表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死霊CONTRACT  作者: 椎名むに
世界―視界―が変わります
12/72

 妖怪の口元の手前にいた女子中学生の死霊は泣きじゃくっていた。


「うえ、ひぐっ…たすけてったすけてぇ…!」


 誰でもいいからぁ……。


 力のない声で言う。


「……私、また死んじゃうのかな」

 目の前には巨大な未知の生物。

 誰も助けは来ない。

 死しかないのだろうか…。


「……もう嫌だよ……………………………………また痛い目にあうの……………………………」




「…嫌だよぅ…」





「はっ!」


 女の人の声がしたと思えば、死霊はものすごい速さで降下していた。

「うっえっ!?」

 身体を掴まれていた手であろうものがどんどん砕け散るようにして消えていく。

「リン!受け止めて!」

 また、あの女の人の声がする。

「は、はあ!?全速力で来た人間にそんなこと言うか!!」

 今度は男の人の声。

 どうやら、私を受け止めようとしてくれているらしい。

「…あなたも死んでしまう!!」

 咄嗟に叫んだ。

「はは、心配してくれてありがとうな」

 男はそう言った。

 男は…鈴だ。

「まあでも俺は君と(きざ)まなきゃなんでな!受け止めるしか選択しないんだよなぁ」

 と、鈴はポケットにいれていたスマホの電源をつける。

「ハル!『空からものすごい速さで落ちてくる女子中学生の効率のいい受け止め方』でちょっと調べてくれ!」

『かしこまりました!』

 音声(ハル)は元気よく(イントネーションはおかしいことに変わりない)了承。少しして着信音が流れる。

『Rin様!

 おそらくお求めの検索結果は出てきませんでした!

 なのでお姫様抱っこで受け止めるのはいかがでしょうか?』

 ろくでもない答え。

「ははは!そうだと思ったぜ!だからよ!ちょっとスタンバってくれないかな!?死霊ちゃん!」

 死霊は何となくエアお姫様抱っこのお姫様になった。

「ハル!使えない答えをありがと――」

 鈴がお姫様抱っこの構えにはいる。


「――よォォッ!!!!」


 ドスンと、鈴の両手に死霊は見事にお姫様抱っこのお姫様の形ではいってきた。

「ナイスだぜ……」

 両手が痛そうだった。

「あー懐かし、久しぶりに生のセーラー服見たわ」

『Rin様!セーラー服を脱がさないで

 くださいね?』

「俺は変態じゃねぇよ」

 鈴は何とか死霊を立たす。

「う、ありがとう、ございます」

 死霊はお礼を言ってきた。

 顔にそばかす、色素が薄いのか黒茶色い髪の毛を二つくくりにしている。

 クラスでいうと地味ポジションだろう。

「リン!受け止めれた?」

 女の声の主―まあエフィーのことだが鈴の近寄り、そう聞いた。

「お陰様で」

『サポートは

 私がやり遂げました!』

「よかった、ありがとう」

 じゃあ、早く契もう、と。エフィーは言う。

「あの妖怪にみねうちしてるから鈴、早くこの子と契約してトドメを決めてちょうだい」

「おいおい、そんな重要なこと俺にさせんなって」

『早うしなさいな』

「うるせえ剣」

 鈴は死霊の前に立つ。

 ……。

 …。


「どうやってしろと?」


 はあー、とエフィーはため息をつく。

 いやいや、説明無しでとか無理だって。

「これ読んでやればいいの」

 コピペくれた。

「ふうん…って!読めるかこんな字!」

 めっちゃ昔の字で書いてた。

『私が書いたのです』

「クッソ野郎…!」

 とりあえず、スマホで写真を撮って、ハルに訳させた。

 ふふっ、AI(アイ)にはこんなことまで出来るんだぜ。

「えっと、まずは…?」

 ハルの訳してくれた呪文的なものをスマホで確認。

「…我が名は鈴」

 不慣れな手付きで、スマホを見ながら、人差し指で『鈴』の字を空に書く。

「我の名、そなたの名、互いに(きざ)み合い。互いを結びあう…」

 スマホを見ながら。

 かっこいいことを言いまくっている鈴。

 が、しかし。

「……この後の名前、どうすればいいんだ?」

 そう、この後に、死霊の名前を契むため、名前を呼ばなくてはならないのだ。

「えっ、そんなの。自分で決めるんだよ」

 エフィーが言う。

「そ、そうなのか?うーん……花子ちゃん?」

「……ネーミングセンスなさすぎ」

「スタンダードでいいだろ?」

「でも、いくら何でもスタンダードすぎるわよ!」

『名をもらうことが恥なのに名前まで恥だったら困りますよ?』

 エフィーと虎緒から責めるように言われ。

「…ごめんなさい」

 と、言う。

『かっこいい名前

 で検索しましょうか?』

「いや、いいよ。ありがとう」

 鈴は死霊に近づいた。

「……死霊ちゃん」

「は、はい」

 鈴は平然として。


「…お前の名前、なんだ?」


 と聞いた。

「ちょっと、リン!?」

 エフィーが鈴を呼んだ。

「まさか生前の名前をつける気?」

「わからねぇけど。それがいいんなら」

『いいわけないでしょう。さっさと、自分で考えて名をあげなさい…名をもらうのは、契霊としての恥を少しでも小さくするための言わば飾り―』

「うるせえよ。黙れよ古いガキ」

 鈴はキレそうになりながら絶句丸を睨んで言う。というか、不機嫌そのもの。

『…』

 絶句丸は何も言わなかった。

「……私の名前は、優花。高八木優花(たかやぎゆうか)です。優しい花と書いて。優花」

 死霊―優花は名乗る。

「優しい花、か。アンタらしいな」

 鈴は微笑む。


「高八木さん。アンタは、自分の名前に誇りが持てるか?」


「…私の名前に……誇り…?」

 親からいただいた、大切な名前。

 それに誇りを持てるか。

「…持てます」

 優花は答える。

「……ふっ」

 鈴は笑う。

「じゃあお前は優花だ。自分の名前に誇りを持てるのなら、その名でいればいい」

 鈴の目の前に篆書体の『優』の文字が現れる。




「お前のその誇りは、俺に契ませてもらうよ―」




 鈴には篆書体の『優』の字が。

 優花には鈴手書きの『鈴』の字が。

 互いの右手首に契まれていく。

「…こうやって契まれていくんだな」

 鈴が思わず呟く。

「……ありがとう…ございます」

 優花は泣きそうになりながらお礼を言った。

「いいよ、そんなの。むしろ俺がありがとうだぜ。これからどれくらいの期間か分かんねぇけど。よろしくな」

 微笑みながら鈴は優花にそう言う。

 優花は溢れ出た涙を拭った。

「…はいっ!精一杯、頑張ります!」


 優花の身体が光に包まれた。

ありがとうございました。


何となくで投稿は二日あけてしています。

読みやすい投稿頻度って、どれくらいなんでしょうね?

意見があれば、活動報告とかで教えてくださいm(_ _)m


ちなみに、今日(2016/10/12)気づきました。

ブクマ3件、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ