にとんでもない失礼をされた。
鍵が開いてない? え、そんなの力ずくで開ければ早いじゃない方式である。
そんな方式あったっけ。
「ねえ、エフィー。メルがこんなに一生懸命話しかけているのに無視とは何事かしら。メル、そんな冷たいことされたら泣いちゃうわよ? えーんえーん。わーんわーん」
無表情でエフィーを覗き込むように見ながら抑揚なんて全く無いご様子メルりん。
しかしエフィーは無言。
「えーんえーん、泣いちゃう、泣いちゃう。あ、もう泣いてた」
勝手に1人でボケてツッコンで終わる。
「ねーエフィー。どうしよう? メルを泣かせちゃったのね。これは大変。メルが泣いたら世界が滅びちゃうゾォ」
それなら今間違いなく宇宙が滅びかけているだろう。
「わーんわーん、あ、世界滅んじゃった★」
軽いノリで終わらす。
「…なんて今のは冗談で、いい加減降りてきなさいな」
「………」
「ほんとにご飯冷めちゃうじゃないの。困るでしょう? 冷めきったご飯の何が美味しいのね」
〔いやいや、ご飯諦めろや〕
牙櫻がやってくる。
「まあ、牙櫻さん。どうやって上へ上がってきたのかしら」
〔ああ? ンなもん、優花に投げてもらったんだよォ〕
「ふうむ。そんな空気だけのが投げられて上がってくるものかしら」
〔楽しかったぜ、空の旅〕
「あらそう。なら、良かったのね」
ぶっ壊されたドアから見えるエフィーは窓の外をぼんやり見ているだけだった。
「もーう、怒っちゃったぞー、メルメル怒りましたァ」
メルがいつの間にかどこからかあの長い太い鉄の棒を持っている。
よくこの建物に入ったなぁ、と牙櫻は思った。
「えいっ」
鉄の棒を軽く、エフィーの頭にごつーんと叩きつけた。
「ッ…!」
めっちゃ痛そう。
「エフィー、もうご飯待たないから。仮に食べるとしたら冷えきりまくったご飯を食べなさいな? 頭冷やして体冷やして冷えきったご飯をクーラーのかかりすぎた時に北極を連想させる食堂で1人寂しく冷え冷えしながら冷えピタでも貼って食べるのね」
〔お前さんよ、冷えにこりすぎだわな〕
牙櫻が呆れ気味に言うといつの間にか無くなっている鉄の棒。
メルが牙櫻をすくい上げるようにして持つと、階段を降りていく。
「あーあ。待ったかいがまぁーったくないのね。あーあ、冷えきっちゃったかしら、ご飯」
エフィーはまた一人になった。
ありがとうございました。
エフィーは頑固ちゃんですね。困ります(笑)




