プロローグ
「こんにちは、さっきぶりですね」
天照大御神の契霊の1人、幸衣の幸が穏やかな笑みで、エフィー達をそう出迎えてくれた。
「さっきぶりなのね。幸。今回は、どこの部屋を貸してくれるかしら」
「はい、ご案内いたします」
幸が、付いてきてください、と言うとゆっくり歩き出す。汗衫の紐がひらひらと楽しそうになびいている。
それにエフィー達も続く。
エフィーの肩に優花が乗っていて、メルの頭に牙櫻が乗っかっていた。
〔あまり早く歩くなよ。俺様が落ちちまうからよ〕
「弱い野狐なのね」
〔けっ。佐與栄霧の無駄にクソみてぇな術が思いの外俺様にヒットしてよ〕
牙櫻の言葉に対してメルがなにかに気付く素振りをした。
「佐與…その姓は、あなたの飼い主の姓ね」
〔飼い主じゃねぇ。ただの拍依は俺様の遊び相手…暇潰し相手だ。佐與栄霧っつーのはそいつの姉。拍依と違って一般人だが、そういう祓いの才能だけは何故かあるクソ野郎だ〕
「姉であるのならば『野郎』は間違いだと思うのね」
〔けっ。まあ、拍依の出来損ないだ〕
一方、現世組では。
「いやいや、良かった。ある意味、男女3人ずつだしよ? 部屋の割合も大分良くなったぜ。な? 時雨」
「うんうん。3人っていう絶妙な数だけど、悪くない数だよね」
「…そ、そうだな。ああ」
男子組所属の鈴、時雨、そして麗千流は鈴の部屋でそんな話をしていた。
「にしても、麗千流は家大丈夫なのか? 拍依はいいとか言ってたけど…」
鈴は一応麗千流を心配した。
「ん? 大丈夫だと思うよ…多分」
「多分って…」
「それより俺、1人で寝たいから別の部屋に行きたいんだけど」
「それは駄目だ。自由勝手すぎるし」
「いや…でも」
「まあ待てや」
鈴が勢いよく立ち上がる。
「女子共がわいわい女子会してる中…俺達男子共が男子会をしなくてどうする!?」
「どうもしないよね、それ!?」
くだらないような鈴の発言にノリツッコミっぽく言葉を入れる麗千流。
「甘いッ! 甘いぜ麗千流……いや…みちるん!」
「何その呼び方…!――って、うわっ!?」
鈴が勢いよく正面から麗千流の両肩に両手を置いた。
「どうもしないじゃあない…なにもないけどしかし、なんとなく、軽い便乗みたいなのでやってみたいだろ…?男子会…」
ずいずいっと顔を近づけていく鈴。
「いやっ、知っ知らないしそんなのどうでもいいよ…お前らでやればいいだろ…男子会…」
「いやいや! ダメだ! お前も立派な男だろうが! だったらお前も参加しろよ!?」
「そうだよみちるん! 鈴君がこんな調子なんだから絶対参加だからね」
「何でだよぉぉ…」
「まあ? どーしても参加したくないならいいけど? そしたら俺の隣で寝てもらうからな」
「絶対嫌だ………」
ありがとうございました。
ずっと書きたかった修行編スタートです。
今回のプロローグは会話会ですね(笑)




