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死霊CONTRACT  作者: 椎名むに
世界―視界―が変わります
15/72

 閻魔の隣にミカエル。

 なんだこの神並び。

 いや、神並んでたわ。


「えんちゃん……てことはみかちゃんって呼べばいいのか…?」

「ちょ、ちょっとリン!いい加減にしてよ!」

 緊張で目が潰れそうなんだから……と、エフィーは意味の分からないことを言っていた。

 俺はみかちゃんの眩しさで目が潰れるぜ?と返したら太ももを叩かれた。

「ええと、何用でございますか?大天使様」

 エフィーが戸惑いながら問う。

大天使様(ミカエル)でいいさ。私の事は」

「し、しかし…」

 あくまでも自分は大天使、ということをアピールしている奴だ。

「そう、まあ。用です。用件を説明しよう」

 用件は。



「大天使ガブリエルが禁法(きんほう)に手を出した」



 その言葉に鈴は頭の上に『?』を浮かべ。

 エフィーは衝撃を受け。

 閻魔は事前に聞いていたのか、反応は見せず机につっ伏したままだった。

「ガブリエル様が…?」

 エフィーは確認のため、ミカエルに問う。

「ああ、ガブリエルだ」

「そんな…」

 2人で会話が成立している。

「ちょちょっと待てよ…いろいろ話急すぎてまじ理解に追いつけねぇや。まあちょっと待て」

 鈴が話に加わる。

「俺、まだいろいろわかってないから勘弁なんだけど、ミカエルさん、禁法って…なんだ?……ですか?」

 鈴の問いに閻魔がミカエルに言う。

「ごめんねミカエル。その子、ついさっき私が願ったばっかで成り立てだからいろいろ説明とかしてないんだよ。だから教えてあげて」

 と。

 ミカエルは分かった、と短く頷くと鈴に説明を始めた。

「禁法というのは、簡単に言えば君のようなことを指す。ああ、エフィーもだが」

「は?」と。鈴はやっぱり『?』を浮かばした。

「まあ、我ら神に神の能力(性質)を貰ってしまったもの、ということかな」

『?』が一個増える。

「簡単に言うと君みたいに人間だけども神になったってことさ」

 閻魔の説明で『?』が一個減った。

「俺達が、禁法ってことか?」

「まあ、簡単に言えば。そうなる」

 うぇー、っとなった。

 禁法がこんなにのんびりしていていいのかよ。

「ああ、勘違いしているようだが君やエフィーは禁法には触れないよ」

「え?そうなの?」

「ああ」

 ミカエルは深く考える。

 こうして見ると、金髪碧眼の美女だ。

 まあ、ミカエルは男なのだが。

 美男子。イケメン。

 鈴とは格が違います。

「君達は、閻魔大王(九嶺恵翔)に願われたんだろう。恐らく、閻魔大王が手続きをしてくれている筈だ。だから法には触れてない」

「えんちゃんが直々にあまてんとこ行って、手続きしたから大丈夫だよ」

 なんだよ…あまてんって……。

 まあとりあえず鈴は大丈夫という事だ。

「じゃあ禁法に触れた奴ってどんなの何だ?」

 ミカエルはふう、と息をはいた。


「禁法、即ち独断で人間を殺し、神に仕立て上げることなり」


 閻魔がむくりと起き上がったかと思うと低い声で言う。

 ロリボイスの低い声も可愛いぜ。

「簡単に言えば、そこらへんの生きた人間を殺し、自らが願い、その殺した人間を神にするという訳だ」

 ミカエルは平然としたまま言う。

「むごい…」

 エフィーが口を抑えて言う。

 鈴には理解ができなかった。

「…よく分からん」

「ならば試してみようか」

 ミカエルが無表情のまま言う。

「…おい、ミカエル、冗談もいい加減だよ」

 閻魔が真剣に言う。

「……ふん、大天使聖ミカエルの名を持つ私がそんな事するものか」

 ムキになった閻魔に少しイラついたのか、そんな様子でミカエルは言い返した。

 それでもミカエルは無表情だった。

「……あー、要するに。勝手に人間ぶっ殺して勝手に願って勝手に神の力あげるってこったな?それで、その手続きをしない、と?」

「正解」

 閻魔がぱちぱちと拍手。

「…でも、なんでそんなこと分かるんだ?監視とかしてるのか?」

 鈴が聞く。

 その質問にミカエルは答えようか一瞬迷い、大きくため息をついた後、スマホを出した。

 ミカエル……様?

「これだ」

 有名なSNSを見してくれた。

 そこには。


『がぶたそ★★(♡ω♡) ID:Gaburin8888


 ぃぇー♡

 このにんげん。双子かな???

 とりぁぇず、がぶがぶの好みどすとらいくだから、今からさっさと殺してのぅりょくぁげたぃとぉもぃまーす笑笑笑

 ぁ、ガチのぉはなしだょ?笑笑笑

 まじがちー!がぶがぶ笑笑笑』


 という残念すぎる文章とともに可愛らしい男女の双子の写真が添えつけられえ投稿されていた。


 その投稿から3分後の投稿。


『がぶたそ★★(♡ω♡) ID:Gaburin8888


 ぃぇー♡

 双子ちゃんげっとだょ♡♡♡

 てぃこぅなかったから、すぐにねがったらかみさまできちゃった笑笑笑びっくり〜笑笑

 とりぁぇず、がぶがぶのそっきんとして、双子ちゃんずにはいっぱぁぃはたらぃてもらぃまぁす♡♡♡笑

 ぁー、まぢかゎぃすぎ♡♡♡きゅんきゅん〜笑笑笑』


 先ほどの双子と不気味な橙色の髪の毛の赤い瞳の奇妙な女、まあガブリエルだろう。

 そいつの自撮り写真付きだった。


「バカ丸出しだな!」

「大天使様になんてこと言うの!」


 エフィーにぱこんと頭を叩かれる。痛いぜ。

「同じ大天使としてとても恥ずかしいものだが、こんな風にしてるものだからすぐに分かってしまうのだ」

 ミカエルは呆れるように言う。

 うん、その気持ちなんとなく察するぜ。大変そうだなぁ。

「がぶりんって、こんな子だったっけ?」

 閻魔がミカエルのスマホを覗き込んで言った。

「ガブリエルは数年前に所謂イメチェンをしたらしい」

「うわぁ残念になっちゃったねぇ」

 天使でもそんなことするんだなぁ。

「堕ちるのはルシフェルだけで十分なのに」

「ミカエル様ミカエル様、本音がドボーンと漏れてるよ」

「失礼した」

 ミカエルはこほん、と咳払いをし、真剣な表情(といっても元がそんなに変わらないものだからよく分からんが)になり。

「まあ、とりあえず君達には」

 と話を戻した。

「君達には。ガブリエルが作り出してくる神を倒していってほしい」

 ミカエルが言った。

「え?ガブリエル様自体は倒さなくてもいいのですか?」

 即座にエフィーが聞き返す。

「ああ。出来る限り私は戦いたくないからな。落ち着いたところで話をしたい」

 ミカエルがまたため息をつく。低血圧の人なのかな?

「まあ、通じなかったら無理矢理。それでも無理ならゼウス様やヘラ様にお叱りしてもらう。それでも駄目なら戦おう。戦わざるを得ない時にな」

 ミカエルがスマホをしまった。

 大天使にスマホってシュールだな。

「まあ、とりあえずエフィーと…サスケリンと言ったかな。君達にはこちらからガブリエルのこのサイトの更新があり次第、伝えていく」

「あ、いいっすよ。俺もスマホ持ってるし。そのサイトアクセスできるし。こっちで確認できるし」

「お?そうか。ではよければ連絡先を教えてくれないか?」

「いいすけど…」

「メールと電話番号は緊急にしとこう。基本は『TALK(トーク)』の『会話』でいいかな」

「あ、ああ……いいですよ。登録しましょう」

「ありがとう。では『ふりふり』を使って」

「いいよ!!QRコードとかにしましょうて!!」

『TALK』というのは、大人気で無料で会話通話ができる最大級の電話アプリ…(?)。

『TALK』には『フレンド』『会話』『日記』『その他』とあり。

『フレンド』は会話ができる人。『会話』は所謂トーク履歴とかなんやら。『日記』はTLに投稿でき、みんなに見てもらえる場みたいな。

 よく知らない。

『その他』は設定とかフレンド追加とかとか。

 よく分からん。

 ちなみに、『ふりふり』というのはフレンド追加の一種の方法で互いが自分のスマホをふりふりし、ふりふりを認識して追加されるらしいが全く反応しない。

 逆に公式フレンド拾ってくる。

 公式いつもふりふりしてんのかこら。

 だから鈴はQRの方が確実に追加できるのでそれでやっているのだ。

 ミカエルは少し残念そうにしながらもQRコード認識画面を用意した。

「あ、俺が用意するのね」

 鈴が自分のQRコードを見せる。

『レッツトーク♪』という発音の良いシャッター音と共にミカエルに追加された。

 大天使とこんな機能(アプリ)でフレンドになれるとかもう笑うしかない。

 早速『会話』でミカエルが送ってきた。

『Michael』という名を使用しているミカエルから『よろしく。』と共に土下座スタンプ。

 鈴も『よろです(`・ω・´)』と返した。

「ほう…君は『りん( ˘ω˘ )』というのか。……『( ˘ω˘ )』はなんと読むんだ?」

「飾りです、ただの飾りですよォォォ!」

 では『りん』と呼ぼう、とミカエルは言う。

 大天使に名前呼ばれるってのは気持ちいいもんだ。

「すんませんけどガブリエル様のサイトURL送ってくれませんか」

 ミカエルは頷くと、すぐに送ってきてくれた。

「ありがとうございます」

 鈴はそのサイトを開く。

 ハルがぴょこんと現れた。

『Rin様!

 このサイトには

 1ヵ月ログインしていませんでしたので

 自動ログアウトしています!

 再ログイン致しますか?』

「んー…」

 黒歴史なアカウントな気がするぜ。

「いいや、ログインしなくて結構」

『かしこまりました!』

 ハルがいなくなるとサイトに行く。


『がぶたそ★★(♡ω♡) ID:Gaburin8888

 すーぱーえんじぇるがぶりんこと、がぶたそだょ〜☆

 気が合う人、がぶがぶふぉろーぼたんをぽちっ☆

 1日1日をたのしくすごすことがもくひょう♡♡♡

 

 ふぉろわー1000人とっぱ!☆まぢまぢぁりがとーぅ♡フォロワーダイスキ♡♡♡


 フォロー225 フォロワー1243』


 意外とフォロワーいるし。なんかムカつく。


 最新の投稿。

『みみかゅぃ笑』


 自分でかけや!!!

 あと小文字乱用すな読みづらい!


「ガブリエル様…」

 エフィーがまるで「お悔やみ申し上げます」とでもいう表情で、鈴のスマホを見て言う。

「…まあ、定期的に情報を確認しておいてくれ」

「うっす」

 ミカエルがそれでは、と切り替える。

「まずはこの双子を中心に倒していってほしい」

 とミカエルが言う。

 鈴は可愛らしい男女の双子の写真を見る。

 …なんというか、嫌だな。

「ああ、見つけたら私に連絡をくれ。すぐに戦闘に入るな」

 閻魔が言った。

「ん?分かったけど…えんちゃんの連絡先知らないよ?」

「ああ、君が眠ってた間に私がいじってハルちゃんに追加してもらってるよ、フレンドに」

 閻魔までもが便利なあのアプリを…!

 全く、死界技術も発達してるもんだな。

「まあ、それだけだ。わざわざすまないな」

 ミカエルが立ち上がる。

「いえいえ、ミカエル様こそ。お呼びしていただければ私達が参りますものを…」

 エフィーも立ち上がり、頭を下げる。

「いや、今回は私がここに来たかったという訳もあるからな」

 それでは、と言うとミカエルは一瞬にしてその場から消えた。

「わお」

 鈴が思わず驚きの声をあげる。

「じゃ、えんちゃんもお帰りになりますよっと」

 閻魔は玄関から出ていくようだ。

「早く帰れよ、仕事どうせ山積みとかそんなんだろ?」

「げ、ばれた?」

 閻魔は苦笑いをしながら立ち上がった。

「じゃあー鈴ちゃんにエフィー、頑張ってね」

 閻魔も去ろうとする。

「あ」

 閻魔が止まる。

「鈴ちゃん」

「ん?なんだ?」


「すっごい元気そうだけど、今週のどこかで病院で一応診察受けておいてね?事故の怪我があるかもだしさ」



 それ今言う?







「閻魔大王、わざわざありがとうございました」

 エフィーは再び頭を下げる。

「いえいえ」

 閻魔は微笑みながら、玄関から帰って行った。

「ふう……」

 なんか今日1日だけで大きく環境が変わったもんだぜ。

 と、密かに思った。

「じゃあ、リン。これから私はこの家に寝泊まりもするから、明日から探しに行きましょうね」

「お、おう。分かった―」

 ……。

 …。

「ええええええええええええええええええ!?」

「どうしたの、リン、変な声出しちゃって」

「や、や、いやいやいやいやいやっ待てや!」

 美女とひとつ屋根の下で生活!

 サービスかこれは。

「鈴さん、エフィーに変なことやらかそうとしても無駄ですよ。仮にしたら切腹させますからね」

 虎緒が満面の笑みで言ってきた。

 ナニモシマセン。ゼッタイ。

「じゃあまずは部屋割りですね!」

「優花、なんで君は修学旅行の予定を決めるみたいな言い方なんだよ…」

 きゃっきゃと。

 賑やかな生活が始まろう――













 こともなかった。

ありがとうございました


この話を予約投稿した時に、『聲の形』を見に行きました。

すごく良かったです。

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