65.第二高校編[一学期]【呪術と怨霊】
[第二高校版]
怖い話 怪談『呪術と怨霊』です。
ある男子生徒が体験した大変恐ろしい出来事のお話しです。
……さて 一体どうすればいいのか…?
※『真夜中に決して一人だけで見ないでね。』
【アブソリュート=ゼロ】
第二高校編[一学期]
【呪術と怨霊】
登場人物
●第二高校
①八陀院 凌(2年C組)
②八陀院 蒼依(3年A組)
③園八林 みなみ(2年B組)
④池幡 剛太(2年B組)
⑤エミリ・ハングヴァーグス(1年B組)
⑥エミル・ハングヴァーグス(1年B組)
⑦黒峰 豪太(1年C組)
●第七高校
⑧陸堂 翼(2年B組)
⑨陸堂 瑛(2年B組)
●第三高校
⑩七照院 燕彦(3年A組)
●第四高校
⑪四豊院 奏(2年A組)
黒峰豪太は今回の自分自身や仲間たちに起きた奇妙で不思議な体験を静かに話し始めた。
豪太の不良仲間で一人の男子生徒が突然 学校を休んでいた。
その彼は凄い高熱に軋むような身体全体の痛みに倦怠感 それと鬱的な喪失感などなどの症状があり寝込んでしまい病院で診察しても原因不明であり約10日間はその症状が続いていた。
最早どうしようもない状態であった。
それに他の不良仲間にも直接関係があるのかどうかは解らないのだがケガをしたり不幸に見舞われたりしていた。
そして遂に豪太も困り果てていて八陀院凌たちに相談したのである。
日本魔法学部第二高校(奈良県)
7月[一学期]
ある日の午後
生徒会室にて
放課後
室内には前回の時のように八陀院蒼依と園八林みなみと池幡剛太とエミリ・ハングヴァーグスとエミル・ハングヴァーグスと黒峰豪太と八陀院凌の七人は所定の位置(席)についていた。
豪太がその奇妙で不思議な出来事の内容を一通り説明すると他の者たちも話しかけてきた。
①「ふむ なるほどな」
②「ほう そいつは大変だね」
③「でも その彼は一体何の病気なのかしらね?」
④「うーむ? さっぱり解らんなぁ。」
⑤「なんか…ゼンゼン解りませんね。」
⑥「ンー? ナゼですかね? 疑問ですね。」
⑦「……」
①「…で 俺たちにその原因を探れ…と言うことなのか? 豪太よ」
⑦「はい 何か心当たりがあれば…と思いまして…何かありますかね?」
①「……」
凌は少し考え込んだ。
②「でも その彼は何かの病気なんだろう? 豪太くん」
⑦「…それは解りません 他に何か原因があるのでは…?」
④「そうか やはり原因不明なのか?」
①「ん? …もしかして…霊障なのか…?」
⑦「…っ!?」
③④「…霊障…?」
⑤⑥「レイショウ?」
②「……」
①「ああ そうだ 霊障とは怨霊や悪霊などに取り憑かれた人の体調や精神などを不具合・不調にする現象の事だな。」
④「では幽霊がその彼を苦しめているのか? 凌」
③「幽霊? やめて! 言わないで! 苦手なの!」
みなみは驚いて両手で両耳を塞いでいた。
②「でもさぁー 凌 これは霊障とはちょっと違うのではないのか?」
④「何? 違う? 霊障じゃないのか?」
⑦「えっ!? 違うんスか?」
①「ああ 確かに これは霊障というよりは呪術で起きている現象なのかもしれないな。」
④⑦「…呪術…?」
⑤⑥「ジュジュツ?」
③「……」
みなみは両手で両耳を塞いで眼を閉じて じっとしていた。
②「うん そうだね 僕もそう思うよ これは霊障というよりも呪術の方がどちらかというと近いかもね。」
⑦「あの 呪術というのは一体…?」
①「えっ? 知らないのか? 呪術というのは生きている人間が憎い相手や殺したい相手などに呪いをかけて苦しめる怨念の一種だな まぁ 解らなかったら後は自分で調べろ。」
⑦「あっ はい 判りました」
②「でもね 豪太くん 呪術の場合だとかけた側の方にもリスクを負うことがあるよ 最悪 自分でかけた呪いが自分自身に跳ね返ってくる事もあるから 結構 覚悟がいるよ。」
⑦「そ そうなんスか?」
④「そ そうなのか?」
②「そこまでして…?」(小声で独り言)
①「だがな 呪術だとするとやはり そのような専門的な知識がないと対応できないな 下手をするとこちらにまで危険が及ぶからな。」
②「そうだね その場合はそういう関係の知識が高くて霊力も強い人に頼むべきだろうね。 僕たちの知人としては……」
①「そうだな 『第四高校の四豊院奏』『第三高校の七照院燕彦』『第七高校の陸堂瑛』あたりが該当するな。」
④「ふむ 彼らか…強烈だな」
⑦「……」
②「では 早速彼らに連絡して依頼してみるかい? 豪太くん」
⑦「はい お願いします。」
①「ああ 俺もそれがいいと思うな 彼らは凄いからな。」
②「うん わかったよ」
④「……」
③「ねぇ もう終わったの?」
⑤「ンー? アーー」
⑥「終わったよー みなみ」
③「…ほっ よかった」
みなみは眼を開けて両耳を塞ぐのをやめた。
その後も生徒会室では複数の声が聞こえていて話し合いが続けられていた。
……………
後日
八陀院蒼依は四豊院奏と七照院燕彦と陸堂瑛の三人にそれぞれ連絡・説明していて今回の出来事の対応・対処を依頼しており三人共に了承した。
ある日の夜
第二高校では八陀院凌と八陀院蒼依と黒峰豪太の三人が例の出来事に参加する事になり合流地点では第四高校の四豊院奏と第三高校の七照院燕彦と第七高校の陸堂翼と陸堂瑛の四人がいて七人が合流したのである。
②「やぁ 皆さんどうも 今回はご協力していただいて ありがとうございます。」
⑨「…仕事か? 蒼依」
⑧「どうもです 蒼依さん」
⑪「うん どうもだよね 蒼依ちゃん」
⑩「おお どうもだな 蒼依よ」
①「ふん 蒼依 やれやれだな こいつは相当な戦力を集めたものだな。」
⑦「…」(ポカーン)
豪太はただ立ち尽くしていた。
そこに蒼依が合流した皆に豪太を紹介していた。
②「それとお披露目だね 彼は僕たちの後輩で黒峰豪太くん 今回の依頼主だよ。」
⑦「黒峰豪太です どうも宜しくお願いします。」
⑪「どーもねぇー 豪太くん」
⑩「おお 宜しくな 豪太くん」
⑧「どうも宜しくお願いします 豪太くん」
⑨「…どうも…」
②「では 早速近くにある現場に行こうか 皆」
①「ああ そうだな」
凌たち七人は原因不明の体調不良を訴えている豪太の不良仲間の家に歩いて向かった。
……………
奈良県の某所にて
その不良男子生徒の自宅
第二高校の学校近くの一軒家で現在 彼は両親と弟の家族四人で暮らしている。
早速凌たち七人はその彼の家の中に入っていった。
まず豪太は彼の両親たちに一礼して挨拶した。(弟はもう寝ているようだ)
⑦「おじさん おばさん どうもッス」
続いて凌たち七人は彼の部屋の中に入っていったのだが 凌たちが部屋に入った瞬間…!
①「…っ!?」
②「…っ!?」
⑧「…っ!?」
⑨「…っ!?」
⑩「…っ!?」
⑪「…っ!?」
凌・蒼依・燕彦・奏・翼・瑛の六人は急に真顔になって驚愕していた。
⑦「…? どうしたんスか? 先輩方?」
②「なぁ 豪太くん 彼には姉や妹はいないんだよね?」
⑦「え? あっ はい いないッスけど?」
①「…ちっ!」
⑩「これは…?」
⑪「確かにヤバイわね」
⑧「…なるほど」
⑨「……」
豪太の友達…
つまり彼の部屋(弟は別部屋)は就寝用の小さな明かりであり中に入ると入口から左端奥に勉強机があり中央奥に窓があり右端奥にベッドがありそこに彼が窓側に頭を向けて苦しそうに眠っている。
そのベッドの左横には "少女" がいて彼を見ていて その少女には "影" がないようであり 豪太以外の全員がそう視えていた。
その少女は凌たちの方を見ていてニコリと笑ってフッと消えてしまった。
⑪「あちゃー これは非常に危険だよね。」
⑩「ふむぅ これを一体どうやって ヤるかだな。」
⑧「瑛 一応 結界だけでも張っておきますか?」
⑨「ああ そうだな」
⑪「うん そーだね」
そう言うと奏は漆黒の御札を取り出して彼が寝ているベッドの四隅に置いていた。
奏は魔法を発動した。
【防御魔法】
《霊魂封印結界四陣》を使用
ベッドの四隅に置いてある漆黒の御札が奏の魔法発動に反応して光り出しベッド全体が霊的結界で覆われていて呪術を防ぐ役目を果たす。
⑪「これで呪術の方はなんとかなるはずだよ。」
⑩「この呪術に関して言えば それほど強力なモノではないようだな この程度の結界で十分に護れるはずだな。」
⑧「はい そうですね そしてこの呪術に効果がでなければきっと かけた側の方に跳ね返るはずですからね。」
②「はい あの程度の呪術であれば問題ないでしょうね でも 問題なのが あの―――」
⑦「…? あの?」
①「豪太 お前には視えていないようだが 彼には "怨霊" が取り憑いている。」
⑦「えっ!? 怨霊…?」
⑨「ああ しかもかなり強力な怨霊のようだな それこそ呪術などとは比べモノにならないぐらいの怨霊だぞ。」
⑦「そ そんなに…? そんなモノがこいつに…?」
⑪「これは祓うのにかなり骨を折りそうだよ。」
⑩「ちっ! しくじったな! 呪術関係の対応しか用意していなかったぞ!」
⑦「そ そんなに凄いんスか? その怨霊って…?」
①「ああ あの怨霊こそ 不用意に近づいてはいけない! 油断をしているとこちらが喰われてしまうからな!」
⑪「でも あの怨霊は彼をまだ取り殺そうとはしていないみたいだと思うけど…?」
⑧「ええ 僕もそう思いましたけど 何故…?」
②「僕もだよ 一体何故なのか?」
①「まぁ 取り敢えず 様子を見てみるか?」
⑩「だが そうは言っても あまり悠長なコトもやっていられないと思うが…?」
⑪「うん できるだけ早くなんとかしないとね ボクも対策を考えてみるよ。」
⑨「ああ 俺も何か作戦を考えておくよ。 なぁ 翼?」
⑧「はい 瑛」
⑦「そ そうッスか…」
⑪「豪太くんにコレを渡しておくね。」
そう言うと奏は豪太に漆黒の御札の首飾りを5つほど渡していた。
⑦「…?」
⑪「コレを彼の首にかけておくと呪術を防ぐコトができると思うよ 後はベッドの御札もそのままにね。」
⑦「はい 判りました あいつに言っておきます。」
⑪「宜しくね 彼の生命に関わるコトだからね。」
⑦「はい」
⑩「それと彼には怨霊のコトは言わなくていい 後はキミが彼を監視して 何かの変調・不調があればすぐに我々に連絡をしてくれ。」
⑦「はい 判りました あの それで怨霊と言うのは…?」
⑨「それは聞かない方がいいな むしろ 視えない方が幸運かもしれないな。」
⑦「…はぁ そうッスか…」
②「それでは今晩はもう引き揚げようか?」
①「ああ そうだな」
⑨「…」(瑛は寝ている彼の方を見ていた)
そう言うと凌たち七人は彼の部屋を出ていき 豪太は彼の両親に挨拶と一礼をして 七人は彼の家を出ていって帰宅したのである。
その後はその呪術にかけられていた不良男子生徒は徐々に体調・体力を回復させていき さらに歩けるようにもなり学校にも行けるようになってきていて呪術の力も弱まったようである。
一方の強力な少女の怨霊についてはそのまま彼に取り憑いたままである。
―――――――
【呪術と怨霊】
※今回の設定
1.対象者は第二高校の1学年の不良男子生徒で豪太の友達。
2.既に彼の両親には夜間の自宅訪問の了承を得ている。
3.参加者全員の都合上 実際の作業は7月の最後の方となった。
4.参加者の対象者(彼)の家での滞在時間は約15分。
『今回の怪談』
「No.5」【呪術と怨霊】
時間:一日中
場所:第二高校のある男子生徒の周辺のみ
外見:呪術に外見はない・怨霊は中学生ぐらいの少女であり 昔の古い制服を着ている
現象:呪術は対象者の苦痛.破壊.奪取…・怨霊は今のところは特に何もしないみたい…
結果:呪術は即座に対応していてその効果を無効にした・怨霊はあまりにも強力な為に今のところは対応できない
備考:なんと呪術と怨霊の同時攻撃! もし瑛や奏たちがいなければどうなっていたのか…?
(呪術)
恐怖度:★★★☆☆
危険度:★★★☆☆
(怨霊)
恐怖度:★★★★★
危険度:★★★★★
『今回の幽霊』
【呪術】
幽霊ではない。
生きた人間が対象者に恨み・憎しみ・殺意などの全ての負の感情を呪いにした行為である。
呪いの種類は通常のやつであり身体の苦痛→精神の破壊→生命の奪取の順番でその対象者を殺害する。
呪いの為に大きな外傷はなく術者を見つけにくいのだが呪術を無効にされると術者に跳ね返っていく。
今回はまだ初期段階の身体の苦痛であった為にそれほど強烈なモノでもなかったようで術者も不明である。(奏たちには特に興味を持たれていない様子…)
【怨霊】
第二高校のある不良男子生徒に取り憑いている少女の怨霊である。
外見は長い黒髪に茶色の冷たい瞳で中学生ぐらいの女子生徒であり昔の古い制服を着ている。
頭から血まみれであり制服も赤く染まっていて両腕・両脚・影がなく浮いている状態である。
視えている者に衝撃を与えるその姿は非常に強力な力が宿っており人間一人を簡単に取り殺せるほどである。
しかし 何故か取り憑いている人間にはまだ何もしていない様子…。
瑛や奏たちも今のところはこの怨霊に対しての対応・対策がない為に解決を模索すると同時に様子を見ることにしている。
『今回の参加者』
豪太の不良仲間の一人に起きた奇妙で不可解な出来事の解決に参加した者たちを紹介する。
◇黒峰豪太…当事者の一人なので参加(幽霊や呪いはあまり信じていない)
◇八陀院凌…主人公で主力の一人なので参加(霊力・霊感は強い)
◇八陀院蒼依…興味を持ち戦力になるので参加(霊力・霊感は強い)
◆園八林みなみ…幽霊嫌いなので当然不参加
◆池幡剛太…用事があるので不参加
◆エミリ・ハングヴァーグス…興味がないので不参加
◆エミル・ハングヴァーグス…興味がないので不参加
◇陸堂瑛…蒼依の依頼.仕事のひとつとして参加(霊力・霊感は強い)
◇陸堂翼…瑛に同行している為に参加(霊力・霊感は強い)
◇七照院燕彦…蒼依の依頼.呪術の経験を積む為に参加(霊力・霊感は強い)
◇四豊院奏…蒼依の依頼.呪術専門なので参加(霊力・霊感は強い)
登場人物紹介
園八林 みなみ
(そのやはやし みなみ)
年齢:16歳
身体:165cm
誕生日:12月28日(山羊座)
3サイズ:B82/W58/H83
奈良県出身
趣味:読書.ショッピング
在籍:2年生(2年B組)
所属:風紀委員
家族構成:???
一人称:[私]
日本魔法学部第二高校の女子生徒。
成績・運動・魔法共に普通であり特に不得意はない。
普段は普通で真面目に授業を聞いているようである。
性格は普通の女子高生の感性や感覚であり特に戦闘や幽霊や昆虫など苦手が多い少女である。
彼女は学校近くの園八林家所有の自宅に住んでいてそこから学校へ徒歩通学している。
戦闘能力は特になく戦闘経験もまったくない。
奈良県の名士.八陀院財閥の分家である名家・園八林財閥のご令嬢であり八陀院凌や八陀院蒼依とは親族・親戚関係にあたる。
現在は風紀委員会に所属している。
親族・親戚である凌や蒼依が凄すぎる為に勘違いしがちであるが彼女自身はいたって普通の女の子であり格闘能力も攻撃魔法も一切ない。