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異種。
佐與拍依を示すならこの言葉である。
「妖怪や死霊が見えるってこと…?」
エフィーが問い返す。
〔そうだぜ、けけっ、ビックリだろ〕
牙櫻が得意気に言ってきた。
〔俺様は、拍依によってこの変な袋に封印されたんだよ。正確にゃあ、拍依が捕まえてきてこいつの姉の佐與栄霧が封印したんだがな〕
変な袋というのはスーパーの袋である。
「は、はあ…よく分からん」
鈴は目を回す。
「とりあえず例外なんだよ、ハクイちゃんは」
エフィーが鈴にそう説明する。
それを聞いた鈴は拍依を見やった。
無愛想な子。無口で無表情で、口を開けばろくなことを言わない、とんでもない毒舌少女。
でも、拍依は幼い頃からずっと死霊が妖怪が見えていたわけであり。
鈴が恐れ、まだびびりながらエフィーや優花や時雨の助けの元ようやく倒せる相手を、ずっと幼い頃から見ていて。
契霊がいない故に倒せるはずもなく。
逃げるしかなくて。
そんなの。
そんなのそんなの―――
「怖くないのか?」
あ、やべ。声が出た。
「ごめん、なんでもない」
鈴が慌てて発言を取り消そうとする。
拍依は首を傾げる。
〔けけ。そんな分かるわけねぇだろ?なんにせ今の今まで色々見えてんだ。それが普通になってる。今更怖いなんて言ってちゃあ、この先どうすんだよ、生きていけねぇだろぉが〕
「は…そうだな」
「怖い「凄く」
拍依がぽつりと呟いた。
「死ぬ「かも「そう思う「怖い」
それだけ言うと拍依はまた何も喋らなくなった。
「そんなこと、どうだっていい」
レイマが続けて、本題に入ろう。と言った。
「あなた達はどこから来たの?」
〔けけ、メーチだ〕
「明知。…そこにはあなた達以外、妖怪とかが見える人はいる?」
〔知らねぇなぁ〕
駄目だ。
情報が全く掴めないのである。
名前も容姿も住処も何をしているかも。
何もわからないまま、探しに行くのである。
「…見つかんのかなぁ、そんな奴」
「見つけるのよ、泊まることになっても」
「これから探す相手ほど有力なものはないし」
あくまでも、禁法。もの。レイマはそう言った。
「そうだけどよ。心当たりっつーものすらないというんだ。そう簡単に見つかるもんかな?」
鈴ははあ、とため息をついた。
「最悪、ハルちゃんを使えばいいんじゃないの?」
「ハルは生憎人探しは出来ねぇんだわ。だから、まあ、場所がわかればいいんだが」
確か、学生らしいから、学校とか。
〔ガッコー?ああ、確かそれならメーチはちいせぇからよォ、ガッコーとやらは四つくらいしかねぇな〕
ものすごく、探す手間が省けた。
「じゃあガッコーを回っていけば会えるのね?」
エフィーが嬉しそうに言う。
「しかしエフィー。恐らく学校に行っても無意味だぜ、なんにせ今はサマーバケーションだからな」
「サマーバケーション?」
「ああ、学生の味方であり敵である夏休みだ」
「ふうん…それは関係ないでしょ?」
「それが大ありなんだよなぁ。夏休みって言うのはよ」
学生が学校に来ないんだよ。
「駄目じゃん」
レイマがため息をついた。
「まあ、そいつが補習とか受けるほどの馬鹿だったらいいんだけどな」
ちなみに、鈴は補習を受けない。
それなりに頭はいい方。中の上くらい。
「ど、どうするの…全然手がかりが掴めない」
「まあ仕方ないと思うよ、だから肩を落とさないで?まあそんなレスっちも可愛いけど」
レイマはエフィーの前だと不思議と甘くなる。
キツイこと言うくせに。
「まあ、冷静に考えたら敵か味方かわからない奴の情報なんてそうそう掴めないよな」
鈴もため息をつく。
揃いに揃って幸せを逃がしている連中である。
「で、でも、行ってみたら意外と分かるかも知れませんよ?」
優花が言う。
それに、時雨も虎緒もうんうんと頷いた。
「そうだ。それに、行かなければ意味がない」
レイレが付け足す。
「そーだな。よし、ちゃっちゃと行くか」
鈴が立ち上がる。
「そうね、行きましょう」
そして連中は鈴の家を出て、明知へと向かう電車の駅へと向かった。
ありがとうございました。
予定ではこの章は次の章の前兆、みたいな(は?)
次の章は衝撃の展開になるんですよ!(多分!)
あ、次の、章!!ですからね。(




