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死霊CONTRACT  作者: 椎名むに
世界―視界―が変わります
14/72

『ネット小説大賞』(旧なろうコン)第5回に参加することにしました。


詳しくは御手数ですが活動報告で見てください。


応援よろしくお願いします!

『かっこいい名前、ですか。

 う、うーん、難しいです』

 やはりおかしなイントネーションでハルは言う。

「えっと、さ。何でもいいんだ。その。うん」

「どんだけ名前つけるのに時間かかってるの……」

 かれこれ妖怪を倒して鈴の家に戻り、リビングの食卓に今度は隣り合って座っている鈴とエフィー。

 机の上では虎緒が走り回っていて、優花は隅っこで体操座りをしている。

「いや、だってさ。名前だぜ?大切なもんじゃないか」

 鈴はため息をついてスマホをいじる。

 ちなみに、家に入る前に死界の使者から優花との契約期間は3ヶ月と告げられた。

 3ヶ月間よろしくな、と言うわけだ。

「あ、あの。無理に付けなくてもいいんですよ。その…私、また『優花』って呼んでもらえるのでもう充分嬉しいので…」

「いやまあ遠慮すんなって。それに俺も決めたい」

 だってだって。

「絶叫丸とかかっこよすぎんだろ?」

「ほらまた絶叫させる」

 エフィーに呆れられるようにしてツッコミを入れられた。

「うん。ごめん。俺記憶力ねぇからさ」

「いいよ、許してあげます」

「ありがとさんさん」

 そして再びスマホをいじり始める。

『Rin様

 どんな意味で付けたいですか?』

 ハルが聞いてきた。

「ん?意味…ねぇ」

 ちらり、と。

 優花を見やった。

 一生懸命そうな、普通の女子中学生。

 どうして死んだのかは知らないが、恐らくは多分制服だということもあってか、登下校中の事故だろうと想像はできる。

 理科での実験で死ぬなんてニュース聞いてないし。

 もしくは―――自殺。

 まあ、高八木優花(女子中学生)が自殺したなんてニュースも新聞記事も最近見たことがないからないだろうけど。

 別に、知りたくはないし。

 あまり触れない方がいいと思っている。

 だから聞かないのだ。

 鈴の視線に気づいたのか、優花が顔を上げる。小さな顔。すっごく。

 そしてその顔には少し大きすぎるのではという目。まあ、ちびキャラだし?

 目と目が合う。

 優花は少し戸惑ってきょろきょろしたが、微笑んでくれた。

 にへへ、可愛い。

 鈴も微笑み返すと、ハルに、否、マイクに向かって話す。

「花の名前がいいな」

 と。

『<花>の名前ですね?

 かしこまりました!

 それでは今から<花の名前の一覧>を用意致します!』

 瞬時に画面が切り替わる。

 たくさんの花であろう名前が出てきた。

 さすがだぜ、ハルたん。

 その中から一つ一つページを開く。

 名前と、花言葉を確認しながら。

 本当は花言葉や誕生花も確認していたけどそこまで気にしていたらキリがないと思いやめた。


 と。


「菊…」

 鈴がぽつりと呟いた。

「…どうしたの?」

 エフィーが問う。

 しかし鈴は答えず、画面をタップしていく。

「白い菊……白菊(シラギク)…」

 ものすごい勢いで鈴が立ち上がる。

 びっくりしたエフィーは鈴を見上げる。

「な、なに?」

 エフィーの問いかけに鈴は満面の笑みで――


「かっこよくね?」


「ウン、カッコイイト、オモウヨ」

「ちょっと棒読みやめねぇ!?」

『かっこいいと思います!』

「ハルたんありがとうっ!」

 立ち上がった鈴は椅子をしまい、椅子に座ったままで後ろを向くエフィーの目の前に立つ。

「決まった事はさっさと実行だぜ!優花!お前の武器名は『白菊(シラギク)』だ!カタカナだぜ!?ここ重要!」

「は、はっはいっ!」

 テンションが上がっている鈴。めっちゃノリノリ。

「よし!俺はいてもたってもいられんぜ!敵はいねえが少し戦闘訓練だ!」

「楽しそうね」

「エフィー!なんか、名前付けても呪文みたいなのあるのか!?」

「え?ああ、特にないよ。名前を呼べば多分武器に成るわ」

「よしっ分かった!」

 テンションアゲアゲのまま鈴は右手を上げ、手のひらを上に向ける。




「我が『白菊(シラギク)』ッ!我が手に来いッ!!」



 ちっちゃい優花から光が溢れ出る。

 そして、少しして、鈴の持ち上げられていた右手の手のひらには、あの小刀が。

 小刀(白菊)が。

「お、おお…こんなことって……ほんとにあるんだな…」

 多分滅多にないだろうが。

「なかなかいいんじゃない?白菊」

 エフィーが、鈴の楽しげな姿を見て微笑みながら言う。


「ああ、最高だと思う。なんにせ、俺の最初の武器だし、特別だしな」

 鈴のその言葉、いや、笑みにエフィーは少しだけ頬を染めた。

 同時に、白菊から微かな熱が伝わってきた。

『…そ、その。嬉しいです…』

 やはり照れくさそうな優花の意志が伝わってくる。

「へへへ、まあ、これからよろしくな!」

『はいっ!精一杯頑張ります!』

「おう!」

 鈴が「優」と言うと、白菊は光り、小さな優花になる。

「ふうん。こんな感じなんだなぁ。俺、なんか今凄い特別な人間になった気がする」

「閻魔大王に生き返らされた時点で特別だよ、リン」

「はは、やっぱり?」

「うん。まあ、私もだけどね」

「こらこらエフィー、そのような言い方は嫌味を感じますなぁ」

 虎緒がツッコミ(?)を入れてくれた。

「あははは…ごめんなさい」

 エフィーは素直に謝った。


 と。





「どぉーっだだだだだ!!」




 玄関のドアから、聞き覚えのあるロリボイスが変な言葉を発していた。

 だんだんだん!とドアを叩いていた。

「はあ…あのな、住民を呼ぶ時はインターホンを押すんだよ」

 鈴はその声の主を察し、玄関のドアの鍵を開けに行く。

「だ、だって!!今時の家の仕組みなんて分かんないんだもんっ!」

「うぜー、なんかその言い方、ちょーうぜー」

「り、鈴ちゃん!そんな鈴ちゃんの言い方もちょーうざいから!ね!?だから開けてっ!!」

 鈴ちゃん。

 この呼び方である程度予想は付くだろう。


「あのな、だからインターホンを押すんだぜ?ピンポーンってな。そしたら俺がはぁーいって言うんだ。俺が家の中でマイクに向かってそう言うと、ここから声が聞こえてだな。それで君も用件を言う。それで俺が外に出る。これが一連の流れだ、だからな?まずは――」

 玄関のドアを開ける。


「ここの『ピンポーン♪』を、押すんだぜ、えんちゃん」







 ノリよく『ピンポーン♪』と言ってやった。

 来訪者はえんちゃんだ。閻魔だった。

「やあ、鈴ちゃん、さっきぶりぃ〜」

「さっきぶりすぎるわ。キャラがよく分かんねぇな、全く。どうしたんだ?やっぱり俺の聖なる魂が必要だったってことか?」

「鈴ちゃんのキャラもよく分かんないよ。いつから君はそんな変なこと言うようになったんだい?」

「はっはっは、俺は残念だが既に目覚めているんだぜ」

「うん、わかんないからいいや。でもね、別に私は君の汚い魂は要らないよ?」

「汚ッ……」

 ちょっと心が傷ついた。

「まあ上がらしてもらうよーん」

 おっ邪魔しまーす、と言って閻魔が鈴の家へずかずかと入っていく。

 やれやれ、礼儀正しいのか無礼なのかわからん。

「あっえっえっ、えっ、閻魔大王っ様っ!?えっえっ?」

 リビングへ入ったのだろう。

 エフィーがめちゃくちゃ戸惑っている。

 ちょっと笑っちゃった。


「で、何のようだ。えんちゃん」

「えんちゃん!?ちょっと…リン!それはいけないでしょ」

「あっはは!いいのいいの、私が許可してる。公認済☆だよ」

「☆っているのか?」

 閻魔にもお茶を出した。

 そのお茶を閻魔が飲むとやはり「うまい」と言った。

 現代のお茶に慣れていないからだろうか。

 好評すぎる。ただの麦茶、恐るべぇし。

「でねでね、まずは鈴ちゃん。高八木優花の魂と契約してくれてありがとね。高八木優花との契約期間は多分知ってるだろうけども3ヶ月だよ。その期間、よろしくね」

 閻魔がちっちゃな優花を見つけると、優花に向かってニコニコしながら手を振った。

 優花は戸惑いながらもぺこりとお辞儀した。

「うん、で。まあ本題。私が直々にここに赴いた理由さぁ……」

 閻魔が外に向かって手招きをする。

 すると勝手に玄関の開く音がした。

 おかしいなァ?玄関、鍵しめたよォ?

 そして鍵をしめる音が聞こえる。丁寧な来訪者だ。

 そしてこのリビングにやってくる。

 その主は、金髪碧眼だった。

 ボブの髪型の。


(リアル)金髪碧眼ンンンンwwwww」


 そう言わざるを得なかった。

『w』も言ったぜ。

『Rin様、

 金髪碧眼

 での検索結果はこちらです!』

 お前はなに勝手に人の言葉聞き取って検索してんだよ…。


「この方が主に説明してくださいまぁす♡」

 閻魔が机につっ伏す。

 うぜー言い方。

 その金髪碧眼は礼儀正しくお辞儀をした。


「だっ、大天使様…」


 エフィーがぽそりと言った。

「エフィー、久しぶり。そして、サスケ・リン、はじめまして」





「私はミカエル。今日は君達に大切な事を伝えにここまで来たんだ」

ありがとうございました。


よく眠くなりますね。

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