86.第一高校編[三学期]【卒業式】
【アブソリュート=ゼロ】
第一高校編[三学期]
【卒業式】
※今回は『会長会』の行事が無事終わった後の出来事をお話しします。
登場人物
①一珂院 恭(3年A組)
②一珂院 撩(2年A組)
③一珂院 翔(1年A組)
④一珂院 桜(1年A組)
⑤北芝 璋(1年B組)
⑥北芝 泉(1年B組)
⑦細津 花苗(1年C組)
⑧細貝 香菜穂(2年C組)
⑨細市 果奈子(3年C組)
⑩細宮 将芳(2年C組)
⑪蔡 命輪(2年A組)
⑫糸井崎 晃嗣郎(3年B組)
2月
ある日の夜
東京都の一珂院邸
豪邸内のリビングにて
一珂院恭と一珂院撩と一珂院翔の三兄弟は紅茶を飲んでゆっくりと寛いでいた。
②「……」
①「うむ それにしても見事だったな。」
③「………何が?」
①「何が……ではない。 陸堂瑛のコトだ。 翔よ」
②「……」
③「でも…何で撩兄じゃないんだよ? 恭兄」
①「さぁな そんなことは日本政府にでも言ってくれ!」
②「翔よ 簡単なコトさ 彼の方が日本政府に信用あるからな それで選ばれたのだろう。」
①「そういうことだ 我々とは違って彼らは仕事も依頼主も選ばないからな なかなかのプロ意識だよ。」
③「そんなの……こちらの方も同じ様なコトをすればいいんじゃないのか?」
②「それでは彼らと同じなのだよ それに差別化をしたいのであれば他人と同じことをやっても仕方がないのだよ。 …翔よ」
①「そうだな 今回は陸堂瑛の方が日本政府にウケが良かったのだろう。」
③「……ウケね……」
②「……不満か? 翔」
③「だって悔しくないのか? 撩兄は…陸堂瑛って言うライバルに遅れを取られたんだぜ?」
②「…悔しい…? ふふふ 翔よ お前も一珂院の人間ならばそんな感情はさっさと捨てろ!」
①「ああ その通りだぞ! …翔よ 少なくとも生きている間は……な!」
③「……?」
②「『悔しい』とか『後悔』とかは俺たちの世界に必要ない言葉だ。 …翔よ おそらくは陸堂兄弟にもない言葉だろうな。」
①「そんな感情を持ったままだといつまで経っても強くはなれんぞ! …翔よ」
③「そんな滅茶苦茶な?」
①「翔よ 我々は『卑怯』だとか『卑劣』だとかで通っているのだ。 それぐらいで……。」
②「ふふふ それに『勝敗は兵家の常』……勝つときもあれば負けるときもあるだろう! そんなことをいちいち気にしていたら身がもたないぞ!」
①「その通りだぞ! 人間なのだから生涯連戦連勝と言う訳にはいかない! 今回は負けても次は勝てばいいのだ!」
③「……でもやっぱり 無敗の方がいいのでは…?」
②「ははは ではお前は頑張って勝ち続けろ!」
①「ははは そうだな」
③「……うぐっ……」
②「まぁ お前の言いたいことはわかる……要するに『最後まで諦めるな!』…と言いたいのだろう!?」
①「それは精神論だな 逆に無理をして身体を壊しては元も子もないのだよ!」
③「……」
②「まぁ いずれお前にもわかるときがくるさ。 今はまだ気にするな。 …翔よ」
①「ふふふ そうだな」
③「ふぅーん そお?」
恭と撩と翔の三人はその後も談笑しながら紅茶を飲んで寛いでいた。
……………
日本魔法学部第一高校(東京都)
ある日の昼
校内のある廊下にて
北芝璋と北芝泉と細津花苗と一珂院桜と細貝香菜穂の五人は立ち話をしていてハタから見ると璋はハーレム状態であった。
⑧「はぁー もうすぐで三学期も終わりだね。」
⑥「はい そうですね。 これで私たちも遂に2年生ですね。」
⑦「はい そうですね。 一年間なんてあっという間ですね。」
④「ええ そうね それにもうすぐ卒業シーズンよね。」
⑤「桜…恭先輩はこの後はやっぱり理事長に就任なのか?」
④「うん でも『世界魔法評議会』からも声かけられているんだって 凄いよね」
⑧「へぇ~ そうなんだねぇー さっすがぁー」
⑥「え? では恭先輩は理事長をしながら『世界魔法評議会』でお仕事を?」
③「ああ その通りだ」
そこに一珂院翔が現れて合流してきた。
⑧「……」
④「翔!」
⑤「…翔か…」
⑥「…翔くん」
⑦「え? でもそれでも結構大変ではありませんか?」
③「まさか 恭兄にとっては容易いことだよ。 今までも複数の役職を同時にこなしてきた人だからね。」
⑥「なるほど 確かにそうですよね。」
⑧「それは言えてるわね。」
④「うん そうよね 他にも陸堂瑛さんや八陀院蒼依さんや九道院将晴さん方も見事に同時にこなしてきたしね。」
⑤「うん やっぱりデキる人たちは一味違うな。」
⑧「ええ! そうね!」
③④「うん!」
⑥⑦「はい!」
その場にいた全員が璋の発言に頷いていた。
その後も六人は立ち話を続けていた。
……………
ある日の放課後
校舎にある屋内プールにて
水泳部が部活動中で部員たちが練習中のなか―――
部長の糸井崎晃嗣郎と副部長の細市果奈子の二人が別の所でなにやら話していた。
⑫「さてと 次回の部長は一体誰にするか?」
⑨「えぇ そうねぇ~」
⑫「まさか…今の1年生に部長をやらせる訳にはいかないだろう?」
⑨「……と言うことは今のままだと消去法からいって "夜内精太郎" かしらねぇ~?」
⑫「…ああ…彼か…?」
⑨「でも…他に適任者はいないでしょ?」
⑫「…ああ…確かに…な」
⑨「…何? 何か…引っ掛かることでも…?」
⑫「…ああ…まぁ 大丈夫だろうな……が?」
⑨「?」
⑫「いや 新部長の件はもう少し考えさせてくれ。」
⑨「え? でも…もうあまり時間はないわよ?」
⑫「ああ わかっている……だが頼む……少し待ってくれ…」
⑨「…わかったわ では決まったら教えてね」
⑫「ああ わかった」
その後も二人は話し合いを続けていた。
……………
日本魔法学部第一高校でも当然だが進級試験の季節がやって来た。
基本的には第一高校の生徒である主要な登場人物はそのほとんどがそれほど頭は悪くなく難なく進級試験をクリアできる様である。
一珂院撩と細宮将芳と細貝香菜穂と蔡命輪の四人は普通に進級試験を合格して3学年の進級を決めた。
一珂院翔と一珂院桜と北芝璋と北芝泉と細津花苗の五人も普通に進級試験を合格して2学年の進級を決めた。
第六高校の黒澤愁も既に3学年の進級を決めており ちなみに "夜内精太郎" も進級を決めていた。
[後日の感想]
②「ふふふ 良かったな 将芳 進級できて」
⑩「ふん まぁな」
⑪「……」
一人も脱落せずに全員が進級できた。
……………
3月[三学期]
《卒業式》
日本魔法学部第一高校の卒業式が行われて一珂院撩率いる新生徒会が司会進行を受け持った。
1.卒業生入場
2.校長の挨拶
3.各賞賞状授与
『最優秀生徒賞』
一珂院恭が選ばれて賞された。
『魔法水泳大会』
【総合優勝】を評して特別賞として『理事長賞』を水泳部に授与。
4.卒業証書授与
5.在校生祝辞 代表:一珂院撩
6.卒業生挨拶 代表:一珂院恭
7.生徒会会長送辞(一珂院撩)
8.卒業生退場
校庭にて全員集合
②「ふふふ お疲れさん 恭」
①「ちっ 相変わらず…手厳しいなぁ …撩よ…」
③「先輩方 卒業おめでとうございます。」
④「先輩方 卒業おめでとうございます。」
⑤「先輩方 卒業おめでとうございます。」
⑥「先輩方 卒業おめでとうございます。」
⑦「先輩方 卒業おめでとうございます。」
⑧「先輩方 卒業おめでとうございます。」
⑩「先輩方 卒業おめでとうございます。」
⑪「先輩方 卒業おめでとうございます。」
撩以外の下級生は全員揃って挨拶をしていた。
⑫「ああ ありがとう そしてさようならだな 皆」
⑨「ええ ありがとね そうね 水泳部の皆はあとはよろしくね 来年も必ず……ね。」
⑤⑥⑦「はい!」
①「ああ そうだな 次に狙うは連覇だな」
⑪「……連覇ですか?」
②「ふふふ そうだな まぁ 取り敢えずは…おめでとう…だな。」
⑩「…ああ そうだな…」
こうして『日本魔法学部第一高校』の【卒業式】を無事終える事ができた。
卒業生
一珂院 恭(3年A組)
糸井崎 晃嗣郎(3年B組)
細市 果奈子(3年C組)
新3年生
一珂院 撩(2年A組)
細宮 将芳(2年C組)
細貝 香菜穂(2年C組)
蔡 命輪(2年A組)
黒澤 愁(2年A組)
新2年生
一珂院 翔(1年A組)
一珂院 桜(1年A組)
北芝 璋(1年B組)
北芝 泉(1年B組)
細津 花苗(1年C組)
―――――――
【卒業式】
今回のお話しは日本魔法学部第一高校の進級試験・卒業式がメインとなり前回のお話しの続きはなく内容の説明などは一切話題にならないようにしました。
『第一高校のその後』
1.『最優秀生徒』である一珂院恭は卒業後は第一高校の理事長に就任して さらには『世界魔法評議会』の日本支部の事務官にも内定が決定している。
2.『生徒会長軍』の護衛対象は一珂院恭→一珂院撩に変更。
3.第六高校の黒澤愁は3学年から第一高校に通学する。
※風紀委員会の委員長は一珂院撩→黒澤愁に変更予定。
※愁は『生徒会長軍』に入部予定。
『魔法水泳大会』
[結果編]
日本魔法学部第一高校は今回の大会で総合優勝していますのでその結果である成績を紹介します。
[第一高校:順位表]
【総合優勝】
1【個人戦】
《自由形》
[北芝璋 :1位]
《平泳ぎ》
[細津花苗 :4位]
《背泳ぎ》
[糸井崎晃嗣郎:2位]
《バタフライ》
[北芝泉 :3位]
2【団体戦】
[第一高校 :1位]
3【魔法旗争奪戦】
[第一高校 :1位]
4【水魔法戦】
[北芝泉 :1位]
【噂の真相】
※「一体何なのか判明せず?」
結論から言うとまだ何も解決できていない。
実際に四豊院奏や七照院燕彦たちが今回の出来事の解明・解決に乗り出しているが残念ながらまだ解決どころか解明すらされていないのが現状であり今後も継続するつもりである。
奏や燕彦の行った内容は企業秘密らしくて他言無用である為に関係者も何も話す事ができずにいて話題になっていない。
前回のお話しの続きはいずれまたの機会である。
登場人物紹介
細宮 将芳
(ほそみや まさよし)
年齢:17歳
身長:180cm
誕生日:6月6日(双子座)
千葉県出身
趣味:縄跳び.ランニング
在籍:2年生(2年C組)
所属:風紀委員
家族構成:???
一人称:[俺]
日本魔法学部第一高校の男子生徒。
成績は普通(実はそれほど悪くない)
運動も普通(実はあまりやる気を見せないだけ?)
魔法実技は苦手(当然だが魔法にあまり興味がない?)
現在は自宅から離れていて第一高校の男子寮に住んでいてそこから学校に徒歩通学している。
性格は淡白・自身の向上に余念がないが自身に関係ないモノには興味を示さない。
戦闘能力は格闘技による近接戦が主体で圧倒的なパワーとスピードを持つ。
彼の拳は強力で攻撃魔法を跳ね返せる程の威力がある。
家族についての詳細は不明であり両親は健在のようだがそれ以外についてはまだ不明で実は普通学校に入学するつもりだったが諸事情で断念した経緯がある。
現在はスーパーライト級のプロボクサーで東日本新人王戦に優勝しており日本チャンピオンにもなっているが世界ランキングはまだトップ10入りしていない。
一珂院家が所有しているプロボクシングジム『一珂院ジム』に所属していてなかなかいい成績を残している一方で仕事の手伝いもしている。
日本タイトル戦の1回目の初防衛にも成功している。
現在は風紀委員会に所属している。
また階級が違うのであまり重要視していないが影森慶慈や裏井沢楓のことは知っている。
陸堂兄弟についても一珂院撩に基本的知識は聞かされている。