55.第三高校編[二学期]【親睦会旅行:1】
【アブソリュート=ゼロ】
第三高校編[二学期]
【親睦会旅行】
登場人物
①神柴 渉(1年C組)
②伊斑 兎萌(1年C組)
③鏡嵜 智夜(1年C組)
④榎口 恵璃(1年C組)
⑤暁 哲子(1年C組)
⑥園原 孜(1年C組)
⑦七照院 唯美(1年B組)
⑧梶崎 愛莉(1年B組)
⑨二爽院 静花(2年A組)
⑩二爽院 鷹紀(2年A組)
11月に入り第三高校の行事も『魔法水泳大会』と『親睦会旅行』の2つがあり最初の行事は『親睦会旅行』からである。
第三高校の親睦会旅行は "スキー教室" であり1学年の生徒が対象に参加して行う事になる。
その旅行先が新潟県である。
新潟県のとあるスキー場[ゲレンデ]と専用ホテル施設をまるまる借りていてそこで毎年2泊3日の宿泊に利用している。
第三高校ではスキー教室と言っているがその内容はスキーを滑って遊ぶための親睦会旅行となっている。
1学年の生徒の他に1学年担当教師や生徒会役員が引率として一緒に来ている。
……………
親睦会旅行当日
新潟県スキー教室旅行
1学年生徒参加者と引率で一緒に来ている担当教師と生徒会役員は第三高校の学校に集合し新潟県に向けて出発し新潟県の第三高校がこれから宿泊するスキー場の専用ホテルに到着した。
このホテルが基点となる。
[ホテル:ロビー]
(1日目/PM.5:00)
自由行動(外出禁止)
第三高校の生徒一人に1部屋ずつ貸切りである。
…ざわざわ
女子生徒たちは新潟県のスキー場のホテルに到着したばかりなのに元気よく騒いでいた。
⑦「ん~~ 着いたー!」
七照院唯美は背伸びをしていた。
その近くで伊斑兎萌と鏡嵜智夜と榎口恵璃と暁哲子の四人がお喋りをしていた。
②「はぁ 着いたよ~ 疲れたね~ 智夜ちゃん」
③「ええ そうね 兎萌ちゃん 着いたわね」
④「…スキーか…」
⑤「私はスキーなんて全然やってないな~」
②「ねぇ 明日はどうするの? 皆」
③「スキーやるでしょ? 兎萌ちゃん?」
②「いや そうじゃなくてっ! さぁ」
④「明日のスキーで今度こそちゃんと滑れるようにするよ。」
⑤「私もだよ~」
②「だから そういうコトじゃなくてっ! さぁ」
③「……」
その後も四人はお喋りを続けていた。
[ホテル:生徒会専用部屋]
(1日目/PM.6:00)
自由行動(外出禁止)
二爽院鷹紀と二爽院静花と梶崎愛莉の三人がいて部屋で寛いでいた。
⑩「…スキーか…」
⑨「ええ スキーですわ」
⑧「…ふう…」
⑩「はぁ~ 面倒臭いなぁ~ スキー」
⑨「別にお兄様がスキーを滑る必要はないでしょ? あくまでわたくしたちは引率だけですから。」
⑧「…はい…」
⑩「そうだけどなぁ~ でもさぁ 女子たちの前でこのボクが優雅に滑る姿を見せたいよね。」
⑨「はぁ~ 何を言っているのですか? お兄様 そんな動機で滑るのですか?」
⑩「…ふっ ボクは常にカッコ良くなくてはならないのだよ それがこの二爽院鷹紀の宿命なんだよ。」
そう言うと鷹紀は手で前髪をかき上げた。
⑧「…ううっ…」(笑いを堪えている)
⑨「はぁ~ そうですか~ お兄様」
静花は呆れた顔でため息をついた。
⑩「はははは」
その後も三人は寛ぎながら話しを続けていた。
[ホテル:廊下]
(1日目/PM.6:30)
神柴渉と園原孜の二人がジュースの自動販売機の近くで立ち話しをしていた。
①「…明日はスキーか」
⑥「…ああ そうだな」
渉と孜の二人は缶コーヒーを飲んでいた。
①「……」(ゴクリ)
⑥「……」(ゴクリ)
①「はぁ~ 面倒臭いよなぁ~ スキー」
⑥「…そうだな まぁ 適当にすればいいんじゃないのか?」
①「…ふっ そうか…」
その後も二人は寛ぎながら話しを続けていた。
[ホテル:大宴会場]
(1日目/PM.7:30)
二爽院兄妹以外の全員が晩御飯を食事中。
二爽院兄妹は別室にて食事中。
唯美と愛莉の二人が一緒に食べていた。
⑦「うん コレ美味しい!」
⑧「…美味しい…」
別の場所では兎萌と智夜と恵璃と哲子の四人が一緒に食べていた。
②「美味しいっ! 美味しいよね 智夜ちゃん」
③「うん なるほど 確かに美味しいわね 兎萌ちゃん」
④「へぇ~ なかなかイケるね~ コレ」
⑤「へぇ~ これもイケるよ 恵璃」
また別の場所では渉と孜の二人が一緒に食べていた。
⑥「ほう さすがにうまいな コレ」
①「…ああ そうだな…」
全員はその後も食事をしていた。
[ホテル:大浴場]
(1日目/PM.9:00)
自由行動(外出禁止)
大浴場は24時間解放している。
兎萌と智夜と恵璃と哲子の四人は早速お風呂を入りに来ていた。
②「さぁ 早く入ろう 皆」
③「そうね 兎萌ちゃん」
④「ええ」
⑤「オーケー」
四人は「女湯」に入っていった。
[脱衣場]
兎萌と智夜と恵璃と哲子の四人は脱衣場に入ってきて服を脱いでいた。
⑦「あら 皆 お揃いで」
⑧「…どうもです」
そこに唯美と愛莉の二人が後から遅れて入ってきて四人に声をかけた。
②「あっ どうも 愛莉ちゃん 唯美ちゃん」
③「……」
④「おっ 二人も今から入るの?」
⑤「ヤッホー 二人共」
⑦「その通りだよ 皆」
⑧「…うん」
そう言うと愛莉と唯美の二人も服を脱いで六人は大浴場に入っていった。
[大浴場]
六人は入浴した。
②「うわぁ 湯気が凄い!」
③「……そうね」
④「結構 熱いね このお風呂…」
⑤「でもいい気持ちだね 恵璃」
⑦「んー いい気持ちー!」
⑧「…ふう…」
②「いいね~ いい気持ちだね~ 智夜ちゃん」
③「……そうね」
④「はぁ この一時が一番の幸せだね~」
⑤「いやぁ~ そうだねー」
⑦「ところで愛莉 静花先輩はまだお風呂に入らないのかな?」
⑧「…うん 後で入るそうだよ」
⑦「ふぅーん そう」
…などと話しながら六人はその後もお風呂を気持ち良く楽しんでいた。
そしてしばらくしてから静花が一人で夜遅くにお風呂に入っていた。
[ホテル:各部屋]
(1日目/PM.11:00)
消灯時間
全員が就寝。
~おやすみなさい~
こうして親睦会旅行1日目が終わった…
……………
親睦会旅行2日目
新潟県スキー教室旅行
[ホテル:各部屋]
(2日目/AM.7:00)
起床時間
全員が起床。
~おはようございます~
[ホテル:大宴会場]
(2日目/AM.7:30)
全員(二爽院兄妹を含む)で朝御飯を食事中。
1学年生徒の皆はぼーっとしながらも黙々と食べていた。
[ホテル:ロビー]
(2日目/AM.8:50)
全員がロビーで準備・集合しゲレンデに向けて出発した。
[新潟県スキー場]
(2日目/AM.9:00)
全員がスキー場[ゲレンデ]に到着した。
スキー場は第三高校専用スキー場であり到着すると1学年の生徒たちは早速スキーが滑れるように準備をしてあらかじめ決められたグループごとに行動する事になる。
神柴渉が園原孜に話しかけた。
①「おい なんか雲行きが怪しくないか? 午後は空が荒れるかもしれないな。」
⑥「はぁ? 何を言っている? こんなに天気がいいのにか? 渉」
①「…あっ…いや なんかそんな感じがしただけだ……気にするな」
⑥「そうかぁ? 凄く快晴で絶好のスキー日和だと思うがなぁ」
孜は空を見上げた。
空は雲一つない快晴で太陽が顔を覗かせていた。
①「……」
その近くで七照院唯美と梶崎愛莉の二人は既にスキーが滑れる状態で立っていた。
⑧「……」
⑦「さぁ 今日はとことん滑るわよ!」
⑧「…うん そうね」
⑦「ん? あなたも滑るの? いや 滑れるの?」
⑧「…うん 大丈夫だよ」
⑦「ふぅ~ん そう」
さらにその近くで伊斑兎萌と鏡嵜智夜と榎口恵璃と暁哲子の四人はスキーが滑れる状態で立っていた。
②「さぁ 皆ー 今日は沢山滑るよー!」
④「そうね まぁ 今日しか滑れないしね」
⑤「どお? 皆 今日は上まで行く?」
③「…えっ!? 嘘っ!?」
⑤「ははは 智夜はスキーが苦手なの?」
②「まぁ それほど上には行かないから大丈夫だよ。」
④「そうそう そうだよ」
③「……」
…などと各々が着々とスキーを滑る準備をしながらお喋りをしていた。
1学年の生徒たちはそれぞれのグループごとに分かれてスキーを滑るために行動を開始した。
全員は最初は低い場所のゲレンデでスキーを滑り徐々に慣らしていった。
[ホテル:レストラン]
(2日目/PM.1:00)
第三高校の全員がホテルに戻りレストランにて昼御飯を食事中。
来た者や区切れがよい者などがどんどんと昼食をとりに来ていてグループごとにバラバラである。
渉たちのグループも昼食をとりにレストランに来ていて渉は窓から外の空を見上げていた。
①「……」
⑥「ん? どうした? 渉」
そこに孜が渉の所にやって来た。
①「…ああ 天気がな…」
⑥「ん? うーん いい快晴だな 雪どころか雨さえ降っていないな コレなら午後も行けそうだな」
①「……」
[新潟県スキー場]
(2日目/PM.2:00)
昼食後は再び1学年の生徒たちが徐々にゲレンデに出てスキーを滑り始めていて中には上級者コースで滑る者やさらに上に行って滑る者も出始めていた。
二爽院鷹紀はゲレンデの最上部の方から颯爽ととても華麗で素早く滑り降りてきた。
それを見ていた1学年の女子生徒たちの黄色い声援がゲレンデに響いてこだまする。
その頃 昼食を終えた兎萌たちのグループもゲレンデに出てきていた。
②「皆 この後 どうする?」
④「そうね 少し上に行ってみる?」
③「えっ!? ちょっと!!」
⑤「智夜は見ているだけでいいよ。」
④「そうだよ 見ていればいいよ 無理しなくていいからね。」
③「……そお?」
②「…じゃ行こうか 皆」
そう言うと兎萌たち四人はリフトに乗って上に行ってしまった。
全員がそれぞれの思いでスキーを楽しんでいた。
……………
しばらくすると天候が少しおかしくなってきて雲行きが怪しくなってきた。
急に少しずつだが雪が降り始めてきた。
しかしほんの少しの雪なので1学年の生徒たちはそのままスキーを滑っていた。
渉は空を見上げた。
①「…ちっ! 戻るぞ! 孜!」
そこに孜が渉の所まで滑ってやって来た。
⑥「はぁ? 何いってんだ? まだ滑り始めたばかりだろう?」
①「見ろ 雪が降ってきた 戻ろう 孜」
⑥「おいおい この程度の雪で戻るのか? 皆 まだ滑っているだろう?」
①「…いや もうすぐ吹雪になるはずだ ここはホテルに戻るべきだ。」
⑥「…なぜそれが判る…?」
①「……」
⑥「……いいだろう まだ滑り始めたばかりだが少し休憩しよう。」
そう言うと渉たちのグループはさっさとホテルに戻っていった。
……………
すると徐々に降る雪の量が多くなり激しく降り始めていた。
危険を感じた第三高校の1学年の生徒たちが次々とホテルに戻ってきた。
唯美たちのグループもホテルに戻ってきた。
⑦「ちょっと 何なのよ~? せっかく気持ちよく滑ってたのに~~」
⑧「…少し荒れるね? 雪」
⑦「そうね もしかしたら吹雪になるかもしれないわね。」
⑧「大丈夫かな? この後…」
⑦「ええ そうね 大丈夫だといいんだけど…」
⑧「……」
生徒会役員である副会長の二爽院静花が第三高校の1学年の生徒が全員ホテルに戻っているのか確認するために点呼をとり始めていたが……
⑨「えっ!? なんですって兎萌さんたちのグループがまだホテルに戻って来ていないですって!!?」
⑩「なんだとっ!? それは本当なのかっ!?」
なんと兎萌たちのグループだけがまだホテルに戻って来ていないようだ……
⑦「えっ!? 嘘っ!? いないの?」
⑧「…そんな…」
⑥「つまり彼女たちはまだゲレンデにいる…?」
①「くそっ! もう吹雪になり始めてきているぞっ!?」
渉は窓から外を見ていると雪がさっきよりも一層に激しく降り始めてきていて一面が白くおおわれる程に凄い事になっていた。
⑨「本当にこれはマズイですわ!」
①「会長っ! すぐに捜索を!」
⑩「…いや 今は駄目だ… この吹雪の中での捜索では二次被害が出るかもしれない…」
①「…ぐっ! くそっ!」
⑨「…そんな… …遭難…?」
⑥⑦⑧「……」
急な悪天候によりスキーを中断してホテルに戻ってきた第三高校の生徒たちだが伊斑兎萌たち四人のグループだけがそこにはいなかった……
つまりこの吹雪の中でゲレンデのどこかにまだいるということなのか……?
…彼女たちの安否が心配である…
―――――――
『今回の出来事』
[簡易型]
今回の親睦会旅行は第三高校の恒例スキー教室である。
親睦会旅行は11月に開催するのだがこの世界ではもっとも早く雪が降る地域は北海道や新潟県であり一番早くても10月の終わり頃から11月の始め頃にはもう雪が降ってきて積もっている。
第三高校の1学年の生徒たちがせっかくスキーを楽しんでいたのに突然の吹雪にみまわれてしまいスキーを中断してホテルに避難したが兎萌たち四人のグループだけがホテルに戻らずまだゲレンデに……
久しぶりの二部(前編.後編)構成になっており続きを待て!
『新潟県親睦会旅行』
[第三高校の旅行規約]
1.原則自由行動はグループでの行動。
2.原則自己責任。
3.スキー教室にレポートなどはない。
4.自由行動時に問題が起きたら[MCD]で担当教師か生徒会に連絡・報告する事([MCD]は学校側が各生徒に配布)
5.ホテルがすぐ近くにあるのと団体行動なので門限の規定は特にない。
以上 生徒が守る事。
【グループ分け】
グループ決めは自由。(クラスで余りが出ないように事前に決めておく)
1グループは四.五人。
男女混合でも男女別々でも可能。
兎萌グループには伊斑兎萌・鏡嵜智夜・榎口恵璃・暁哲子の女子四人。
渉グループには神柴渉・園原孜とその他生徒たちの男女五人。
唯美グループには七照院唯美・梶崎愛莉とその他生徒たちの男女五人。
【登場人物紹介】
[簡易型]
[七照院 唯美]
年齢:15歳
岐阜県出身
日本魔法学部第三高校の女子生徒(1年生)
名家・七照院財閥のご令嬢で燕彦の妹にあたる。
名家・財閥の娘なのだが誰とでも気軽に接してくれる。
風紀委員会に所属している。
『第三高校専用ホテル』
日本魔法学部第三高校が毎年11月に使用しているスキー教室専用のホテルはスキー場[ゲレンデ]のすぐ近くにある。
豪華な造りの12階建てになっていて1階にはフロント(受付)やロビーなどがありスキー用品の販売・貸出なども行っている。
2階にはレストランやお土産売場などがあり3階には大宴会場や大浴場などがあり4階からは個室の宿泊部屋(シャワー・トイレ完備)が多数用意されている。
また最上階にはバーや遊戯室や室内プールなどの娯楽施設が充実していてスキー教室にしては大変過ごしやすいホテルとなっている。
登場人物紹介
[主人公6]
園原 孜
(そのはら つとむ)
年齢:16歳
身体:174cm
誕生日:8月20日(獅子座)
石川県出身
趣味:将棋.チェス.麻雀
在籍:1年生(1年C組)
所属:生徒会庶務
家族構成:???
一人称:[俺]
日本魔法学部第三高校の男子生徒。
成績・運動・魔法共に普通であり可もなく不可もなくこなしている。
時々教室から消えて授業を聞いていない。
第三高校の男子寮に住んでいてそこから学校へ徒歩通学している。
性格は普段は非常におとなしく少し無口で特定の者(渉や兎萌・智夜たちなど)としか親しくしない。
後は時々何を考えているのか解らない思考をする事がある。
戦闘能力は未知数であり格闘能力も攻撃魔法も所有・使用は不明である。
神柴渉とは高校で知り合っていて興味を持ったのか近づいてきて "友人関係?" である。
魔法に対する憧れや執着心などの思いは不明でなんのために魔法学校の第三高校に入学したのかも不明である。
また彼の家族や生い立ちなどもあまり知られていない。
現在は生徒会役員であり庶務を担当している。
ちなみに部活動についても何の部なのかまだ明らかにされていない…