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アブソリュート=ゼロ ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
B. 【陸堂家の子猫編】
98/132

10.B【想う力:5】

※前回の続きです。

もちろん、今回も子猫は登場しません。


  ▼▽ (10)


  ある日の夜 (二日目)


 京都府の某所にあるセイントアリオス女子高等学院の暗闇の校内にて。


 陸堂瑛と陸堂翼と影森慶慈と七照院燕彦と裏井沢楓と四豊院奏の六人は、再び別室に戻ってきて、問題になった例の更衣室の暗闇の室内の監視・調査を再開している。


 別室の室内には、他にも生徒会の会長である五喬院(ごきょういん)(あきら)と副会長である篠碕(しのさき)湖織(こおり)の二人も、今夜も一緒に同席している。


 今夜も今のところは、問題になった例の更衣室の暗闇の室内に、特に変わった動きもなく、別にこれといった変なモノも映り込んではいないようだが…。


「また今夜もダメかな?」

「いや、まだだ! まだいけるはずだぞ!!」

「しかし、別に異常などは特にありませんよ。」

「……っ!?」


 翼や奏や燕彦たちが今夜も収穫ゼロなのか、と思い始めてきていたけど、何故か…瑛だけがやはり…何かが違っている。


 やっぱり…アレはなんだ?


 瑛の紅色の右眼には、問題になった例の更衣室の暗闇の室内に、ふらふらと漂い動いている "黄金に光輝く人影" と "白銀に光輝く人影" のふたつが映って見えている。


 その "黄金に光輝く人影" と "白銀に光輝く人影" のふたつが、しばらくの間…室内をウロウロと動き回っていて、やがて室内にある窓からすり抜けるようにして、外に出ていった。


 ……な、なんだと……っ!?


 だがしかし、不思議なことに暗闇の中で、"黄金に光輝く" …だとか "白銀に光輝く" …だとか、言っておきながら…それらが人影になって見えているのが、この中では瑛だけという異常事態が発生している。


「……っ!!?」


 そして、今まで滅多に感情を表情に出さない…あの瑛が、この時ばかりは…かなり驚愕した顔をしている。


 その瑛の異変に翼が最初に気がついた。


「…どうか…されましたか…? …瑛…?」

「…なんだ…アレは…あの異様な物体は一体…?」

「…瑛…っ!?」

「えぇっ!!?」

「なにぃっ!!?」


 瑛の異変に奏や燕彦たちも、ようやく気がつき一時騒然となった。 その後は、その時に瑛が今までに、見たことや感じたことを翼や奏や燕彦たちに、少し説明している。


「 "黄金に光輝く人影" …?」

「 "白銀に光輝く人影" …?」

「………」

「何をバカなことを言っている!? それなら…そんな派手な色ならば…我々の眼にも見えている筈だぞっ!!」

「はい、そうですよ。 僕たちの眼には、別に何も見えませんでしたよ? 瑛」


 すると瑛の説明を聞いた晶と湖織の二人が、ひどく動揺していて物凄く驚いている。


「会長…それって…もしかして…?」

「ええ、私も今それを思っていましたわぁ。」

「………」

「…どうかされましたか?」


「はい、瑛様の今の説明を聞いて、物凄く鳥肌が立ちましたわ。 確か…実際に異変に気がついた生徒の中には、瑛様の言う通りに "黄金に光輝く人影" を見た者や "白銀に光輝く人影" を見た者はいましたわ。」

「ですが、そもそも黄金だとか白銀だとか光輝く人影など、私たちも見たことも聞いたこともありませんでしたわ。」

「はい、あまりにも普通ではなかったもので、私たちもあまり何も聞かずに聞き流してしまいましたけど、実際に黄金と白銀の両方を見たのは、瑛様が初めてですわ。」


「よし…それなら後日、実際に見たと言う生徒たちから、もう少し詳しい情報を聞き出すんだな! 晶よ」

「はい、判りましたわぁ。」


「……瑛……」

「ああ、こいつはもしかして…幽霊や悪霊の類いでは…ないのかもしれないな。」

「何っ!? それでは一体何なんだ!? それは…っ!?」

「いや、それは解らない……だが、それ以上の何かを感じる。 だんだんと面白くなってきたな。 これは…っ!!」

「なるほどな、私も今から楽しみだな。 これも…っ!!」


「では、僕は別角度から調査してみたいと思います。 瑛」

「ああ、わかった」


「ねぇ…今はもういないのよね? 瑛」

「ああ、ふたつとも窓から外に出ていった。」

現在(いま)は…夜中の1時30分だから…瑛が見えていた時間帯は…夕方から夜中にかけて…ということなら…これはもしかしたら…?」


 奏は自分の時計を見ながら、ぶつぶつと何かを言っている。


「どうやら…もう終わってしまったようだな。 楓よ」

「ああ、らしいな。 だがしかし…これからが本番のようだな。 慶慈よ」


 今夜はこれで撤収するようだが…。


 今回は物凄い収穫があり、皆がそれぞれ、それらの正体と目的を暴く為に動き出していた。


  △▲

     ━━━



  一方その頃―――


  東京都の某所


 一珂院家の自宅豪邸のリビングでは、一珂院恭と一珂院撩と一珂院翔の三兄弟がソファーに座っていて、紅茶を飲みながらゆったりと寛いでいる。


「翔よ、それで陸堂翼から連絡があったのか?」

「ああ、今回の依頼も少し困っているようだね。 報酬もたんまりと弾むってさ。」

「ああ、そうかい…瑛の依頼なら、断る理由はない。 それにセイントアリオス女子高等学院か…少し興味もあるからな。」


 その後も三人は話し合っていたけど、もしかして…彼らも出撃するのか!?



※まだまだ次回に続きます。

まぁそれでも子猫は登場しないかもしれないが……?


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