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忍初華の契霊は例外だった。
武器には成らない。成れない契霊。
何に成るのか?簡単だ。
「迷い込ませてあげる」
彼女は、彼女自身の契霊で、彼女の世界を創ったのだった。
「迷路!?」
忍初華の契霊達は、一つの世界、迷路を創り上げた。
「は、は。大いに迷いたまえ。は、は、は」
どこからか、初華の笑い声が聞こえてくる。
「ルールを説明しよう。そのいち」
いつの間にか、鈴達の前に立っていた初華は二つの入口であろう場所を指さす。
「右に契霊達、左に人間。それが、スタート」
「は、ちょっと待てよ」
レイマが困惑した表情で自分と契霊達を見る。
「ぼく達、別れるってこと?」
「そだよ。は、は」
「そんな事で、お前、襲ってくるんだろう、無防備なぼく達を!」
「は、は。まあ聞いてよ」
ルール、そのに。と。
「純粋に、迷路を楽しんでもらう。攻撃は、お互い絶対禁止。もちろん、迷路の破壊も絶対禁止」
そのさん。
「契霊と人間で連絡を取りあわない。『先に着いたよ』とか、『この道はこう行くの』だとか。ああ、ちなみに、二つの迷路の形状は、入口の間のこの小さな花を基準とした左右対称だよ」
そのよん。
「というか、忠告。今言ったルールは迷路内でしか通用しない」
おわり。
「このルールは、あくまでも公平のつもりだよ。ああ、ルールを少しでも破ったら、その場でぶっ殺すからね★」
初華はウィンク。可愛らしくウィンク。そのウィンクには十分すぎる殺気が混じっていたが。
「OKOK。理解した」
スマホの電源落とせばいいんだな。
スマホの電源を切る。ハルが『またお会いしましょう!』と言うと同時にぷつり、と。
「これで、連絡手段は消えたぜ」
真っ黒な画面を初華にひらひらと見せる。
「は、は。いいよ。他にはない?」
「あ?ねぇだろ。俺以外はスマホ持ってないし」
というか、スマホの電源切ったところで、契霊組にスマホを持っているやつなんていないわけだから、意味は無いに等しい。
「いや、テレパシーとか」
「すげぇよそんなもんねぇよ」
「は、は、は。疑いすぎたようだね。まあいいや、君達には監視役を1人ずつ、置いておくから」
と言うと、初華はぱちりと手を叩いた。
「出てきて、『斗喩』、『藍彌』」
やけにくさい名前を呼ぶ。恐らく、契霊だろう。
まあ、契霊故に小さな小さな人間が、死霊が2人出てきた。
1人は、黒髪ストレートの髪の毛をポニーテールにくくっているクール系美女。
「斗喩です」
もう1人は――
「嘘だろ?」
「お、うあ、え?に、兄ちゃん?」
もう1人の死霊、藍彌は、どこか鈴と似ている中学生くらいの少女。
つまり。
「吟………!」
ありがとうございました。短めですみません。
まあ、でもここでキリつけなきゃ不味い!って思ったので(笑)
次回は長めです。きっと。




