2日目
「…き……咲っ、早く起きなさい!」
母親の少し慌てている声で目を覚ます。
寝惚け眼でベットの横に置いてある目覚し時計を確認すると……
――やばいっ!
時計の針は完全に学校に遅刻する時間を指差していた。
「どうして起こしてくれなかったのよ!」
急いで学校の用意をし終わった私は、母親がいるであろうリビングに向かって叫んびながら玄
関まで走る。
「ちょっと、咲? 待ちなさい、話が「ごめん、帰ってきてから聞く」
そう言って玄関から飛び出す。
母が何を言おうとしたのかは気になるけど、今は時間がない。
学校の校門の前まで来て、私は違和感を感じた。
(いつも、この時間なら遅刻しそうで急いでる生徒がもっといるはずなんだけど)
明らかに周りを歩いている生徒の数が少ないのである。
今日はなにか特別な行事があったっけ? などと考えている内に教室に辿り着く。
しかし、教室にいる人数もいつもの半数にも満たないほど少なかった。
何かあったのかと、教室の入り口付近にいた割と仲の良い男子に尋ねた。
「ねぇ、何かあったの?」
「あれだよ。隕石の話」
「えっ? 何か関係あるの?」
「昨日の夜テレビでさ、有名な専門家の先生だとかがこぞってこの隕石はこのままいけば地球
にぶつかるって言っててさ」
「それで、みんなそんな時に学校行ってられるか! っていないわけ?」
「そう。俺はまだ信じられないんだけどさ」
いつの間にか地球に危機が訪れていたらしい。
私はどこか人事のように思えた。
46億年もずっと存在していた地球。
それがいきなり滅亡すると言われても、ぴんとこない。
「いつまでしゃべっているんですか。早く席に着いてください」
考えていると、いつ教室に入ってきたのか、先生が教壇に立っていつもの半数以下しかいない
生徒を席に着かせている。
そういえば、私は遅刻寸前だったはずだったのに、先生の方が遅かった……
「みんなはもう知っていると思いますが。今、噂になっている話の件で先生達は職員室で会議
をしていました」
先生が遅れたのは会議の所為だったらしい。
「このクラスを含め、ほとんどのクラスで大多数の生徒が登校を拒否しているという事態が起
きました。
そこで今日は、折角来てくれたみんなには悪いんだけど、学校はお休みになります」
突然の先生の嬉しい発言に、みんなは歓声を上げる。
元々、ここにいるのは噂を信じていない人か、知らなかった人だけだから素直に学校が休みな
事に喜んでいるんだろう。
実際私も、早く家に帰ったら何をしようか考えている。
正直、まだ隕石の話は半信半疑だ。
結局、あの後すぐに帰れた私は、 外に出る気もなかったので、大人しく家に帰る事にした。
今日は家の玄関を静かに開けて入り、
リビングに入ると共に母が駆け寄ってきた。
「もう、咲ったらこんな時まで学校に行かなくてもいいでしょ。
学校は? 今日はもう終わりなの?」
今日はもう帰って良いんだって。そう答えると母は、
「だから朝に言おうとしたのに、あなた聞かないから。
昨日寝てたから知らないと思うけど、昨日の夜のテレビ番組のほとんどが隕石がぶつかるっ
て話で持ちきりだったのよ?」
「その話ならもう聞いたよ」
家に帰って来てまでその話か、と少し嫌になる。
「とにかくその話はわかったから、もういいでしょ?」
でも、という声が聞こえたけど聞こえない振りをする。
正直なんでみんながこんな噂を信じるのかがわからない。
この日は、もう地球滅亡の話も隕石の話もする事はなかった。
やっと、二部目です。
なんだか最後まで書けるか今から心配です……




