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63.第二高校編[一学期]【一族会合】

【アブソリュート=ゼロ】

  第二高校編[一学期]

   【一族会合】



登場人物

①八陀院 凌(2年C組)

②八陀院 蒼依(3年A組)

③園八林 みなみ(2年B組)

④黒峰 豪太(1年C組)

⑤エミリ・ハングヴァーグス(1年B組)

⑥エミル・ハングヴァーグス(1年B組)



 日本魔法学部第二高校(奈良県)

6月[一学期]


 ある日の午後


放課後

前回の出来事で負傷をしていて近隣の病院に入院していた黒峰豪太をはじめとする1学年の複数の不良の男子生徒たちはなんとか退院してきており第二高校に戻ってきていた。


以前は例の教室に集まっていた彼らなのだが八陀院凌によって撃退されていて例の教室を奪取されてしまい居場所を失って集まる場所が無くなってしまい現在は体育館の裏側の細い通路に集まっていて不良生徒たちの覇気はまったく感じられないようであった。


 「…畜生 なんで俺たちがこんな目に…?」

 「…くそ なんと言うことなのだ…?」

④「…くっ!」


なんと! そこに八陀院凌と八陀院蒼依の二人がやって来ていて黒峰豪太と複数の不良生徒たちに声をかけてきた。


 「…あっ!?」

①「よう 元気かい?」

②「もう 皆さん 退院していたのですね?」

④「…っ!?」


凌と蒼依の二人の登場に黒峰豪太と複数の不良生徒たちは二人に対して身構えていた。


 「…な 何の用だ…?」

 「そ そうだ! 一体何か用でもあるのか?」

 「ま まさか この場所も駄目なのか?」

④「くそっ!!」

①「おいおい なんだ またやりあうつもりなのか? 懲りない連中だなぁ~。」

②「ふふふ せっかく退院したのに気をつけた方がいいな 彼は結構凶暴な男だからね」

④「…むむっ!?」

①「ふん 別にこんな場所など()らんわ!」

②「こんな所にしか居られないなんてなんだか(むな)しくて少し悲しいね。」

④「ちっ! それで一体何の用なんだよ!?」

②「ふふふ そうだね 君に話しがあるのだよ 豪太くん 見ての通り君は非常に(ひま)そうだよね。」

④「な なんだと!?」

①「そんな(ひま)なお前にピッタリな仕事と役職があるのだがなぁ~。」

④「…役職…だと…?」

②「いや 役職と言うよりも部活動に近いかもしれないけどね。」

④「…部活動…だと…?」

①「ああ そうだ 生徒会直轄の組織であり校内の治安を守ることや生徒会役員の護衛などをするのが主な仕事だな。」

 「…何? 何だそれは…?」

④「…それはもしかして "生徒会の犬" になれ…と言うことなのか?」

②「ふふふ 少し乱暴な言い方だけどそんな感じかな だけど結構な厚遇はさせてもらうよ 僕の命令には従ってもらうけど生徒会直轄なので強力な権力とある程度の校則の免除を与えているし "部" と言う設定(コト)なので部費も出るよ。」

 「えっ!? 凄いな!!」

④「…なるほど 確かに厚遇だな だがそれなら風紀委員会と言うのがあるのではないのか…?」

②「それは違いよ 風紀委員会はあくまでも校内の風紀を守ることだけだけで注意を促す程度のモノ―――」

①「この部については実動部隊とも言われていて実務・実力などで仕事ができるようになっているのだよ。」

 「そ それって一体どういうコトなのだ?」

④「…それでその組織のメンバーは一体どのようになっているのだ?」

①「この俺が部長(リーダー)としてお前以外にも部員(メンバー)はいるぞ もしお前も加わると言うのであれば後で紹介しよう。」

④「…あんたが部長(リーダー)…?」

②「ふふふ そうだね 生徒会長直轄の部隊… その名も『生徒会長軍』だね。」

 「…軍…? 部隊のコトか…?」

 「それは部活動とは違うのでは…?」

①「それでどうするつもりなのだ?」

④「ではもし俺がこの要請を断るとどうなる?」

 「…っ!!?」

②「…断る…??」

①「どうもしない 別に隠密でもなければ機密でもない ただ後悔はしないコトだな 確かにお前の言う通り "生徒会の犬" になるのだがこれほどの権力を持ち生徒会長とも密接な関係が作れる… この美味しい組織の勧誘を拒否するコトにな…」

④「……」

②「まぁ 回答はすぐにと言う訳でもない 少し…ゆっくりと考えて結論を出してくれ」

①「そういうコトだな まぁ いつでも来るがいい」

 「………」

④「……」

そう言うと凌と蒼依の二人はその場を立ち去っていった。


 ……………


 ある日の午前中


奈良県の八陀院家

本家の大豪邸で

今日は八陀院家の一族・親族が一堂に集合していての "一族会合" が開催される日である。

当主である八陀院蒼依も当然これに参加している。


ある和室の一室にて

その部屋は何もない広い空間で蒼依が一番奥の真ん中に正面を向いて座布団の上に正座していてその左右から手前まで一族・親族が縦に列をなして向かい合うように座布団の上に正座している状態で会合の開催を待っていた。


その列の中には並んで園八林(そのやはやし)みなみと言う名前の少女やエミリ・ハングヴァーグスにエミル・ハングヴァーグスと言う名前の外国人の少女たちも一緒に参加していた。

しかしそこには八陀院凌の姿は居なかったのである。


エミリとエミルの二人は小声でみなみに話しかけてきた。

⑤「イタタタ みなみ どうも正座というモノには未だに慣れませんねぇ~。」

③「そうねぇ~ エミリ」

⑥「ねぇねぇ みなみ 凌はまだ来ていないけど今日はお休みかなぁ~。」

③「うーん どうかな? 来ないという報告は聞いていないけど… 遅刻かな?」

⑤「……」

⑥「ふぅ~ん そう」

そこに司会進行の担当らしき人物が突然話し始めた。

 「えー 時間ですのでこれより八陀院家の "一族会合" を始めます―――」

③「あっ 始まったよ」

⑤⑥「…!」

みなみとエミリとエミルの三人はお互いの話しをやめて司会の話しを聞いていた。


 ……………


しばらくは色々な内容の話しが続けられていて会合がどんどんと進められていた。

しかし凌はまだ姿を現していないようである。

やがて会合も終盤となり…ここでようやく凌がやって来てやっと姿を現したのである。

それを見ていた一族・親族は凌に対して怒鳴るように声をかけてきた。


 「おい! 遅いぞ!」

 「ちっ! 貴様は一体何をやっているのだ!?」

①「黙れ!!」

 「…くぅ…」


蒼依が凌に声をかけてきた。

②「やぁ 来たか 凌」

①「よう 来てやったぞ 蒼依」

 「貴様! ご当主である蒼依様に対してその口の聞き方はなんだ?」

①②「黙れ!!」

 「は はい…」

②「彼はいいのです」

 「…くぅ…」


みなみとエミリとエミルの三人は凌に向かって笑顔で手を振っていた。

③「あはは どーも 凌」

⑤「フフフ 来ましたね 凌」

⑥「ハハハ 面白い 凌」

①「よう 皆」

凌は部屋の出入口にある障子の横に立っていた。

③「ねぇ 座らないの? 凌」

①「ふっ いい どうせもうすぐ終わるんだろう? このくだらん会合は…」

そう言うと凌は立ったまま腕組みしながら障子に寄りかかっていた。

③「ふぅ~ん そお?」

⑤⑥「……」

②「では話しを…会合の続きを続けますよ。」

 「は はい…」

その後も会合…話し合いは続けられていた。


 ……………


そして八陀院家の一族・親族が集合しての "一族会合" は今回も無事終了して集まった一族・親族も続々と自宅に帰宅していった。


ちなみにみなみたち三人は会合を終えてそれぞれの感想を()べていた。

③「はぁー 終わった 終わったー やっと! この退屈な会合から解放されたーっと!」

みなみは目を閉じながら首を左右横に振っていた。

⑥「くぅーっ! ふう もう疲れたよー エミリ」

エミルは両手を天に伸ばして背伸びをしていた。

⑤「あ 足が痛い やっぱり正座は痛いよ… エミル」

エミリはイタイタの足を手で(さす)って痛みを(やわ)らげていた。


それを見ていた凌は…。

①「…ふん…」

そのまま立ち去ろうとしていた。

それを見ていた蒼依は凌に声をかけてきた。

②「…おや? もう帰るのかい? 凌」

①「ああ こんなくだらん会合には興味がないからな だからもう帰るよ 蒼依」

②「ああ そうか 判ったよ お疲れ様 凌」

①「じゃあな 蒼依」

そう言うと凌は帰っていった。



  ―――――――



   【後日談】

その後は1学年の男子生徒で不良でもある "黒峰豪太" が正式に『生徒会長軍』の加入を新たに決定した。

ただし彼のみであり他の不良生徒たちは対象外であり加入理由も不明である。



  【八陀院家について】

今回の八陀院家の一族・親族が集合しての "一族会合" は当主の決定で開催されており毎回開催される訳ではなく会合内容も極秘の為不明である。

奈良県の名家・八陀院財閥は関西圏内では広く一族・親族が存在していてその中のひとつとして園八林(そのやはやし)という名家の少し変わった「姓」の分家が存在している。

その娘である "みなみ" は凌や蒼依と同じ一族・親族にあたるのである。

また血脈としては遠く外国のオランダの地にも八陀院家の血をひく分家としてハングヴァーグスという「姓」の名家もいる。

その娘である "エミリ" と "エミル" の双子の姉妹も凌や蒼依やみなみと同じ一族・親族にあたるのである。

それが八陀院家が国際的な名士として広く知られている要因ようである。



  【登場人物紹介】

    [簡易型]

 [園八林 みなみ]

年齢:16歳

奈良県出身

日本魔法学部第二高校の女子生徒。(2年生)

奈良県の名士である名家・八陀院財閥の分家にあたる名家・園八林(そのやはやし)財閥の令嬢である。

現在は風紀委員会と『生徒会長軍』に兼務で所属している。


 [エミリ・ハングヴァーグス]

年齢:15歳

オランダ出身

日本魔法学部第二高校の女子生徒。(1年生)

オランダ人少女であり妹と一緒に留学している留学生でもあるが八陀院家の血も混じっているオランダでも有名な名家の令嬢である。

エミルの双子の姉にあたる。

現在は妹と一緒に『生徒会長軍』に所属している。


 [エミル・ハングヴァーグス]

年齢:15歳

オランダ出身

日本魔法学部第二高校の女子生徒。(1年生)

オランダ人少女であり姉と一緒に留学している留学生でもあるが八陀院家の血も混じっているオランダでも有名な名家の令嬢である。

エミリの双子の妹にあたる。

現在は姉と一緒に『生徒会長軍』に所属している。



   『生徒会長軍』

第二高校の理事長であり生徒会長でもある八陀院蒼依が組織して生徒会が直轄する部活動でもあり部隊でもある機関である。

部長(リーダー)は隊長とも呼ばれていて部員(メンバー)は隊員とも呼ばれている。

主な活動は校内の治安を守ることや生徒会役員の護衛などの「守護」が任務であり実務・実力が至上主義の実動部隊でもありその為に行動範囲は制限がなくある程度の行為も免除されていて多少の武力行使が許されている。

ただし蒼依の命令・指示は絶対である。

また隠密・機密などは特にないもののその特異性や重要性から第二高校の中から()りすぐりの優秀で信頼できる生徒たちだけが所属する事が許される言わばエリート集団である。

さらに便宜上は部活(クラブ)なので一応は部費も出るようである。


現在所属が確認されている生徒を紹介する。

部長(リーダー)

八陀院 凌(2年C組)

部員(メンバー)

園八林 みなみ(2年B組)

黒峰 豪太(1年C組)

エミリ・ハングヴァーグス(1年B組)

エミル・ハングヴァーグス(1年B組)


その性質上 口の悪い連中には「生徒会の犬」とも言われているようである。


登場人物紹介



八陀院 蒼依

(はっだいん あおい)


年齢:17歳

身体:174cm

誕生日:9月1日(乙女座)

奈良県出身

趣味:不明(教えてくれない)

在籍:3年生(3年A組)

所属:生徒会会長.風紀委員委員長.部活連代表

家族構成:???

一人称:[僕]


日本魔法学部第二高校の男子生徒。

成績・運動・魔法共に大変優秀であり最早(もはや)授業をする必要もない?

普段はもっぱら親戚の八陀院凌と一緒に校内を自由に巡回しているようである。

容姿はまあまあ格好良くメガネをかけている。

性格は先見の明がありながらも優秀な人材は評価して愚劣な人材は放置する優等生(エリート)と劣等生を差別的な態度で見ているという難点がありエリート意識が少し高いようである。

凌に関しては一定の評価をしている。

蒼依の家族の詳細は不明。

奈良県の名士である蒼依は第二高校の理事長をしておりなおかつ名家・八陀院財閥の本家直系の御曹司でもあり当主を継いでいて本家の自宅に住んでいて普段は高級車に乗車して登下校している。

戦闘能力は高い方なのだが格闘能力・魔法技術などや攻撃魔法などの近接戦・遠距離戦に関しては親戚の凌よりかはそれほど強くはないようである。

本家の一族・親族の中では当主というだけあって非常に人気・信頼があり蒼依の命令・指示は絶対とされているほどの権力があるのだが凌には少し甘いところがある。

現在は生徒会の会長であり風紀委員会の委員長でもあり各委員会や部活連の代表として統括している大変な権力である。

このように第二高校での「権力の最強」を蒼依に「実力の最強」を凌に…というようにされている。


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