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目が覚める。
『り、鈴君、大丈夫なの?』
時雨が、陰陽日月が心配そうな声を出す。
「……ん」
横腹をさする。痛くない。傷跡もなさそうだ。
手元には白菊。
『り、鈴様…』
泣きそうな声。
「ん、大丈夫だよ」
腹もさする。やはり痛くない。やっぱり傷跡もないようだ。
「…ほう。ほんとすごいな。未雪」
『みゆき?』
「うむ、なんでもないぜ」
ゆっくりと起き上がる。
本当に、さっきまでボロボロだったとは思えない。
当然プラムもそう思い、そんな目で見る。
「な、なんで…」
何がいけなかったのかしら…とか色々呟いている。彼女なりの反省だろうか。
「さあ戦うか」
鈴が再び陽日を首にかけ、白菊と陰月を持って構える。
「こいよ、プラプラ」
「プラプラッ!?くっ…!」
許しませんわ!と、三叉槍と共に突っ込んでくる。
「何気に余裕ぶっこいてるけど俺無茶苦茶弱いし怖いんだよな…」
なんて弱音を吐きながらも避ける鈴。
相手が強いと言っても所詮は小学生程度の身長の幼女。幼女……?自分より遥かに長い三叉槍を扱うのはやはり少し苦な筈だ。というか苦だろう。
時々遅くなってくる攻撃のあいまを利用して確実に陰月と白菊の柄の部分で攻撃しまくる。
そうしていくうちに、だんだんと鈴が優勢になりつつあったのだ。
「そろそろ降参したらどう」
感情のこもっていない声色でレチルが倒れ込むエフィーに言う。
「まだ、よ」
「鬱陶しい」
容赦など欠片もないレチルは刀をエフィーに向ける。
「そろそろ、終わろう」
もう飽きた。
そう言って、片手で刀を振り上げる。
殺られる!
そう思った瞬間なのだ。
「レスっちに手を出すな」
そう言って
眩い双剣と共に見たことのない少年がレチルの刀をぶった斬った。
ガギン!
剣の半分から上が宙を舞い、レチルの背後の地面に突き刺さる。
「な…」
『アアアアアアアアッッッッ』
斬られた剣先と、レチルの手にある剣から叫び声が聞こえる。
「お前ッ…!」
レチルが身を引いた。
「レスっちに手を出すな」
少年は再び繰り返す。
「契霊殺しか…ッ」
レチルが斬られた、折られた剣を見て言う。
「失礼な、レスっち親衛隊員だ」
少年の手に先程まであった双剣は跡形もなく消えていて、その代わりレチルの背後にはやはり見たこともない黒髪の大きなおさげを星のピンやゴムでとめている少女と、金髪で長い髪を流した女騎士の少女がいた。
「さよーなら」
無慈悲に満ちた声色で黒髪の少女が地面に突き刺さっている剣先を蹴り飛ばした。
その剣先はみるみる消えていく。
『ウア、アァ』
刀から漏れてくる声はだんだん小さくなっていく。
刀自身も、小さくなっていく。
「契霊の声を聞かないからこそ、油断が生まれた」
女騎士の少女がレチルの首の横に自身の剣を差し出しながら言う。
「レスっち!大丈夫?」
少年はそんなことには見向きもせず、倒れ込んでいるエフィーに近寄る。
「レイマ…ありがとう」
レイマと呼ばれた少年は、エフィーに呼ばれて、お礼を言われて嬉しいのか赤面。
「レスっちぎゃんかわ!」
ありがとうございました。
レスっちぎゃんかわあああ!




