62.第二高校編[一学期]【お掃除】
[日本魔法学部第二高校]
【お掃除】
おぉ~ お掃除~ お掃除~~。
…でも…一体何のお掃除なのでしょうか~?
【アブソリュート=ゼロ】
第二高校編[一学期]
【お掃除】
第二高校では4月の入学式が終了しておよそ1ヶ月が経過していた。
第七高校では柊沢統一たちが入学していて第五高校では平塚陽都たちが入学していて第四高校では斎城成瑠子たちが入学していて第三高校では神柴渉たちが入学している時期と同じ時期である。
前回の出来事で新入生でもある1学年の複数の不良の男子生徒を捕らえた八陀院凌はその後にその不良生徒たちの口を割らせてさらに他の1学年の不良生徒たちが普段から集まっている居場所を突き止めたのである。
登場人物
①八陀院 凌(2年C組)
②八陀院 蒼依(3年A組)
③黒峰 豪太(1年C組)
日本魔法学部第二高校(奈良県)
5月[一学期]
ある日の午後
放課後
凌は今度は生徒会長で理事長でもある八陀院蒼依を引き連れて一緒に例の不良生徒たちが普段から集まっている現在は誰も使用していない教室のドアの前に到着していた。
凌と蒼依が小声で話していた。
②「ここかい? 凌」
①「ああ ここだと思うが…な…」
②「さて その彼らはここに居るのかな…?」
①「さぁな 居なければいないでお掃除をするだけだが…な…」
②「ふふふ そーかい どちらにしてもお掃除はする訳だね。」
①「ふん それじゃあ ドアを開けるぞ!」
②「…ああ…」
ガチャ!
その教室のドアを開けると薄暗い室内からガラと人相の悪そうなそのほとんどが制服を着崩したり私服に近い服装でいたりの不良の男子生徒たちが十数名居るようであり椅子に座ったり床に座ったりしていて室内に入ってきた凌と蒼依の二人を一斉に睨み付けていた。
その不良生徒たちの何人かが立ち上がり凌と蒼依の二人に挑発的な態度で声をかけてきた。
「あ? なんだ? テメェらは…?」
①「……」
②「……」
「あ? おい! なんだっつってんだよ! テメェら!」
「おいおい テメェらは口がねぇのかよ? マヌケめ! くっくっくっ」
①「……」
②「……」
「テッ! テメェら!」
さっきから絡んでくる数名の不良生徒たちを凌と蒼依の二人はまったく無視した状態で周囲を見渡していた。
ガッ!
すると突然に絡んできた数名の不良生徒の一人が凌の胸ぐらを掴んできた。
「おい! コラッ!」
ゴォン!
今度は凌が自分の胸ぐらを掴んできた不良生徒の顔面に頭突きを喰らわせた。
「ぐうわぁっ!」
ドサッ!
その不良生徒は鼻血を出してその場に倒れて気絶した。
①「ふん こいつはお掃除のしがいがありそうだな。」
②「ああ まったくだね」
③「…お掃除…?」
…ザワザワ…
今の凌の行動に周囲に居る複数の不良生徒たちが少し動揺してザワつき始めた。
凌はさらにさっき倒して気絶させた不良生徒に向かって言った。
①「ふん この俺に気安く触るんじゃねぇよ! バカが!」
③「……」
すると今度はこの1学年の複数の不良生徒たちを束ねていると思われるボスらしき一人の男子生徒が凌と蒼依の二人に向けて話しかけてきた。
③「なあ アンタたちは何者なんだ? 一体何しにここに来たんだ?」
彼はこの教室に居る複数の不良生徒たちを仕切っている "黒峰豪太" と言う名前の男子生徒である。
①「お? やっと話しのわかりそうな奴が出て来たかな?」
②「ああ そうだね では紹介させてもらうよ 僕は3年で名前は八陀院蒼依…隣の彼は2年で名前は八陀院凌だね。」
③「はっ 八陀院…だと…?」
「おい 八陀院って あの…?」
①「ふん 知っている奴もいると思うがこの間…3年の連中におとなしくさせてもらっていてね… この学校を仕切らせてもらっている八陀院凌と言うモンだ。」
「……っ!!」
③「…むっ!!」
…ザワザワ…
この事実にまたしてもこの教室に居た複数の不良生徒たちが少し動揺してザワついていた。
③「なるほど この学校でデカイ顔をしたければまずはアンタのトコに挨拶するのがスジ…ってコトかい?」
①「ふん そんなコトはどうでもいいコトだ。」
③「…はぁ?」
②「ふふふ 色々な諸事情があってね… この教室をこちらの方で使用したいのだよ。」
「な なにぃ!?」
「なんだとっ!? テメェら!」
①「それでお掃除するコトになったんだよ。」
②「…君たちを…ね」
「……っ!!」
③「なるほど そういうコトなのか… だが…だからといってハイそうですか…と言う訳にはいかないな…」
「そうだ! その通りだ! そう易々(やすやす)と―――」
「俺たちの憩いの場を奪われてたまるかっ!」
①「やれやれだな どうやら痛い目に遭わないとわからんらしいな。」
②「残念ながら君たちに憩いの場などありはしないのだよ。」
③「ちっ! おいっ!」
リーダー格の黒峰豪太が手下の複数の不良生徒に合図を送ると手下の複数の不良生徒たち全員が鉄パイプや金属バットなどを持って立ち上がり凌と蒼依の二人を逃がさないように取り囲んで威嚇をしていた。
「くっくっくっ バカめ」
「へっへっへっ マヌケめ」
③「ふふふ この人数を相手にたった二人だけでここに来るとはなぁ~ どうやら痛い目に遭うのはアンタたちのようだな。」
②「ふふふ これが今 流行りの不良共の常套手段なのかな? ふふふ 面白いね」
①「1年坊が生意気な! ふん いいだろう! ならば見せてやる! キサマたちと俺たちの格の違いを!」
「黙れっ! マヌケめ!」
「ふざけんな! ヤっちまえぇーーーっ!!」
凌と蒼依の二人を取り囲んでいる手下の複数の不良生徒たちが一斉に凌と蒼依の二人に襲いかかってきた。
━━[戦闘を割愛]━━
やはり大方の予想通りなのだが手下の複数の不良生徒たちが全員倒れて気絶していた。
それを見ていた黒峰豪太は茫然自失の状態となって立っていた。
③「……あぁ…あ…あぁ…あ……」
①「さて 残りはキサマだけだなぁ~ 黒峰豪太!」
③「…っ!? お 俺のコトを知っているのか?」
②「ふふふ 当然でしょ まさか僕たちがそこまでマヌケだとでも思いましたか?」
③「…うぐぅ…」
①「さてさて お前はどうするー? この床に転がってる奴らみてーになりてーかぁー?」
③「だ 黙れっ! このマヌケめ!」
黒峰豪太は凌の顔面を右拳で殴ろうとしたが凌はそれをヒラリとかわして今度は凌の右拳が黒峰豪太の顔面に直撃してカウンターアタックとなった。
ズガァッ!
③「うぶあぁ…!」
黒峰豪太は鼻血を出しながらその場に倒れて気絶した。
①「ふん 俺たちのコトを散々(さんざん)マヌケ呼ばわりしておいてどっちがマヌケだったのかこれでようやく判ったようだなぁ~」
②「ふむ これでようやくお掃除完了だね 凌」
こうして1学年の黒峰豪太をはじめとする手下の不良生徒全員がその後に病院送りとなり八陀院凌の方は単独で7日間の停学処分となった。
そして空きとなった教室は有効活用される事になった。
―――――――
『お掃除』
[1]
※今回は1学年で複数の不良の男子生徒たちが集まってくる普段は誰も使用していなかった教室を八陀院蒼依がその後に有効に使用するためにそこに居すわる不良生徒たちを八陀院凌が一掃(お掃除)する事になりこの行為で関わった黒峰豪太たち1学年の不良生徒全員は病院送りとなったのだが処分は不明。
凌は7日間の停学処分。
同行していた蒼依は当然の事だが処分には問われない。
『お掃除』
[2]
※凌は1学年の時に同学年の不良生徒の一掃(お掃除)に成功しており2学年の時には少し前で3学年の不良生徒と今回の1学年の不良生徒の一掃(お掃除)に成功しているために第二高校内では実質的に凌に逆らう生徒(優等生・劣等生問わず)はもういない事になっている。
そして蒼依がその後に有効活用するつもりの今は空きとなっている教室の奪取に成功している。
その功績により報酬として「停学」という形で「休学」できるように蒼依が取り計らってくれている。
【登場人物紹介】
[簡易型]
[黒峰 豪太]
年齢:15歳
奈良県出身
日本魔法学部第二高校の男子生徒。(1年生)
普通の家庭と環境で育った普通の少年。
なんでグレたのかは不明なのだが1学年の複数の不良生徒たちをたったの数日間でまとめ上げたカリスマ的リーダー格の不良生徒である。
その後は優等生・劣等生共に統括しようと夢を馳せていたのだが八陀院凌に敗北してその夢は散った。
【八陀院凌の不思議】
八陀院凌は一体何者なのか…?
確かに名家の息子ではあるのだが…。
凌は第二高校内では様々な事が許されているようである。
服装もそうだが授業中でも校内を自由に行動できていて いかに親戚とはいえ今はまだ生徒会役員や風紀委員などでもないのに八陀院蒼依と共に行動する事が許されている。
そしてそれを咎めようとする者もいない…。
これは一体どういう事なのか…判る日が来るのだろうか…?
登場人物紹介
主人公1
八陀院 凌
(はっだいん しのぐ)
年齢:16歳
身体:180cm
誕生日:7月28日(獅子座)
奈良県出身
趣味:将棋.チェス.麻雀
在籍:2年生(2年C組)
所属:心霊現象研究会部
家族構成:不明
一人称:[俺]
日本魔法学部第二高校の男子生徒。
成績・運動・魔法共に普通以下であるのだがそれは彼が本当の実力を隠しているからである。
八陀院蒼依の権限で凌は蒼依と一緒ならばたとえ授業中であっても校内を自由に行動できる権利が与えられている。
性格は非常に好戦的であり敵対する者には容赦がなくまた冷淡でありエリート意識や面倒事を極端に嫌う一面を持つ少年である。
凌に肉親はおらず詳細は不明。
名家・八陀院財閥の本家直系の御曹司でありながら当主を継がず本家の自宅にも住んでおらず現在は第二高校の男子寮に暮らしていてそこから学校へ徒歩通学している。
戦闘能力は格闘能力も剣術も魔法技術も非常に高く基本魔法・上級魔法共に使用可能であり風魔法や近接戦・遠距離戦共に得意であり戦闘経験豊富である。
麻雀が好きで暇さえあれば陸堂瑛の自宅に行き瑛たちと一緒に遊んでいる。
本家では彼の存在が疎まれていて嫌われ者とされているがそんな中で唯一とされる親戚の八陀院蒼依だけが普通に接してくれている。
どういう経緯で部員になったのかは知らないのだが瑛や奏たちにより『心霊現象研究会部』に入部させられていて『霊感』・『霊力』は有るかどうかは定かではなくまた他の部活動についても詳細不明。
とにかく強くて第二高校では最強であり第七高校の陸堂瑛と肩を並べるほどの天才の一人でもある。