表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アブソリュート=ゼロ ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
B. 【陸堂家の子猫編】
91/132

03.B【鳴き声:3】

  ▼▽ (03)


 にやぁー!


 ボクたち子猫の方も、さすがに眠くなってきたので、子猫専用の部屋に戻っていった。




 ある日の夜


 陸堂家の自宅には、陸堂瑛、陸堂翼、四豊院奏、三葉院真純、三葉院将和、七照院燕彦、二爽院静花、梶崎愛莉の八人がリビングに集まっていて、なにやら話し合っていた。

 ちなみに、他の六人もいずれも陸堂兄弟同様に、魔法学校に通学している生徒である。


 リビングのテーブルの上には、八人分の洋菓子やコーヒーが入った白色のカップが置いてあり、全員がソファーに座って寛いでいる。


「ふーん、不気味で奇妙な泣き声ねぇー」

「………なにそれ?」

「はい、それがちょっと…自然界で聞ける泣き声では…ないそうです。」

「……自然界って……」

「ねぇ、それって…ちょっとヤバくない?」

「………幽霊ですの?」

「……ヤバそうですかね? ……静花様」

「それは心霊現象なのか? ……瑛よ」

「さぁな、それを今から調べるのだよ。」


 うにぁあー!


 すると…今夜も、あの薄気味悪い声の不気味で奇妙な鳴き声が、突如として聞こえてきていた。


「……っ!!?」


 瑛たち八人が、この謎の鳴き声を聞いて、大変驚愕しており、言葉を失っていた。

 確かに、普通の動物の鳴き声ではなく、また普通の人間の赤ん坊の泣き声とも違う認識であり、間違いなく、この自然界で発声するであろう、どの鳴き声・泣き声にも該当しないと思うからである。


 うにぁあー!


 ならば……これはまさしく……苦痛に満ちた幽霊の唸り声……っ!?


「………ちっ!」

瑛は思わず舌打ちをしてしまった。


「……瑛……」

「……これは……相当厄介ですよね……?」

「なるほどね、確かに普通じゃないわね。」

「では……これからどうしますの? 奏さん」

「奏よ、一体どうするつもりなのだ!?」


 うにぁあー!


「おい、全然準備してないぞ! どうするつもりだ! 奏!」

「……どうするの? 奏」

皆…少し狼狽(うろた)え始めている。


「そうね、少し準備が必要かもね。 もし仮に本当に幽霊だった場合、非常に危険だよ。」

「……危険……?」

「ええ、これはもしかして、悪霊化寸前の変化の声……?」

「なら、今夜はやめとくか?」

「なるほど、それなら……今夜は様子見なのか? ……瑛よ」

「ああ、そうだな。 今夜はこのまま様子を見るだけにしようか。」

「ええ、そうね。 今夜は様子見ね。」

「……わかった……」


 突如として発声してきた不気味で奇妙な、この謎の鳴き声をした幽霊?を相手に、瑛たち八人は何ら対策をしておらず、残念ながら…今夜は様子を見ながら、その幽霊?の正体を探り出し、解散してしまった。





 翌日の夜


 陸堂家の左側の家の左側にある細い道には、昨夜…陸堂家の自宅の中で集合した瑛たち八人が、今夜も集合していた。

 瑛はヘンテコな形をした黒色の手鏡を持っており、奏の方はなにやら黒色の箱を持っていて、一体何をする物なのか…まだよく解らない。


 にやぁー!


 ボクたち子猫は、子猫専用の部屋の窓から、飼い主たちの様子を眺めていた。


 …何やってるのかにゃー? あそこは確か…あの謎の鳴き声がしてきた…細い道だけど…?

 にやぁっ!? もしかして…アレを…退治するつもりなのかにゃっ!?




   〈暗闇の細い道〉

 瑛、翼、静花、愛莉の四人は、細い道の奥の方に立っていて、奏、将和、真純、燕彦の四人は、細い道の手前(大きな道路側)の方に立っていて、既に準備が完了しており、後はその瞬間(とき)を "待つのみ" となっていた。

(※暗闇の細い道に照明を設置済)




 うにぁあー!


 しばらくすると、また…あの謎の鳴き声が聞こえてきていて、同時に…小さな黒い影も出現してきていた。


 にやぁー!


 また出てきたにゃー!


 やっぱり…とても不気味で奇妙な存在であり、生命体や生気などもなく、それが幽霊?なのかも解らない状態で、未だに何ら対策などもない。


 うにぁあー!


「……遂に出てきたか?」

「これは…予想以上なのが、出てきましたね。」

「なんだ!? こいつは!?」

「さぁ、さっさとやっちゃうわよ! 皆」

「ああ!」

「はい!」

「ええ!」

「はーい!」


 早速だが、真純、将和、静花、愛莉の四人が、小さな黒い影を中心に四隅に配置して、魔法発動の構えをしていた。


【防御魔法】

《霊魂封印結界四陣》を使用


 四人が魔法を発動させると、小さな黒い影の動きを止め―――られない!?

 なんと! 小さな黒い影が、まるで何事もなかったかの様に、動き続けていた。


 うにぁあー!


「な、なんだとっ!?」

「そんなバカなっ!?」

「なんだ……これは……?」

「まるで通用しないのか?」


 予想外の展開に、瑛たち八人は大変驚愕しており、立ち尽くしていた。


「………ちっ!」

「それなら…これはどお!」

奏は魔法を発動した。


【攻撃魔法】

《ゴーストマザークリムゾン》を使用


 奏の身体から「長身で紅い女性の幽霊」が、飛び出していき、小さな黒い影を捕縛しようとしたが、なんと…すり抜けてしまった。


「………えぇっ!?」

「……効かない……のか?」

「嘘!? こんなの初めてですわ!?」

「………むむっ!!」

魔法が全く通用しない幽霊?に、凄く苦慮していた。


 うにぁあー!


 すると…突如として、小さな黒い影の存在が、再び消えてしまった。


「……失敗したか……」


 瑛の言う通り、今夜の幽霊?への対策や対処は、完全に失敗してしまった。


  △▲

次回に続きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ