04.B【鳴き声:4】
▼▽ (04)
にやぁー!
前回のある日の夜に、ボクたち子猫と子犬の飼い主である陸堂兄弟とその仲間たちが、〈暗闇の細い道〉での不気味で奇妙な鳴き声がする小さな黒い影の… "幽霊?" …の退治(除霊?)に、失敗してしまった時のお話しをするにゃー!
まずは、陸堂瑛や四豊院奏たちの普段からしている幽霊の退治(除霊)のやり方とは、
① 幽霊を発見する!
↓
②【防御魔法】《霊魂封印結界四陣》を使用し、対象の幽霊の動きを止める!
↓
③【攻撃魔法】《ゴーストマザークリムゾン》を使用し、対象の幽霊を捕縛して所定の場所まで連れていく!
↓
④ 所定の場所に連れていかれた対象の幽霊を、黒色の手鏡や黒色の箱などに封印する!
以上が現場でできる従来の基本的な対処法である。
しかし、今回の幽霊?には、その対処法がまったく通用せずに、残念ながら失敗してしまった。
そこで、今回の対処法の失敗を、陸堂瑛や四豊院奏たちが、それぞれ慎重に分析しており、一体何が駄目だったのか、どうすれば成功するのか、などを思慮・検討している。
にやぁー!
まぁ…瑛は凄く強いから、あまり…敗北や失敗はしたことないだろうに、今回だけは…ちょっと失敗して敗北してしまったようだにゃー!
でも…瑛たちの仕事は、これだけじゃないから、ああ見えて結構…忙しいし、そうそう…アレだけにかまっていられないようだにゃー!
ある日の夜
今夜もまた…陸堂兄弟が仕事で、陸堂家の自宅を留守にしている為、家の中にはボクたち子猫と子犬の動物しかいない。
にやぁー!
ボクたち子猫は夕食も食べ終わり、家の中をさんざん遊び回っていて、もうそろそろ飽きて疲れたので、子猫専用の部屋に戻り、寝る準備をしていると……。
うにぁあー!
しばらくしてから、また…あの鳴き声が聞こえてきていて、もう正直…うんざりしていたけど、今のところは誰もコイツを退治(除霊?)することができない、無敵の存在である。
それに未だに、コイツの目的も不明のままであり、恨みや憎しみからくる怨念なのか、何かの目標を達成できないままで亡くなった未練なのか、そもそもコイツが本当に幽霊なのか、さらに謎が深まるばかりである。
うにぁあー!
また…相変わらずの「うにぁあー!」だけの鳴き声……。
―――だけど、今夜は少しだけ様子が違っていた……。
う…にぁ…あ…
うぅにぃぁあぁ
うふふふ…にぃあ
えっ!?
なんだ? なんだぁー?
すると突然だが、鳴き声の台詞も声の質や音量なども全部変化していき、今までとはまるで別人になっていた。
(それでも何を言ってるのか、解らない!)
そして、同時に小さな黒い影の正体もだんだんと判ってきていた……それは……人間の成人男性の生首で、額からアゴにかけて…かなりの量の流血をしており、目玉がくり抜かれているのか、なくなっていて…黒くなっていた。
にやぁーっ!!
これは…完璧に幽霊だっ!! しかも、凶悪霊化寸前の幽霊だっ!!
これなら従来のやり方では、通用しない……何故なら、普通の幽霊よりも明らかに霊力・妖力などの力が強いからである。
納得したにゃー!
うふふふ、にぃあ
うぅにぃぁあぁ
う…にぁ…あ…
うにぁあー!
にやぁー!
あっ! 元に戻ってきた!
どうやら、再び元の不気味で奇妙な鳴き声に戻り、生首の方も小さな黒い影に戻り、そのままスゥーッと消えてしまった。
翌日の朝
陸堂瑛と陸堂翼の二人の兄弟が、仕事から陸堂家の自宅に帰ってきていた。
早速だが、二人はシャワーを浴びて汗や汚れを洗い流し、自分の部屋着にそれぞれ着替えていて、二人共にリビングのソファーに座り、コーヒーを飲みながら寛いでいた。
「………」
「前回は失敗しましたね。」
「ああ、とてもいい経験と参考になったよ。」
「今夜の予定をあけておきましたが、早速…リベンジしますか? 瑛」
「ああ、そうだな。 前回のメンバーをまた召集してから、新たなメンバーも呼ぶか? 翼」
「はい、判りました。」
「……それと今回はあの援軍も呼ぶか? 翼」
「……え、彼も呼ばれますか? 瑛」
「…ああ…」
「はい、判りました。」
にやぁー?
彼…? 援軍…?
リビングで遊んでいる子猫のアキラが、陸堂兄弟の会話に不思議そうな顔をして、首を傾げていた。
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次回に続きます。
(※まだ、ひとつ目のお話しが続いている最中です)